荒川ゆうネットアーカイブ
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トップページ > 特集 > 荒川区の著名人「マラソンランナー 谷川真理」
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荒川区の著名人
夢は1億2千万総ランナー
マラソン大会風景 マラソン大会風景 スナップ マラソンランナー 谷川 真理
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谷川 真理(たにがわ まり)さんプロフィール


【経歴】
昭和37(1962)年福岡県生まれ。24歳の春からマラソンをはじめ、市民ランナーとして自主トレーニングを重ね、翌年都民マラソンで初優勝。その後各地のマラソン大会で次々と好記録を出し1990年実業団(株式会社 資生堂)入り。1991年の東京国際女子マラソンでフルマラソン初優勝。「走る楽しさ、喜び」をひとりでも多くの人に伝えたいと、現在はランナーとしてだけでなくタレントとしても活躍中。おしゃれでパワフルな「市民ランナーの星」として、多くのファンに親しまれている。
【主な受賞歴】
東京国際女子マラソン優勝(1991年)、同2位(93年)、名古屋国際女子マラソン2位(92年)
ゴールドコーストマラソン優勝(92年)、札幌ハーフマラソン優勝(93年)、ベルギー世界ハーフマラソン2位(94年)、パリマラソン優勝(94年)、自己ベストは2時間27分55秒(パリマラソン大会新記録)東京都民文化栄誉章受賞(1992年)
インタヴューア 江坂裕子

質問:OL生活から一転し、マラソン界にデビューされるまでの簡単な経緯をお聞かせ下さい。
インタビュー風景
中学では挫折、続けることだけが目的の高校陸上部
  子供の頃からスポーツは大好きで、ともかく身体を動かすことが得意でした。中学校で陸上部に入りましたが、練習が厳しすぎてついてゆけず、途中で止めてしまいました。そのことに多少の悔いが残ったので、高校で再び陸上部に入り直し、中距離(800m)選手として3年間活動しました。走ることそのものは好きでしたが、本来強制されるのが嫌いな性格でしたので、監督やコーチの指示に従うことや、チーム全員での練習は「嫌々ながら」こなしているという状況でした。
ですから、陸上部は続けることだけが目的で、関東大会には2回ほど出場しましたが、たいした記録も出せずに終わりました。
卒業時に顧問の先生から「マラソンをやってみたら」というお勧めもありましたが、強制されるのはもう十分という気持ちでした。

サーフィン、ディスコでエネルギー発散
 卒業後は英語の専門学校に進学し、夜はディスコ、週末はサーフィン、スケートボード、スキーなど、身体を動かす遊びに没頭していました。エネルギーが有り余っているように見えたのでしょうか。ある時弟が「こんなのお姉さんにいいんじゃない?」と競艇学校のパンフレットを持ってきたこともあります。
 卒業後、20歳で大手町の会社に就職しましたが、身体を動かす遊びは相変わらず続けて、花のOL生活を精一杯楽しんでいました。

皇居で見かけたランナーの姿
 転機は入社して3年目の春、ちょうど仕事にも慣れ、日常の生活になにか物足りなさを感じ始めた頃のことです。同僚に誘われ皇居にお花見に出かけた際、気持ち良さそうに走るランナーたちの姿を目にし、感動を覚えたのが再び走るきっかけになりました。今思い返すと、「面白いことないかな」と何かを探していた時期、そのアンテナに強く反応したのが、「走ること」だったような気がします。無性に「私も走ってみたい!」と思い、早速翌日から会社のお昼休みを利用し、皇居の周りを走り始めていました。誰に強制されるわけでもなく、自由にのびのび走れることが何よりも楽しかったのです。まだ女性のランナーは少ない時代で、ハアハアと苦しい息で走る男性ランナーの横を、颯爽と振り切って走り抜ける優越感を感じていました。皇居を1周するとちょうど5kmありますが、都内で信号待ちなしに5km走れるコースは他にないと思います。走り続けているうちに、市民ランナーたちが声をかけてくれるようになり、仲間が増えていきました。

シドニー行きがご褒美
 走り始めて3ヶ月ぐらいたった頃、ランナー仲間が優勝商品がオーストラリア・シドニーのシティーマラソンにご招待という「都民マラソン」の情報を、教えてくれました。馬の鼻先ににんじんをぶら下げられたように、俄然やる気が出てきました。海外旅行に行けて、しかもオーストラリアならサーフィンも出来るし・・・と、とても魅力的な想像を膨らませていました。「絶対勝って、シドニーに行く」という身近な標的を持ち、それからの約7ヶ月、皇居2周のトレーニングに邁進しました。ランナー仲間のアドバイスや会社の同僚、後輩たちの支援もあり、「都民マラソン」に優勝、シドニー行きを掌中に収めました。

質問:現役トップランナーとして益々ご活躍ですが、「走ること」の魅力はどのようなことでしょうか。
マウイマラソン
ランナーとして恵まれた環境
 都民マラソン以後も、賞品やご褒美(海外ご招待など)が“おもいっきり目当て”で、一匹狼のまま次から次へと新しい目標にチャレンジし続け、ひとつひとつをクリアしていくのは楽しいことでした。そのうち賞品よりも記録に対する欲が強くなり、更に上を目指すにはトレーニング時間も必要という理由から、走るために株式会社資生堂に転職、資生堂ランニングクラブに所属しました。その後もセゾングループの良品計画、現在のアミノバイタルと実業団にお世話になりましたが、練習は皇居で続けたい、強制的なプログラムではなく自由にやりたいと言う私の我儘(わがまま)を通させて頂き、ランナーとしては本当に恵まれた環境に居られたと思います。

感受性豊かな人間に
 走ることの魅力は、外に出て酸素を身体いっぱいに吸い、人間が持つ五感で全てを感じられることです。それは、季節感、街中の人々の生活、その時々の風など様々ですが、生きていく上での勇気を貰っているような気がします。トレーニングが辛く、苦しい時ももちろんありますが、誰しも1年365日暮らしていて最高に楽しい日が毎日あるわけではありません。町を走っていると、店先に商品を並べている八百屋のおじさんや、荷物を運んでいる運送屋さんなど、様々な職業の人を身近に目にしますが、皆生活を生きていくために頑張っているのが伝わってきます。そんなささやかな日常、町の人々から励まされます。
 また走ることは、苦しさに何度もぶつかりますが、それを乗り越えることで、自信が生まれ精神的にも強くなります。自分自身で困難を経験し乗り越えるからこそ、人の痛みが分かり人に対してやさしくなれるのではないでしょうか。

走った後の美味しい食事
 運動した後のビールは味が違うとよく言われますが、運動によって多くのカロリーが消費され、食事が美味しく食べられます。
 モデルの長谷川理恵さんは、ホノルルマラソン参加6回目のマラソンランナーでもいらっしゃいますが、かつては一番食べないモデルと言われ、常に食に対するストレスを抱えていたそうです。ところが、走って消費するサイクルを身につけ、今では一番食べるモデルとして食事を十分楽しんでいます。
 マラソンランナーは練習量に応じたエネルギーの補給が必要なため、普通の人の1.5〜2倍は良質のたんぱく質を摂っています。引き締まった健康的な身体を作るためには、走るということはとても効果的な運動だと思います。

質問:現在特に力を注いでいらっしゃることは。
第四回谷川真理ハーフマラソン
谷川真理ハーフマラソン
 荒川の河川敷で毎年1月に行われている「谷川真理ハーフマラソン」は今年5回目を迎えました。1997年の東京国際女子マラソンのテーマが「地雷廃絶」で、選手宣誓を行うためにこの問題を少し勉強させてもらいました。翌年長野冬季オリンピックの最終聖火ランナーをつとめたイギリス人のクリス・ムーンさん(地雷撤去活動中に手足を失い、義足の聖火ランナーとして注目される)とお会いする機会があり、彼らの活動を少しでもお手伝いできたらと、地雷廃絶のチャリティー大会として続けています。参加者も年々増加し、今年は1万人を越えるほどになりました。また、長谷川理恵さんはじめとしたゲスト出場の方たちも毎回楽しく参加していただいています。
2005年の第6回大会は1月9日(日)に開催されます。ハーフマラソン、5km、3km、2kmの親子参加などの種目があり、それぞれの力に応じた参加で楽しんでいただけると思います。優勝者はホノルルマラソンにご招待というご褒美つきですので、皆さん頑張ってください。たくさんの参加をお待ちしています。申し込み締め切りは12月上旬、お問い合わせは〈谷川真理ハーフマラソン大会事務局〉03-5824-3501(平日10:00〜18:00)
インターネットでのエントリー受付は終了しました。

ハイテクスポーツ塾
 2001年、東京神田神保町にハイテクマシーンを完備したジム「ハイテクスポーツ塾」をオープンしました。ここには東京大学教授・小林寛道先生が早く走るための「コアストレッチ理論」により開発されたカンドクンとマリノという骨盤の動きを活発にするマシーンをはじめ、低酸素トレーニングルーム、高酸素室があります。トップクラスの選手の記録向上を目指して開発されたマシーンですが、一般の人々にも広く利用していただきたいと始めたものです。このマシーンでのトレーニングにより、効率的な動きを身につけ、より早く美しいフォームで走ることが可能となります。
 また、ダイエットを目指す女性にも好評ですし、専門のスタッフのサポートで、マシーン操作を指導しますので子供でも安全にトレーニングが出来ます。
会員制ですが無料体験コースもありますので、ぜひ一度いらっしゃってください。
谷川真理の活動およびハイテクスポーツ塾について、HPがありますのでこちらにもぜひアクセスしてみてください。
HP http://www.tanigawamari.co.jp/
ハイテクスポーツ塾店舗

質問:生活上あるいはお仕事をされていく上での信条はどのようなことでしょうか。
練習風景
甘い実を得るための忍耐
 シドニー行きを目標にトレーニングしていた頃に、神社の境内に“今月の言葉”が掲げられていました。その「忍耐は苦しいけれどもその実は甘い」という言葉が、当時の心境とマッチしていたので深く共感を覚え、以来座右の銘にしています。甘い実を得るためには、もっと苦しいトレーニングが必要なのだと妙に納得し、ランニングを終えて帰宅すると、毎日部屋の鏡の前で30分の音楽テープをかけて曲が終わるまで背筋、腹筋などの筋力トレーニングを必死でやった記憶があります。走るためには上半身とのバランスも大切なので、苦しい思いで頑張った筋トレも勝つための力になりました。

質問:荒川区との関わりはいつ頃からでしょうか。荒川の良さをどのように感じていらっしゃいますか。
インタビュー風景
昔ながらのお店が楽しい商店街
 福岡生まれですが、中学2年生の時から中野区・中野坂上に住んでいました。荒川区・東日暮里に移ってきたのは33歳の頃、条件に合ったマンションが見つかったという理由ですが、住んでみると街の雰囲気がとても気に入りました。下町の良さというのでしょうか、商店街には、お豆腐やさん、おせんべいやさん、お団子やさんなど昔ながらのお店が多く楽しいし、人情味の温かさを感じます。特に、三河島の商店街にはよく自転車で出かけます。

元気なお年寄りのパワー
 70歳になる父は、川柳、陶芸、お習字教室など区報を利用し、様々な地元の活動に参加しています。植木の剪定教室で技術を覚え奉仕活動に参加したり、スキー教室に70歳にしてはじめて挑戦したりと、仕事をしていた頃より忙しいほどスケジュールがびっしり埋まっています。荒川区は高齢者が多いそうですが、みなさん元気でパワーが溢れているのには吃驚してしまいます。お年寄りがどんどん外に出て、活動できる環境が非常に整っているということでしょう。

質問:お気に入りの場所、おススメのお店などについてお聞かせください。
季節を肌で感じられる場所
 家の近くの日暮里南公園では、浅い水の流れている場所があり、夏になると子供たちがずぶぬれになりながら遊んでいます。自分自身の子供の頃を思い出し、ふっと心和む光景です。子供の頃は皆、水遊びが大好きですから、きっと彼らの思い出に残る場所になるのではないでしょうか。三河島の遊歩道や日暮里駅前の桜並木、季節を肌で感じられる場所があちこちにあります。

食いしん坊には楽しい街
 三河島駅前にある「苺屋」さんのケーキは美味しくて大好きです。マラソンレースの後、ホールのまま苺のケーキをまるごと食べるのが、わたしのささやかな楽しみです。独り占めは申し訳ないので、毎年「谷川真理ハーフマラソン」で優勝した方たちに、マロンロールケーキを1本ずつプレゼントするようになりました。また荒川周辺は韓国料理のお店が多く、どこも美味しくて安いのが嬉しいです。仲間が大勢集まった時には、日暮里駅前の中華料理「又一順」などにもよく行きます。ここ数年は、コンビニやオシャレなカフェも増えてきて私にとっては嬉しい変化ですが、美味しいパンやさんがもっと出来るといいと思います。

質問:生活上、あるいはお仕事をされていく上での信条、座右の銘はどのようなことでしょうか。
インタビュー風景
夢は1億2千万人総ランナー
 身近な市民ランナーの仲間や会社の同僚、後輩たち、周りの人に支えられ、走り続けて来られたことをとても感謝しています。私の夢は、走ることによって私自身が感じた喜びや楽しさ、充実感、全てのことを、ひとりでも多くの方たちに伝え、皆さんにもその喜びを味わってもらい、「1億2千万人」みんながランナーであって欲しいということです。そのためのお手伝いをこれからも続けていきたいと思います。近々の予定としては、11月の東京国際女子マラソンに出場予定ですので、みなさん応援してください。


   
問い合わせ先 荒川区管理部情報システム課
電話:03-3802-3111(内線 2151)

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