このコーナーでは荒川区内で味わえる世界各地の魅力的な家庭料理をご案内します。今回は南千住のインド料理レストラン「フルバリ」を訪ねました。
■ビム ラル カレルさん(夫): 「1991年に来日し、14年間のインド料理店勤務を経て2005年10月に念願だった自分の店をこの南千住にオープンしました。フルバリはヒンズー語でPhul=花 bari=生まれる場所「花の生まれる場所」という意味です。 僕は花が大好きで、この店をオープンする10年前から「独立して店を持ったらこの店名」と決めていました。毎朝、店に来たら「今日もたくさんのおいしい花が咲きますように… よろしくお願いします」とヒンズーの神々へのお祈りをします。」
■ハリ カラ カレルさん(妻): 「「おいしいね」というお客さんの声が聞こえてくると本当に嬉しいです。日本語は、お客さんや子供の学校を通しての友人から教えてもらっています。私達を支えて下さっている周りの方々に感謝の毎日です。」 べるぽうと汐入の中の一角にある為、外からはあまり目立たないにも関わらず、その味の評判を聞きつけ区外から訪れる常連客もいます。 ランチタイムやディナータイムは店名のとおりに、まるでたくさんの花が咲いたように店内は お客さんのおいしい笑顔で、いっぱいです。 スパイスの効いた本場の味でありながら子供やお年寄りも楽しめるように辛さは1〜8段階まで選べます。 ちなみに本場の辛さを味わいたいなら4以上をチョイスしてみてはいかがでしょう。
■インドには地方や都市によって様々なカレーの種類があります。北インドを代表する都市、デリーのカレーは比較的とろみがあり、こってりしています。一方、バングラデシュ人民共和国に近い都市、東インド地方のカルカッタのカレーはさっぱり味のスープタイプ。 さまざまなカレーの中でも「フルバリ」のカレーはサラサラしているけれど、しっかりスパイスが効いた南インドの都市、ムンバイで主流のタイプ。 どのカレーでも共通しているのは、肉が鶏、羊と魚になることです。日本でおなじみのビーフ、ポークカレーはありません。牛は信仰上の理由から聖なる生き物とされ尊まれ、豚は日常的に食べる習慣がないそうです。 また、ベジタリアンの多いインドでは肉に代わるタンパク源としてカレーに豆を入れて食べる習慣があります。豆カレーは「フルバリ」でも人気カレーの一つです。
区民の健康づくりを応援する「あらかわ満点メニュー」のメニュー開発にも参加しました。
「ヘルシーベジタブルカレーセット 980円」 カルシウム、食物繊維、ビタミンC、鉄分など不足しがちな栄養素がしっかりとれる満点セットメニューです。 なかでも鉄分は一日に必要な摂取量を十分に満たすことができます。 フルバリのカレーは様々な香辛料を調合することで風味豊かな深い味わいとなり、塩分控えめとなっています。
豆類に含まれるたんぱく質や脂質は血液中のコレステロール価を下げる作用があると言われている他、オリゴ糖は大腸内でビフィズス菌を増やし、腸の働きを良くします。 イソフラボンは女性ホルモンと構造が似ているので更年期障害を軽くするなどの作用も期待できます。 豆にはビタミン、ミネラル、植物繊維が豊富です。 (満点メニュー記載文より)
カレルさん一家は荒川区住民です。ビム ラル カレルさんは大のお祭り好きで胡禄神社の御神輿を担ぐほど。お客さんにも地域の方が多く「本場インド料理を味わった事のない方に、近所で手軽に楽しめる店として気軽に利用していただきたい」と笑顔で語ります。買い物帰りのお客さんや、車椅子で散歩がてらに立ち寄るお年寄りの方など、地元のお客さんを何より大切にしています。
本場インドのカレーには小麦粉を使いません。ベースはスパイスと野菜です。そのためさらっとしているのが特徴です。とろ〜りとした日本のカレーには小麦粉が入っていることが多いのです。
インドカレー作りはニンニク、ショウガ、ターメリック、チリなど数種類のスパイスをサラダ油で炒めることから始まります。 その後、野菜や肉などの具材を加えていきます。スパイスに具材を絡めるのが基本。こうする事でスパイスが野菜や肉にしみ込み、食材のうまみを引き出してくれるのです。
子供やお年寄り用にはチリを控えめにしてカシューナッツをたっぷり使うとまろやかになりとても食べやすくなります。
たくさんのスパイスを家庭で揃えるのはとても大変。でも、ニンニクとショウガさえあればいつものカレーが本格カレーに大変身。 まず、ニンニクとショウガのみじん切りをサラダ油で炒め香りをたてます。 そこへ肉や野菜などの具材を加え絡めながら炒めます。 後はいつも通りでOK。市販のルーで作るカレーがぐ〜んとおいしくなりますよ。
※メニューはすべてテイクアウト可