更新日:2022年3月24日
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3月24日(木曜)、生涯学習センターで、東京藝術大学卒業・修了制作作品への「第16回荒川区長賞授賞式」が行われました。古瀬 清美(ふるせ・きよみ)地域文化スポーツ部長から、受賞者の平良 光子(たいら みつこ)さんと萩原 睦(はぎわら むつみ)さんの2名に、賞状と副賞の奨学金が手渡されました。
平良さんは「荒川区長賞という光栄な賞をいただけて嬉しいです。区民の皆さんに自分の作品を観てもらえることは、自分だけでなく作品にとっても、大変幸せなことだと思います。」と話してくれました。
萩原さんは「観てくださる皆さんに、自分の作品に込めた『記憶』や『気持ち』などを伝えたいです。また、多くの方が美術に触れられる、このような区の施設に展示していただけて嬉しいです。」と話してくれました。
東京藝術大学大学院 美術学部 美術研究科 彫刻専攻 修士課程 平良 光子さん
彫刻(H45センチ×W115センチ×D23センチ)
樟(くすのき)、彩色
生涯学習センター(荒川区荒川3-49-1)
1匹の青い獣が、白い布を手に取りうつむいています。顔を近づけ、そこに残る匂いを確かめているようです。一体いつからここに座り込み、何を想っているのでしょうか───。“哀れみ”、”慈悲”を意味する「Pietà」。十字架から降ろされたキリストを抱きしめる、聖母マリアを表す言葉でもあります。聖書の物語の中でキリストは救世主でしたが、マリアにとっては1人の大切な息子でした。愛する存在を失った、深い深い悲しみと、止めどなく溢れる慈しみ。たとえ、すぐに立ち上がることはできなくても、ただ悼み、共に過ごした記憶を反芻する姿を静かに表現したいと思い、この作品が生まれました。モデルは作者と暮らす老犬です。聖書の内容を知らない方も、青いまつ毛に隠れた瞳を覗き込み、自由に物語を想像してみてください。悲しみに暮れる心に、そっと寄り添える作品になれたら嬉しいです。
東京藝術大学大学院 美術学部 美術研究科 工芸専攻ガラス造形研究分野 修士課程 萩原 睦さん
陶芸(ガラス)(H57センチ×W65センチ×D65センチ)
ガラス、写真、言葉
東尾久本町通りふれあい館(荒川区東尾久2-37-14)
自身にとって日々何気なく過ごす中で大切にしたいと感じている「記憶」の中の「時間」を、「ガラス」と「写真」と「言葉」を用いて表現を行なった。モチーフは太陽が西の空に沈んだ後、東の空に数分間だけ現れる紺色の「地球の影」とその上に現れる「オーロラヴェール」と呼ばれるピンク色の帯状の光を、自身の実際の記憶を元に制作した。ガラスの器は記憶を内包させ留める形として捉え、器を覗き込んだときに空に囲まれている状況を想像できる作品を目指した。また、実際に撮影した「写真」の表現と、空気、温度、湿度、匂いなど視覚では伝わらない感覚を「言葉」で表現した。さまざまな感覚で「記憶」の中の「時間」を感じてほしい。
荒川区は、芸術・文化振興のために東京藝術大学と平成20年に「芸術・文化振興のための連携にかかる合意書」を締結。それ以来、区と東京藝術大学は様々な連携事業を行ってきました。
東京藝術大学卒業・修了制作作品への「荒川区長賞」は、連携事業の一つで平成19年度に創設されました。毎年、卒業・修了制作作品の立体部門から原則2点選考されていて、それぞれが区内各所に設置され、区民が優れた芸術作品に身近に触れ合う良い機会となっています。今回の受賞で区内に設置された作品は30作品となりました。
平良光子さんと作品
彫刻「Pietà」
萩原睦さんと作品
彫刻「16:23」
お問い合わせ
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電話番号:03-3802-3111(内線:2521)
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