荒川ゆうネットアーカイブ
 荒川ゆうネットアーカイブは
 荒川区の地域ポータルサイト「荒川ゆうネット」の
 過去ログです。
トップページ > 特集 > 荒川区は格闘技だ! 藤原敏男スポーツジム 代表 藤原敏男氏
荒川ゆうネットは、平成16年から22年までに開設されていたサイトです。
内容は、掲載当時のものとなります。

荒川区は格闘技だ!
藤原敏男スポーツジム 代表 藤原敏男氏

 格闘技とは主に手や足などで攻撃・防御を行い勝敗を決定する競技の総称で、日本の格闘技といえば、柔道、合気道、拳法などの武道があります。
 荒川区にはこれらの道場を含め、テコンドー、ボクシング、極真空手など幅広いジャンルの格闘技ジムが多くあります。
 中でも、タイ式キックボクシングであるムエタイ500年の歴史で、昭和53(1978)年に外国人として初めて王者となり、昭和58(1983)年に引退するまで通算141戦126勝(97KO)という戦績を残した伝説の格闘家・藤原敏男さんをご存じですか?
 現在は南千住でボクシングジムを開き後身の育成に励んでいらっしゃる藤原さんにお話をうかがいました。

 

ムエタイとキックボクシングの違いについて教えてください。

ポスター
三ノ輪界隈に多く見られる藤原敏男スポーツジムポスター

 ムエタイは相手との間合いがあればキックやパンチで、接近戦なら膝蹴りや肘打ち、投げ技と、瞬間を捉え多様な技で攻撃をします。
 昭和44(1969)年頃にはじまった日本のキックボクシングは、ムエタイを99%踏襲した日本独自の競技です。ムエタイとの大きな違いは投げ技がないことです。現在人気のあるK-1なども同様で、更に肘打ちや顔面への膝蹴りを制限しています。テレビ放映の都合もあり、スポーツ性を追求する中でそのような制限が生まれてきたのでしょう。
 ムエタイは、スポーツや娯楽とは異なる『500年の歴史と誇りを持った世界最高の格闘技』だと考えています。

藤原ジムでは一般向けにもムエタイを教えているとお聞きしました。

練習風景
アマチュアクラスの
トレーニングも
真剣そのもの

 藤原ジムにはプロの選手はもちろんのこと、一般の方もたくさんいます。現在アマチュアの部には、20代から60代までの老若男女が150人が登録しています。プロ選手にはムエタイを教えていますが、アマチュアの部ではパンチやキックの練習と共に、基礎体力づくりからダイエットまで幅広く対応しています。
 1時間30分の練習時間の中で、1時間はストレッチによる基礎体力づくりで、残りの30分はサンドバッグを打ったり、ミットにパンチを打ち込む練習をします。
 ある若い女性から、結婚式までに20kg痩せたいと相談をされたことがあります。週に4回、1時間30分の練習で20kgの減量を2カ月半で達成しました。
 これは極端な例ですが、週に1回でも通い続けることで、体力がつき体重も減ります。
 トレーニングで流す汗はサウナで流す汗とは異なり、自分の体に負荷をかけるので、精神的にも鍛えられることが素晴らしいですね。
 日常生活では意識して使う筋肉は少ないと思いますが、意識的にトレーニングすることで首から下は、筋肉はもちろんのこと骨や内臓でも鍛えることが出来ます。私が経験で培った運動や呼吸の正しいやり方を皆さんに伝えたいと思っています。

 

プロの選手にはどのような指導方針で取り組んでいるのですか。

藤原さんとチャンピオン
藤原氏と小林選手
チャンピオンの貫禄
に溢れる両名

 ジムには2人のチャンピオン(フェザー級・山本真弘、WKA世界ライト級チャンピオン・小林聡)を含め15名のプロが所属しています。
 私は彼らに目標を持つこと、考えることを要求しています。これは、私の師である黒崎健時先生からの教えと私自身の経験から指導しています。
 デビュー当時、初戦は勝ったものの、2戦目、3戦目と立て続けに負けました。同じ重量なのに負けるのは納得できないと、眠っていた闘争本能に火がつきました。
 チャンピオンになる目標を立て生活の中心をムエタイ一筋に絞り、腹筋を5時間で5000回こなすなど黒崎先生のもとで壮絶なトレーニングを行いました。
 「そこまでやったら死ぬよ、でも死ぬまでやってみろ」と言われながら、失神状態になるまで練習しました。根性と言葉でいうのは簡単ですが、そこから自分の限界が広がっていくんですね。
 また、黒崎先生は勝つためにヒントを与えてくれましたが、答えは明示されませんでした。答えを探すために考えることは、格闘家にとって重要な訓練となるからです。
 試合ではゴングの後に、数秒以内に相手の頭から足の先までを見て、弱点を探り見抜かなくてはいけません。試合展開を判断し一瞬の隙やチャンスを捉えるには、常に冷静な思考や判断が決め手になります。肉体と頭脳の両方が同時に必要とされます。
 しかしながら、私が教えていることが全てではないと思います。選手一人ひとりの人格も能力も違うように、闘う本能も異なります。私の話を選手がどのように消化し、組み合わせて自分の新たなものを開発していけるか、そこに導く精神的な指導を心がけています。

何か新しい試みがあれば教えてください。

 高齢社会で介護の問題が深刻になってきています。私の経験から何か貢献したいと思い、65歳以上の方々を対象に、介助無しで歩ける、転倒をしない、寝たきりにならないための予防トレーニングを新しく準備している所です。トレーニングは2時間の設定で、途中にお茶を飲んだり休憩しながら、ストレッチを中心とした一人ひとりに合った運動で筋力アップをしていただこうと思っています。

荒川区でジムを運営されていかがですか?

写真

 私は20歳でデビューし、31歳で現役を引退しました。その後、別の業界にいたのですが、50歳になる時に、プロの選手を育成したり、アマチュアの方の体力づくりに貢献できたらと思い、ジムをオープンしたのです。はじめ台東区で開き、次にここに移りました。もともと下町が好きです。人情味があって商店街の方々ともすぐに仲良くなれました。いたるところに講演会のポスターを貼ってもらっていますし、試合近くになると「今度、見に行くよ」と声もかけて貰えます。この下町の温かみは大事にしたいと思っています。
 人の距離も近いのでしょうか、口コミでジムに来てくれた方もたくさんいらっしゃいます。現在も生徒募集をしていますのでいらしてください。


AJKF(全日本キックボクシング連盟)フェザー級4位前田尚紀(27)さんに、
ジムでの日々を語ってもらいました。

前田さん

 朝起きて、1時間ほどランニングをして、それから仕事に行きます。
 17時ころから21時までがジムワークです。藤原先生は好きにやらせてくれますので、自分で練習メニューを作り、チャンピオンを目標に頑張っています。
 先生には、活を入れてもらったり、アドバイスをもらったりしますが「自分で考えること」が大事だと言われています。
 先生を尊敬しているのでこのジムを選びましたが、技術や精神性など到底真似できないですね。

そぎ落とされた肉体に
誠実な視線が印象的な
前田選手

●藤原敏男スポーツジム

〒116-0003 荒川区南千住1-15-5  TEL:03-3805-1457
アマチュアクラス(練習生募集中) 土曜・日曜 AM10:30〜12:30

練習生募集中!
女性から高齢者まで老若男女問わず募集しています。 それぞれの体力にあわせたプログラムで気持ちの良い汗を流しましょう。

 
平成18年7月掲載記事
問い合わせ先 荒川区管理部情報システム課
電話:03-3802-3111(内線 2151)

前のページへ戻る
トップページへ戻る
ページの先頭へ戻る

トップページへ戻る