ここから本文です。
海外にはヤブカ属の蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)が媒介するジカウイルス感染症(ジカ熱)、デング熱、チクングニア熱といった感染症が流行している地域があります。日本国内では、ウイルスを持ったヒトスジシマカに刺されることで感染し、ヒトからヒトには感染しません。
なお、これらの感染症は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」で四類感染症に位置づけられており、同法12条に基づき、診断した医師は直ちに最寄りの保健所へ届け出る義務があります。
ジカウイルスに感染した蚊に刺されることによって生じる感染症です。
蚊に刺されてから2日から12日の潜伏期間の後、発熱・頭痛・眼球結膜充血・皮疹・関節痛・筋肉痛などを呈します。通常、これらの症状は軽く、数日続いて治まります。
重症化することはこれまでのところ報告されていません。また、感染しても全員が発症するわけではなく、症状がないか、症状が軽いため気がつかないことがあります。
平成27年5月以降、ブラジルやコロンビアをはじめとする中南米地域で流行が続いており、同時期に小頭症の新生児や神経疾患であるギラン・バレー症候群患者が増加していることから、その関連が示唆されています。
このため、妊婦や妊娠の可能性のある方は、流行地域への渡航を控えた方が良いとされています。やむを得ず渡航する場合は、厳密な防蚊対策を行う必要があります。
現在、日本国内で感染した事例はありません。最新の流行地域は、下記リンクをご確認ください。
ジカウイルス感染症の流行地域(厚生労働省)(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
デングウイルスに感染した蚊に刺されることによって生じる感染症です。
デングウイルスを媒介する蚊が生息する熱帯・亜熱帯地域で多くみられ、全世界で年間約1億人の患者が発生していると推測されています。日本でも海外渡航での感染による患者が毎年200人以上発生しています。
典型的には、蚊に刺されてから3日から14日(多くは4日から7日)の潜伏期間の後、高熱(38度から40度)・頭痛・眼窩痛・関節痛・筋肉痛・発疹などを呈します。1週間ほどで解熱し、予後は良好な疾患です。
稀に、熱が下がり始めたころ(2日から7日後)に、循環障害、消化管出血、呼吸困難などを呈しショック状態に陥る「デング出血熱」になることがあります。適切な治療を受ければ、死亡率は1%未満といわれています。
チクングニアウイルスを持った蚊に刺されることによって生じる感染症です。
かつては、アジア、アフリカの熱帯・亜熱帯が流行地域でした。しかし最近は、中南米の各地に流行地が広がり、今も拡大を続けています。マラリアと異なり、都市部でも感染の可能性があります。
典型的には、蚊に刺されてから3から12日(多くは3から7日)の潜伏期の後、発熱、発しん、関節痛がみられます。急性症状が軽快した後も、数週間から数年にわたってリウマチに似た関節痛や腫脹、圧痛が続くことがあります。
特別な治療法はありません。症状に応じた対症療法が行われます。
蚊に刺されて発熱などの症状がある場合は、かかりつけの医療機関などを受診しましょう。
予防接種はありません。蚊に刺されない工夫をする必要があります。
加えて国内では、蚊の繁殖を防ぐことが大切です。
また流行地に渡航する際は、可能な限り設備が整った(網戸の設置や必要な清掃が行われている、エアコンが備わっている等)宿泊施設を利用しましょう。
こちらの記事も読まれています
お問い合わせ
健康部保健予防課感染症予防係
〒116-8502荒川区荒川二丁目11番1号
電話番号:03-3802-3111(内線:430)
ファクス:03-3807-1504
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください