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提灯に文字をかく技術。提灯屋は17世紀半ば頃から見られ、「近世職人尽絵詞(きんせいしょくにんづくしえことば)」(文化2年〈1805〉)や「宝船桂帆柱(たからぶねかつらのほばしら)」(文政10年〈1827〉)などに、職人が提灯に文字を書いている様子が描かれている。また、提灯屋のなぞり書きの筆法、双鈎・籠字の技法もこの頃に登場している。
江戸時代、携行用の照明具として広く使用され、文字や家紋・神紋を描き入れて婚礼や葬儀などの儀礼、祭礼、また店舗用の看板としても用いられていた。今日も、祭礼・葬儀などの儀礼に留まらず、商店の看板等にも利用されている。
石井さんは、明治30年創業の「南千住の大嶋屋」の四代目で、祖父・鋠一郎氏(故人、元区指定無形文化財保持者)、父・一郎氏(故人、元区登録無形文化財保持者)から技術を継承した。平成21年度から父のもとで本格的に修業し、平成26年に家業を継いだ。
石井さんは、提灯問屋から仕入れた火袋に文字や家紋を書き、枠などの付属品を取り付けて提灯に仕上げるまでを行う。主に祭礼用具に用いる高張提灯・弓張提灯を扱っている。明治時代中期、初代の曽祖父・作次郎氏の頃から、素盞雄神社の奉納提灯や周辺地域の祭礼提灯等を製作しており、地域に密着した技術である。
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