○荒川区施工能力審査型総合評価方式の試行に関する要綱

平成21年11月12日

制定

(21荒管経第2445号)

(副区長決定)

(趣旨)

第1条 この要綱は、公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成17年法律第18号)に基づき、荒川区(以下「区」という。)が発注する工事において、安定的な品質確保と不良不適格企業の参入防止を図るため、入札の際に工事価格及び施工能力等を総合的に評価して落札者を決定する方式(以下「施工能力審査型総合評価方式」という。)を試行するに当たり、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 契約担当者 荒川区契約事務規則第2条第2項に規定する契約担当者をいう。

(2) 1級技術者 建設業法(昭和24年法律第100号)第15条第2号イに該当する者をいう。

(3) 2級技術者 建設業法第27条第1項の規定による技術検定その他の法令に規定する試験で当該試験に合格することによって直ちに同法第7条第2号ハに該当することとなるものに合格した者又は他の法令の規定による免許又は免状の交付(以下「免許等」という。)で当該免許等を受けることによって直ちに同号ハに該当することとなるものを受けた者であって1級技術者以外の者をいう。

(4) その他技術者 建設業法第7条第2号イ、ロ若しくはハ又は同法第15条第2号ハに該当する者で1級技術者及び2級技術者以外の者をいう。

(5) コリンズ 財団法人日本建設情報総合センターの工事実績情報サービスをいう。

(6) 工事成績点 荒川区工事成績評定試行要綱(平成18年12月28日施行18荒管経第997号)に基づく過去の工事成績評定の総評定点をいう。

(7) 基準日 各四半期の初日(4月1日、7月1日、10月1日及び1月1日)のうち、発注工事の公表日の直前のものをいう。ただし、発注工事の公表日が各四半期の初日の場合は、該当する四半期の初日とする。

(試行対象工事)

第3条 施工能力審査型総合評価方式の試行対象工事は、予定価格が2,500万円以上の工事案件から選定する。ただし、工事内容等により総合評価方式での入札が必要であると認められる場合は、この限りではない。

2 具体的な試行対象工事は、工事主管課と契約担当者が協議の上、決定するものとする。

(学識経験を有する者への意見聴取)

第4条 落札者決定基準を定めようとするときは、次の各号に掲げる事項について、あらかじめ、2人以上の学識経験を有する者に意見を聴かなければならない。

(1) 落札者決定基準を定めるに当たり留意すべき事項

(2) 落札者を決定しようとするときに、改めて意見を聴く必要の有無

2 前項第2号の規定による意見の聴取において、改めて意見を聴く必要があるとの意見が述べられた場合には、当該落札者を決定しようとするときに、あらかじめ、学識経験を有する者の意見を聴かなければならない。

(施工能力審査型総合評価方式における入札参加の制限)

第5条 第7条に規定する工事成績評価点算定の基礎となる工事成績点のうち、最も直近のものが60点未満である者は、入札参加を認めないものとする。

(評価の方法)

第6条 施工能力審査型総合評価方式の評価は、価格点、施工能力評価点、企業の地域貢献評価点を合計した評価値による。

2 価格点の算定は、次のとおりとする。

90×(1-入札価格÷予定価格)

3 施工能力評価点の算定は、工事成績評価点、配置予定技術者の資格点及び配置予定技術者の実績点の合計によるものとする。

4 施工能力評価点の満点は18点とし、評価項目の点数配分は次のとおりとする。

工事成績評価点:配置予定技術者の資格点:配置予定技術者の実績点=13点:3点:2点

5 企業の地域貢献評価点の算定は、地域精通度、環境配慮、障がい者の雇用実績の合計によるものとする。

6 企業の地域貢献評価点の満点は7点とし、評価項目の点数配分は次のとおりとする。

地域精通度:環境配慮:障がい者の雇用実績:災害協定=2点:1点:1点:3点

(工事成績評価点の算定方法)

第7条 工事成績評価点は、工事成績点の平均に応じて、下表のとおり算定するものとする。

工事成績点の平均

工事成績評価点

0点以上60点未満

0点

60点以上62点未満

1点

62点以上64点未満

2点

64点以上66点未満

3点

66点以上68点未満

4点

68点以上70点未満

5点

70点以上72点未満

6点

72点以上74点未満

7点

74点以上76点未満

8点

76点以上78点未満

9点

78点以上80点未満

11点

80点以上100点以下

13点

2 工事成績点の平均は、競争入札参加希望者が、基準日の5年3か月前の日から起算して、5年の間に完了した工事のうち、工事完了日が基準日に近いものから順に3件の工事成績点の相加平均とする。ただし、工事成績点が60点未満のものは、当該工事成績点を0点とし、直近工事件数が3件に満たない場合は、不足する工事件数1件につき60点として算定するものとする。

3 工事成績点は、区が発注した工事のみを対象とする。

4 工事成績評価点算定の対象工事は、東京電子自治体共同運営の建設工事等競争入札参加資格の業種区分で当該発注工事と同一の業種とすることを原則とし、当該発注工事と異なる業種を対象とする場合は、起工時に指定する。

(配置予定技術者の資格点及び実績点の算出方法)

第8条 配置予定技術者の資格点及び実績点は、配置予定技術者の資格と実績について、次のとおり算定するものとする。

(1) 配置予定技術者の資格点は、3点満点とし、配置予定技術者が、当該発注工事の建設業法上の業種について、1級技術者の場合に3点、2級技術者の場合に2点、その他の技術者の場合に1点とする。

(2) 配置予定技術者の実績点は、2点満点とし、配置予定技術者が、同種工事について監理技術者としてかかわった場合に2点、主任技術者としてかかわった場合に1.5点、担当技術者としてかかわった場合に1点、類似工事について監理技術者としてかかわった場合に1.5点、主任技術者としてかかわった場合に1点、担当技術者としてかかわった場合に0.5点とする。

(3) 前号の同種工事は、コリンズの工事区分で当該発注工事と同一の工種の工事で、高さ、長さ、面積等の規模が当該発注工事と同程度以上のものを、当該発注工事の公表時に指定する。

(4) 第2号の類似工事は、コリンズの工事区分で原則として当該発注工事と同一の工種の工事で、高さ、長さ、面積等の規模が当該発注工事よりも小さいものの経験として有用なものを、当該発注工事の公表時に指定する。

(5) 前2号の規定により、同種工事及び類似工事を起工時に高さ、長さ、面積等の規模で指定することが困難な案件については、契約金額での指定ができるものとする。

(6) 配置予定技術者の実績点は、コリンズに登録されたデータから算定する。

(企業の地域貢献評価点の算定方法)

第9条 企業の地域貢献評価点は、第12条に規定する申請手続を行う発注工事の公表日現在で、以下の項で規定する評価点の合計によるものとする。

2 地域精通度は2点満点とし、競争入札参加希望者が荒川区競争入札等参加者選定要綱(以下「選定要綱」という。)第2条第1項第5号に規定する区内本店業者である場合は2点とする。選定要綱第2条第1項第6号に規定する区内支店事業者である場合は1点とする。

3 環境配慮は1点満点とし、前項の事業所において、ISO14001又はエコアクション21の認証を取得し、現在も登録している場合は1点とする。

4 障がい者の雇用実績は1点満点とし、次の各号に掲げるとおり算定するものとする。

(1) 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下「障害者雇用促進法」という。)第43条第7項に規定する厚生労働大臣への報告義務がある競争入札参加希望者については、直近に公共職業安定所宛に提出した障害者雇用状況報告書における実雇用率が法定雇用率以上の障がい者雇用がある場合は1点とする。

(2) 障害者雇用促進法第43条第7項に規定する厚生労働大臣への報告義務がない競争入札参加希望者が、第8号に規定する常用労働者のうち1週間の所定労働時間が30時間以上の障がい者を1名以上雇用している場合は1点とする。

(3) 障害者雇用促進法第43条第7項に規定する厚生労働大臣への報告義務がない競争入札参加希望者が、第7号に規定する短時間労働者のうち第5号に規定する重度身体障害者又は重度知的障害者を1名以上雇用している場合は1点とする。

(4) 障害者雇用促進法第43条第7項に規定する厚生労働大臣への報告義務がない競争入札参加希望者が、第7号に規定する短時間労働者のうち次号に規定する身体障害者、知的障害者又は精神障害者を2名以上雇用している場合は1点とする。

(5) 第2号の障がい者とは、障害者雇用促進法第2条の「身体障害者」「重度身体障害者」「知的障害者」「重度知的障害者」「精神障害者」をいう。ただし、精神障害者については、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者に限る。

(6) 第2号から第4号までの加点対象となる障がい者は、発注工事の公表日から起算して過去3か月以上雇用されている労働者に限るものとする。

(7) 短時間労働者とは、次の者をいう。

 1週間の所定労働時間が、雇用する通常の労働者の1週間の所定労働時間に比し短く、20時間以上30時間未満である者

 に該当する者のうち、次号に規定する常用労働者である者

(8) 常用労働者とは、次の者をいう。

 期間の定めなく雇用されている労働者

 一定の期間(例えば1か月、6か月等)を定めて雇用されている労働者であって、その雇用期間が反復更新され、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている労働者又は採用のときから1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者

5 災害協定は3点満点とし、区と災害時における協定の締結がある場合又は区と災害時における協定の締結がある団体の構成員である場合に3点とする。

(落札者の決定方法)

第10条 入札価格が、予定価格の制限の範囲内であるもののうち、第6条第1項の評価値が最も高いものを落札者とする。

2 前項の評価値の最も高いものが2者以上あるときは、当該者にくじを引かせて落札者を決定する。

(公表事項)

第11条 施工能力審査型総合評価方式を試行しようとするときは、発注工事の公表において、次に掲げる事項について具体的に明示するものとする。

(1) 施工能力審査型総合評価方式の対象工事であること。

(2) 提出資料の様式及び提出方法

(3) 価格点の評価方法

(4) 施工能力評価点の評価項目及び評価方法

(5) 企業の地域貢献評価点の評価項目及び評価方法

(6) 総合評価の方法及び落札者の決定方法

(7) 提出資料の提出後においては、原則として提出資料に記載された内容の変更を認めないこと。

(8) 提出資料に記載された配置予定技術者は、原則として変更できないこと。

(資料の提出等)

第12条 入札参加希望者は、入札参加希望申請手続を行うとともに、公表事項に基づき、施工能力評価点等申告書、工事成績評定書、配置予定技術者の保有資格等の必要な資料を提出するものとする。

(施工能力評価点等の審査)

第13条 施工能力評価点及び地域貢献評価点の審査に当たっては、公表事項において区が示した評価方法により評価するものとする。

(その他)

第14条 この要綱の実施に関し必要な事項は、別に定めるものとする。

この要綱は、平成28年4月1日から施行する。

荒川区施工能力審査型総合評価方式の試行に関する要綱

平成21年11月12日 種別なし

(平成28年4月1日施行)