更新日:2024年9月18日
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当社は昭和35年創業で業歴64年を有する。過去から培ってきた技術、ノウハウを保持するが、IT化の進展や、海外企業の台頭、感染症の流行など企業を取り巻く経営環境は目まぐるしく変化している。このような状況下、更なる発展を遂げるため、自社のコアコンピタンスの認識、時代の変化に応じた新たなドメインを再定義する必要に迫られていた。
支援開始前にヒアリングを基に荒川区から「コアコンピタンス経営のための戦略策定」を支援テーマとしてプランを策定し、経営者へ提案した。
支援にあたり、まずは財務分析を実施し、貸借対照表、損益計算書、損益分岐点分析、キャッシュフロー分析など定量面から当社の課題を分析し、売上高を増加させる必要性を認識した。その後は専門家のアドバイスを基にSWOT分析による自社の強み・弱みの把握、自社の強みと市場の機会を活用した事業機会の検討、自社・顧客・競合を対象とした3C分析を通じた現状把握・経営課題の発見を行った。
専門家との面談を通じ、当社のコアコンピタンスは以下のように可視化された。
何でも曲げます!鋼板(鉄、ステンレス、アルミ、銅等)の曲げの事でしたらお任せください!
自社のコアコンピタンスの再認識と市場の変動、今回の支援を受けて、ドメインをそれまでの「試作品製作」から「曲げのプロ」、「1点から生産」に再定義した。このドメインの再定義を通じ、当社のなりたい姿が明確となり、将来への具体的なアクションプランを描くことが可能となった。
コアコンピタンス経営を行い、3年後の当社の姿を描くにあたり、財務、顧客、業務プロセス、学習と成長と合計4つの視点を設定した。4つの視点それぞれで達成すべきことをリストアップし、年度ごとに誰が、何を、どのように実施するか、明確化した。
展示会参加による顧客との接点増加を図るべく、「機械要素技術展【東京】」に出展した。
支援を通じ、当社の強みが明確となり、ブースを訪れた来場者に対して強み・技術を的確に訴求できたことから、見積依頼を受けるなど新規取引先開拓につながる機会を得た。
石坂コンサルタントによる高度専門家派遣を受けました。プロジェクトテーマが、“コアコンビタンス経営の為の戦略策定”というテーマを掲げてプロジェクト期間を6ヶ月で計10回行いました。
現状分析、事業戦略検討、アクションプランの策定の3つのテーマについて勉強しました。コアコンビタンスの明確化で“何でも曲げます”というシンプルな文言ですが、その言葉に共感を持ち、それに決定しました。
3年後のビジョンを描いていた時に、売り上げ向上の為に展示会の出展を決めました。今回、ものづくりワールドの機械要素技術展に勇気を出して出展しました。
更に、財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4つの視点から中期のあるべき弊社の姿を描き、その戦略目標に対して経営資源を投入し、その実現のために邁進中です。石坂コンサルタントとともに、荒川区役所の経営支援課の皆様に御礼を申し上げます。
中小企業の経営者の方に「貴社の強みは何ですか?」と尋ねると、「よくわからない」「強みはあまりないです」という答えが返ってくることがしばしばあります。
同社も「強みはよくわからない」という答えでしたが、60期を越えている企業様ですので、どこかに強みがあるはずです。質問の聞き方を変えて、「なぜX社やY社は貴社に注文を出すのですか?」と聞いたところ、「汎用型を駆使して曲げられない形状も曲げられる」、「短納期・高品質の試作ができる」など10以上の答えが返ってきました。
これこそが企業の強みなのです。強みが認識できたら、それを伝える印象に残りやすくわかりやすい言葉=自社の看板を考えます。「何でも曲げます!」これでいきましょうとなりました。
シンプルなことですが、強みを活かして事業を拡大する・・迷ったらここに立ち返り、考えるヒントになれば幸いです。
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