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更新日:2017年11月10日
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かつて江戸時代に、荒川の地で生産されていた野菜たちの復活作戦。
区内では、伝統野菜に関する取組が始まっています。ここでは、これら区内の伝統野菜に関連する情報をお伝えしていきます。
初夏の陽気漂う6月に、都立農産高校の佐々木先生(園芸部顧問)から三河島菜の種の採種を行うという連絡をいただき、早速採種のお手伝いに行ってきました。
畑には虫除けのネットをかけられた三河島菜が。採種用なので、カラカラに乾燥しており、『三河島菜』といわれても全く想像できません。種はサヤに包まれており、小さなスナップエンドウのようです。
ネットの中に三河島菜が
カラカラに乾燥した三河島菜
虫除けネットを外し、園芸部の皆さんが三河島菜の根元の太い茎を切っていきます。
生徒たちが悪戦苦闘しながら、ようやく茎を切ることができ、サヤのついた部分を慎重に、種をこぼさないようみんなで持ち上げます。
そして、地面に種がこぼれても集められるように地面にシートを敷き、茎の部分を紐でひとまとめにし、束にします。
種の入ったサヤ
慎重に持ち上げます
丁寧に仕分けします
その後、サヤから種を出し、ふるいでサヤとタネとを分けます。分けた後、残っている細かな殻を息で吹き飛ばします。こうして、やっと種のみになりました。その種を袋に詰め、三河島菜の採種は完了です。全て手作業で、手間もかかり大変ですが、これで9月末の種まきに向けて準備が整いました。
ふるいにかけます
ふるい終わったところ
細かな殻などを息で吹き飛ばします
種がとれました
今回とれた種。9月にはまた畑へ・・・
都立農産高校の佐々木先生から後日談が届きました。6月に行った採種の際、畑に種がこぼれていたらしく、三河島菜を植えていた場所に気づかぬうちに発芽していたそうです。
せっかくだからということでそのままにしておいたところ・・・。発見して約2から3週間後、それと分かるほど生長しました。
7月9日、都立農産高校の園芸部有志にて、育った三河島菜を収穫しました。収穫の方法は、まず三河島菜を根ごと抜き、土のついた根部分をハサミで切り落とします。次いで桶に水を張りつつ株全体を水洗いします。これで収穫は完了となります。
今回は偶然であったため、手入れは行っておらず、自然に育ったものになります。完全無農薬のため、害虫に食べられ見た目はあまりよいものではなかったですが、味はクセもなく美味しかったです。
三河島菜は育てるとひと抱えほどに生長しますが、今回は20から30センチほどの草丈で収穫しました。三河島菜は大きく生長し、どうしても現在の流通の規格から外れてしまうという問題がありますが、この草丈の収穫であれば小松菜と同様の生産販売ができるかもしれません。ただし、この時期の栽培は「旬」という位置づけからは離れたものになるため、今後の三河島菜の展開方法によって生産方法を考えていく必要があります。
佐々木先生、情報をありがとうございました。冬野菜である三河島菜が春から夏にかけても生長することが分かりました。
畑に発芽した三河島菜
少し生長したところ
収穫しました
丁寧に水洗いする
それなりの量がとれました
昨年12月に開催した「三河島菜研究会 in 荒川」(野菜だより第4号参照)に参加いただいた区内お弁当店キャロットの下川さんからの情報がきっかけとなって、荒川区の交流都市である山梨県北杜市の観光・商工課の方々と荒川区の伝統野菜についてお話しする機会がありました。
北杜市には、区の教育施設である「清里高原ロッジ・清里高原少年自然の家」があり、交流都市として川の手荒川まつりへの出店などを通じ交流を行っています。そのつながりをいかして、今度は、荒川区の伝統野菜を北杜市の農家で育ててもらおうという試みです。
荒川区の伝統野菜を区内で栽培したいところですが、残念ながら農地はありません。一方で、北杜市には広大な農地があり、同じように地元の伝統野菜を普及する取り組みが行なわれています。そこで、交流都市の協力関係を活かし、荒川区の三河島菜などを育てることを通じて、宿泊農業体験や文化交流などを深めていこうという案が話し合われました。その昔、三河島菜の種が仙台へ運ばれ、仙台芭蕉菜として栽培し続けられたように、北杜市で三河島菜が栽培され、農作物として荒川区内の商店で販売されるようになれば・・・と夢も膨らみます。今年はまず試作ということで御協力いただき栽培することができそうです。
今後、北杜市とは、荒川区の伝統野菜を通じて、さらに観光・産業・文化の面で交流を深めていきます。栽培の状況もこの野菜だよりでお知らせしていく予定です。
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産業経済部観光振興課観光振興係
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