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「あらかわ俳句アワード」では、前年度に開催した荒川区主催の俳句事業の最優秀句の中から年間大賞を選定し、「あらかわ俳句アワード」として決定します。
蕗の薹瞬き忘れゐるやうな
江戸川区・相場恵理子さん/第28回あらかわ俳壇一般の部特選
蕗の薹の何とも言えない愛らしさです。まだ寒い大地に顔を出した小さな蕗の薹の花芽が、春の精に出会い、驚き見入っているかのよう。ユニークな比喩です。「ゐるやうな」と、切れていない終り方に余韻が生まれ、人々に語りかけてきます。(現代俳句協会副会長・対馬康子氏)
滝の音静かに強く響く森
瑞光小学校5年生・堀越公太さん/第26回あらかわ俳壇小中学生の部特選
※学年は投句当時の学年です
滝の音が「静かに強く響」いている、という捉え方が見事です。森と滝というダイナミックな景の中、水の奔流である滝が「静かに強く響」き、その森の多種多様な生物の存在や、生命の力強さが、読者に伝わってきます。(現代俳句協会幹事・堀田季何氏)
松手入一挙に展く空の蒼
西尾久・大越源一さん/第27回あらかわ俳壇一般の部特選
十月ごろに、今年葉が残った松の古葉に鋏等入れて来年の芽を整えておこうと、ひとたび作業に取りかかれば、今まで塞がれていた秋空の青さが眼に入って来たと言う。平明な表現ながら、余情を醸し出している処に惹かれる。(荒川区俳句連盟・佐々木忠利氏)
虹立つや人を木立にしてしまふ
横浜市・山田知明さん/第26回あらかわ俳壇一般の部特選
雨上がりの空に大きくかかった虹、それを遠巻きに見ている人たちは微動だにせず、あたかも木立のように立ち並んでいるのであろう。大胆な見立ての中にも、虹に対する新鮮な感動が伝わってくる気持ちの良い一句だ。(「群青」共同代表・佐藤郁良氏)
鳥帰る最後の潜水深くして
倉敷市立東中学校2年生・田村豪さん/第28回あらかわ俳壇小中学生の部特選
※学年は投句当時の学年です
冬を日本で過ごした鴨などの水鳥であろうか。春になって北の地に帰るにあたり、深々と水に潜ってから飛び立ったのだ。ひと冬を過ごした池に、名残を惜しむかのように見えたのだろう。繊細な感性が光る一句である。(「群青」共同代表・佐藤郁良氏)
星飛んで希望に燃える願い事
第四峡田小学校5年生・奥村昊太さん/第27回あらかわ俳壇小中学生の部特選
※学年は投句当時の学年です
「星飛んで」は、流れ星である。昔から星が流れ落ちるまでに願い事を唱えればその希望が叶えられると言われて来た。掲句の中七の「希望に燃える」に食指が動く。若いときほど夢は大きく努力を怠らなければ必ず夢は叶うもの。エールを贈りたい。(荒川区俳句連盟・佐々木忠利氏)
※一部エントリー辞退の句があります
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