額縁　吉田吉治　ー平成8年度制作「伝統に生きる」ー

区指定無形文化財保持者の方々の技術の記録・保存のために制作した荒川区伝統工芸技術記録映像「伝統に生きる」をご覧いただけるページです。各区立図書館でDVD等の貸出も行っています。

映像紹介

プロフィール等

吉田さんは大正14年（1925年）生まれ。父・高之助氏は4~5人の職人さんを抱え、仏壇や写真の暗箱などを作る指物師であった。吉田さんは昭和14年（1939年）、根津の飯塚達一氏に師事し、漆塗りの修業を積む。飯塚漆工所では華道、茶道の道具類の他、額縁を多く手掛け、それが吉田さんにとって額縁づくりの道を選ぶきっかけとなったという。昭和22年に独立し、額縁づくりは独学で修得した。創業当初は兄弟3人で仕事をしていたが、撮影当時は10数名の従業員を抱え、洋額を中心に和額、デザイン額など時代にあった額縁作りに取り組んでいた。吉田さんは主に、漆塗り、額縁の飾り部分となる「飾り型」、箔押しなどを担っていた。昭和57年、東京額縁が都の伝統工芸品に指定されて以後、吉田さんは講習会を開くなど、後継者の育成に努め、業界の発展に力を注いだ。
平成7年度、区指定無形文化財保持者に認定。
現在、工房は子息・吉田一司氏が継いでいる。