
大規模な地震等が発生した場合は、建物の倒壊や家具の転倒、落下等により多くの負傷者の発生が予想され、下敷きになった方の迅速な救出・救護が重要となります。
阪神・淡路大震災では建物の倒壊等により、多くの人々が下敷きなりましたが、実際は救助資器材の不備等により、救助できる可能性のあった人々を助けだせなかった例が多数ありました。なおかつ発災直後には、区役所、消防や警察等の行政機関による負傷者の救出・救護活動は困難を極めることも予想されます。
このような事態に備え、荒川区の各防災区民組織では、阪神大震災が起きた平成7年に、町会の発案による「区民レスキュー隊」を結成し、区民自らの手による災害時の救出・救護体制の整備を進めています。
平成17年11月現在で、57組織92隊が結成されています。区役所では、これを区内全域に進めることを目標とし、区民レスキュー隊の結成に伴う資機材購入費に対して、一定の補助をするという形で支援しています。

他の自治体に比べ高齢者の多い荒川区では、ひとり暮らしや寝たきりの方が増えています。大地震が起こった場合、寝たきりの高齢者や身体の不自由な方々は、自力では避難することができません。無事に避難していただくには、何よりもまず家族の力が優先されますが、それが及ばない場合には、近隣の方々の協力が不可欠です。そのため、区では、地域の力で避難援助の体制を整えておくことを推進しており、この体制を「避難援助体制」といいます。
おんぶ作戦は、昭和56年の国際障害者年を契機として、障害者・高齢者団体の代表、町会長、民生委員等による意見を踏まえて、昭和59年から制度化されました。平成17年11月現在で、55組織59隊が結成されています。
区では、こうした区民自らの手による救出・救護体制の整備を区内全域に進めることを目標とし、おんぶ作戦の体制が整った町会には、レスキューカー、担架、車椅子、おんぶ紐、トランシーバー、救急箱等必要な資機材を支給することで支援しています。