ふるさと納税に対する区の見解
ふるさと納税制度とは
ふるさと納税制度は、地方で生まれ育って都会に出てきた方などが、生まれ育ったふるさとに対して、税制を通じてふるさとへ貢献する仕組みとして平成21年度に導入されました。
ふるさと納税の意義
- 納税者が寄付先を選択できる制度であり、税の使われ方を考えるきっかけとなる
- 生まれ故郷、お世話になった地域、これから応援したい地域への力になれる
- 地域が納税者に対し地域の取組をアピールできる制度であり、地域のあり方をあらためて考えるきっかけとなる
現在のふるさと納税制度は本来趣旨から逸脱しています
荒川区では令和6年に約14億円の住民税がふるさと納税によって失われました
ふるさと納税制度の「税の使われ方を考えるきっかけになる」、「生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域や応援したい地域への力になる」、「地域のあり方を改めて考えるきっかけとなる」という趣旨には賛同しています。
しかしながら、公共サービスの財源となる貴重な住民税が、他自治体へ贈られてしまうことは今後、公共サービスの持続に支障をきたす懸念があります。
本来の主旨に沿った運用が行われるよう強く要望します。
※注釈 動画は令和5年度時点のものです
ふるさと納税制度は、以下のような問題点が指摘されています
- ふるさとや地域応援のためのふるさと納税ではなく、返礼品を目的とした寄附が増えたため、地域間による返礼品競争が発生し、地域を応援するという本来趣旨が希薄となっている。
- 返礼品競争による一部自治体に寄附が集中する一方で、他多くの自治体では減収に苦しんでいる。
- 返礼品による見返りを受けた住民のみが恩恵を受け、ふるさと納税が出来ない住民は失われた税収入分による行政サービスの低下を受け、住民に不公平が生じている。
- 「ワンストップ特例制度」適用により国が負担すべき所得税控除分を地方自治体の個人住民税控除で負担している。
- 本来、税源の偏在は、ふるさと納税や法人住民税の国税化による方策でなく、全体の地方税財源拡充や地方交付税の法定率引き上げによるなど、国の責任において実施するべき。
など
ふるさと納税制度の抜本的な見直しを求めています
特別区長会では、「ふるさと納税制度」に対する特別区緊急共同声明を発表するなど、ふるさと納税等による財源の流出等について抜本的な見直しを求めています。
【特別区長会】不合理な税制改正等に対する特別区の主張(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
区の取組
ふるさと納税制度の本来の主旨に沿った寄附の受入れについて
- 区では、ふるさと納税制度が抱える課題について、抜本的な見直しを特別区長会を通じて国に強く訴えてきました。一方で、区税の減収による影響は看過できない状況となっています。
- そこで、区税の流出を補填するため、返礼品の提供を伴う寄附の受入れを開始することとしました。
- 寄附の受入れに当たっては、モノづくりのまちとして発展してきた区の強みを生かした製品を返礼品とするなど、ふるさと納税の本来の主旨に沿った形で寄附を募り、全国に向けた区のPRや返礼品による区内産業の活性化を図ります。
- また、区の魅力ある取組に対して区内外の皆様から御支援いただけるクラウドファンディングの実施についても、併せて進めてまいります。
参考ページ
ふるさと納税ポータルサイトを通じた寄附の受入れ(別ウィンドウで開きます)