現在「尾久の原愛好会」の会員は21名です。72歳の私が年長で、40代の若い方もいらっしゃいます。
2000年に「尾久の原愛好会」の会則を設けましたが、その以前は自然を愛するメンバーの集いでした。尾久の原公園から徒歩3分のところにある喫茶フェルメールを溜まり場に、良く茶飲み話をしていました。この個人的な繋がりが、会の発足の原点となりました。
主な活動は、月例の自然観察会です。通常は、毎月第4日曜日の午前10時から正午まで実施しています。(12月〜2月までは休止)
植物を中心にした自然観察のみならず、ゴミ袋を片手にゴミを拾うクリーン大作戦も兼ねているところがユニークと言えます。私たちのその小さな活動をご覧になった方が、公園の美化に関心を持っていただけたらという思いで続けています。その他に、尾久の原公園写真展、池のザリガニとり、環境保全運動の学習会や関連団体との交流など活動は多岐にわたります。
参加された方には当日資料の他に、手作りの絵葉書を記念に差し上げています。参加費は無料ですので是非お誘い合わせの上、お越しください。

東京都立公園なので、公園内に都立尾久の原公園事務所が有ります。当会では東京の公園や庭園など「緑と水」に関して共に学び共に創造する集まりである「東京都公園協会友の会」に入会し、活動をする際は友の会の腕章と会員カードを携帯するようにしています。2004年5月には会則に「尾久の原公園ボランティア活動規則」を追加し、第3条で「尾久の原愛好会の役員と都立尾久の原公園事務所との連絡会を設け意思の疎通と情報交換を諮る」と定めました。
このように、組織として活動を行うには「形」と「承認」が必要ですが、お陰で公園事務所との関係は円滑で、情報交換なども気さくに行っています。
この公園は旭電化工業株式会社尾久工場の用地でしたが、様々な事情で東京都に払い下げになったものの用途が決まりませんでした。
その間、用地は手つかずのまま放置され続け、皮肉なことにこの放置期間が功を奏し、動植物が我が物顔に謳歌する原っぱになりました。絶滅危惧種も見られる区内でも貴重なスポットです。

私が植物に関心を持ったきっかけは、会社の同僚が「世田谷の植物」という本を出版したことです。
荒川区内全ての植物を調べるのは難しいですが、尾久の原公園内の植物であれば私にも出来るのではないかと思い、記録に残す作業を始めました。もともと実家が農家を営み、特に母は植物に詳しかったので野草の名前も馴染みがありました。しかし本来の自生地から公園に運ばれ野生化した帰化植物もあるので、調べるにも時間がかかりました。1週間に2回程通い「都立尾久の原公園植物誌」を手作りでまとめました。これで完成ということはなく調査を引き続き行っています。

この尾久の原公園の魅力は、湿性植物が多く見られる原っぱであることです。子ども達はこの恵まれた環境の中でザリガニ取りなど、泥んこになって楽しみながら遊び成長していきます。ここでは、絶滅危惧種も生育していますし、夏から秋には数多くのトンボの飛翔も見られます。公園と庭園は異なります。管理された自然では生物も生き難いのではないでしょうか。
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フェルメールのオーナーで愛好会メンバーの角田さん
「この公園は、子育て時代のメインステージでした」 |
観察者は、それぞれのペースで大雑把に見るのも、細かく見るのも良しという楽しみながらの活動です。
これからも自然観察や遊びを通じて、身近な自然に親しみ、環境保全の推進を目指したいと思います。