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更新日:2020年6月17日
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動物由来感染症とは、動物から人に感染する病気の総称です。近年のペットブームや、交通手段の発展に伴う人間の行動の多様化、自然開発や野生動物のペット化等により、今まで忘れられていた感染症や未知の感染症が勢いを増し、問題となっています。
名称 | 病気の特徴 | 感染経路・感染状況 | 予防 |
---|---|---|---|
狂犬病 | 平均30日間程度の潜伏期間の後発症。初期はかぜに似た症状で、噛まれた部位に知覚異常が見られる。不安感、恐水症、興奮、麻痺、錯乱などの神経症状が現れ、数日後に呼吸麻痺で死亡する。発症してしまうと100%死亡する。 | 感染した犬、ネコ、アライグマ、キツネ、スカンク、コウモリなどのだ液中のウイルスに感染する。日本では、1957年以降発生していないが、アジア・欧米諸国では今でも発生があり、世界で年間3から5万人が死亡している。 | 日本では、万一の発生時に備え、飼犬に年1回の予防注射が義務付けられている。また、犬を飼う際には登録が必要。(取得時のみ) |
Q熱 | 感染者の約50%は症状が現れない。軽度の呼吸器症状で治ることも多いが、急性型ではインフルエンザに似た症状で、悪寒を伴う急激な発熱(38から40度)、頭痛、眼球後部痛、筋肉痛、食欲不振、全身けん怠感など。肺炎症状、肝機能障害なども見られ、心内膜炎に移行する等の重症例もある。 | 野生動物、家畜、ペットなどが感染している場合がある。感染した動物の尿や糞、獣皮や毛皮などに含まれる病原体などを吸い込んで経気道感染することが最も多い。また殺菌されていない牛乳を飲んだり、感染した動物の肉を食べることでも感染する。ダニが病原体を媒介することもある。 | 野山では長袖を着用するなど肌の露出を避け、虫除け剤を塗る。また、生乳を飲まない。 |
オウム病 | 突発の発熱38度以上)で発症、せきが必ず出て、たんを伴う。全身けん怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛、頭痛などのインフルエンザのような症状。重症になると呼吸困難、意識障害などを起こし、診断が遅れるとまれに死亡することがある。 | 鳥(セキセイインコ、オウム、ハトなど)のフンに含まれる菌を吸い込んだり、口移しでえさを与えることによっても感染する。 | 鳥を飼う時は、羽やフンが残らないよう常に清潔にする。口移しでえさを与えないなど節度ある接し方を心掛ける。信頼のおけるペットショップで健康な鳥を購入する。 |
パスツレラ症 | パスツレラは、犬やネコの口の中に普通に見られる細菌で、咬まれたり、引っかかれたりした場合に人間に感染することがある。通常は咬まれたりした場所が赤く腫れたりするだけの軽症である。傷が深い場合は骨髄炎になったりすることもある。 | 厚生労働省の調査では、犬の75%、ネコの97%の口の中、またネコのつめの20%に保有が見られる。人がかかる場合の約半数は犬、ネコの咬み傷、かき傷による。最近の調査によれば、鼻や口からの呼吸感染も報告されている | 犬やネコに咬まれたり、ひっかかれたりしないように注意し、傷を受けた場合は、石けんでよく洗う。 |
エキノコックス症 | 日本では主に北海道で患者の発生が見られる。虫卵が口から入ることで感染し、虫卵は腸の中で幼虫になり、その後肝臓に寄生する。感染後、数年から数十年ほどたって自覚症状が現れる。初期には上腹部の不快感・膨満感の症状でさらに進行すると肝機能障害を起こす。 | 北海道のキタキツネが主な感染源で、糞中に病原体であるエキノコックスの虫卵を排出する。北海道で放し飼いをして感染した犬もキタキツネ同様に感染源となる。人はエキノコックスの虫卵を手指や食物や水などを通して口から入ることで感染する。ここ10年ぐらいは毎年10人前後が新たに患者となっている。人は血清等で検査可能であるが、治療方法は外科手術となる。犬は糞で検査可能。 | キタキツネ等との接触をできるだけ避け、外出後は手をよく洗う。キツネを人家に近づけないよう、生ごみ等を放置せずえさを与えたりしない。沢や川の生水は煮沸してから飲むようにする。山菜や野菜、果物等もよく洗ってから食べる。犬も感染した野ネズミを食べて感染するため、放し飼いをしない。 |
上記のほかにも、国内で実際に発症している動物由来感染症として、回虫症、サルモネラ症、細菌性赤痢などがあります。
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