○荒川区一時保護施設の設備及び運営の基準に関する条例施行規則

令和7年3月31日

規則第30号

(趣旨)

第1条 この規則は、荒川区一時保護施設の設備及び運営の基準に関する条例(令和7年荒川区条例第3号。以下「条例」という。)の施行について必要な事項を定めるものとする。

(用語)

第2条 この規則で使用する用語の意義は、条例で使用する用語の例による。

(一時保護施設の一般原則)

第3条 一時保護施設は、条例第5条に規定する一般原則のほか、児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第33条第1項又は第2項に規定する一時保護の目的を達成するために必要な設備を設けるとともに、採光、換気その他の入所している児童の保健衛生及び入所している児童に対する危害防止に十分考慮した構造設備を設けなければならない。

(避難訓練及び消火訓練)

第4条 条例第6条に規定する訓練のうち、避難訓練及び消火訓練は、少なくとも毎月1回実施しなければならない。

(安全計画の周知等)

第5条 条例第7条第2項に規定する規則で定める事項は、次に掲げるとおりとする。

(1) 一時保護施設は、職員に対し、安全計画について周知するとともに、条例第7条第1項に規定する職員の研修及び訓練を定期的に実施しなければならない。

(2) 一時保護施設は、定期的に安全計画の見直しを行い、必要に応じて安全計画の変更を行うものとする。

(業務継続計画の周知等)

第6条 一時保護施設は、職員に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施するよう努めなければならない。

2 一時保護施設は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うよう努めなければならない。

(設備の基準)

第7条 条例第16条第2項に規定する規則で定める事項は、次のとおりとする。

(1) 屋内運動場には、一時保護施設の付近にある屋内運動場に代わるべき場所を含むこと。

(2) 屋外運動場には、一時保護施設の付近にある屋外運動場に代わるべき場所を含むこと。

(3) 食堂を設ける場合、ユニット(居室、居室に近接して設けられる相互に交流を図ることができる設備、浴室及び便所により一体的に構成される場所であって、その利用定員がおおむね6人以下であるものをいう。以下同じ。)を整備し、各ユニットにおいて食事を提供することに代えることができること。

(4) 一時保護施設は、児童ができる限り良好な家庭的環境において安全に、かつ、安心して暮らすことができるよう、ユニットを整備するよう努めること。

(5) 児童の居室は、児童が穏やかに過ごすことができ、安心して暮らすことができる環境を整えること。

(6) 児童の居室の1室の定員は4人以下とし、その面積は1人につき4.95平方メートル以上とすること。ただし、乳幼児のみの居室の1室の定員は、これを6人以下とし、その面積は、1人につき3.3平方メートル以上とすること。

(7) 少年(法第4条第1項第3号に規定する少年をいう。次号において同じ。)の居室の1室の定員は、1人とするよう努めるとともに、その面積は、8平方メートル以上とするよう努めること。

(8) 前号の規定にかかわらず、少年の福祉のために必要があるときは、複数の児童(少年を含む。以下この号において同じ。)で同一の居室を利用できるよう、複数の児童での利用が可能な居室を設けること。

(9) 居室は、入所している児童の年齢等に応じ、男子と女子とに区別して設けること。

(10) 学習等を行う室及び屋内運動場又は屋外運動場は、児童の人数に応じた必要な面積を有すること。

(11) 浴室及び便所は、男子用と女子用とを別にすること。ただし、少数の児童を対象として設けるときは、この限りでない。

(12) 居室、浴室及び便所を設けるに当たっては、入所する児童の年齢、性別、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(令和5年法律第68号)第2条第1項に規定する性的指向及び同条第2項に規定するジェンダーアイデンティティ等に配慮すること。

(13) 児童30人以上を入所させる一時保護施設には、医務室及び静養室を設けること。

(14) 児童の生活の場は、児童のプライバシーの保護に十分に配慮した環境を整えること。

(職員の知識及び技能の向上)

第8条 一時保護施設の職員は、常に自己研鑽に励み、法第33条第1項又は第2項に規定する一時保護の目的を達成するために必要な知識及び技能の修得、維持並びに向上に努めなければならない。

(職員の研修)

第9条 条例第18条に規定する規則で定める研修は、一時保護施設に入所している児童の権利擁護、児童の意見又は意向を尊重した支援の実施その他必要な事項に関するものとする。

(職員等)

第10条 条例第19条第2項の規定により、一時保護施設は次に掲げる施設の区分に応じ、当該各号に掲げる職員を置かないことができる。

(1) 児童10人以下を入所させる一時保護施設 個別対応職員

(2) 学習指導を委託する一時保護施設 学習指導員

(3) 児童40人以下を入所させる一時保護施設 栄養士又は管理栄養士

(4) 調理業務の全部を委託する一時保護施設 調理員

2 条例第19条第3項に規定する規則で定める児童指導員及び保育士の総数並びに心理療法担当職員及び学習指導員の数の基準は、次に掲げるとおりとする。

(1) 児童指導員及び保育士の総数は、満2歳に満たない幼児おおむね1.6人につき1人以上、満2歳以上満3歳に満たない幼児おおむね2人につき1人以上、満3歳以上の児童おおむね3人につき1人以上とする。

(2) 心理療法担当職員の数は、児童おおむね10人につき1人以上とする。

(3) 学習指導員の数は、児童の人数に応じた適切な数を置くよう努めなければならない。

3 条例第19条第4項に規定する規則で定める児童指導員、心理療法担当職員及び学習指導員の資格等は次に掲げるとおりとする。

(1) 児童指導員は、次のいずれかに該当する者でなければならない。

 都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者(学校教育法(昭和22年法律第26号)の規定による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)

 社会福祉士の資格を有する者

 精神保健福祉士の資格を有する者

 学校教育法の規定による大学(短期大学を除く。以下同じ。)において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

 学校教育法の規定による大学において、社会福祉学、心理学、教育学又は社会学に関する科目の単位を優秀な成績で修得したことにより、学校教育法第102条第2項の規定により大学院への入学を認められた者

 学校教育法の規定による大学院において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

 学校教育法の規定による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者、同法第90条第2項の規定により大学への入学を認められた者若しくは通常の課程による12年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)又は文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であって、2年以上児童福祉事業に従事したもの

 教育職員免許法(昭和24年法律第147号)に規定する幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教諭の免許状を有する者であって、区長が適当と認めたもの

 3年以上児童福祉事業に従事した者で、区長が適当と認めたもの

(2) 心理療法担当職員は学校教育法の規定による大学若しくは大学院において、心理学を専修する学科、研究科若しくはこれに相当する課程を修めて卒業した者であって、個人及び集団心理療法の技術を有するもの又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。

(3) 学習指導員の資格等は次に掲げるとおりとする。

 学習指導員は、教育職員免許法に規定する小学校、中学校又は高等学校の教諭の免許状を有する者でなければならない。

 学齢児童及び学齢生徒(それぞれ学校教育法第18条に規定する学齢児童及び学齢生徒をいう。)を入所させる一時保護施設であって学習指導員を2人以上置くものにあっては、教育職員免許法に規定する小学校の教諭の免許状を有する学習指導員及び教育職員免許法に規定する中学校の教諭の免許状を有する学習指導員をそれぞれ1人以上置くよう努めなければならない。

4 前項第1号アの指定は、児童福祉法施行規則(昭和23年厚生省令第11号)別表に定める教育内容に適合する学校又は施設について行うものとする。

(夜間の職員配置)

第11条 条例第20条に規定する規則で定める夜間における職員の数は、次に掲げるとおりとする。

(1) 一時保護施設(ユニットを整備していないものに限る。)には、夜間、職員2人以上を置かなければならない。

(2) 一時保護施設(前項に規定するものを除く。)には、夜間、一のユニットごとに職員1人以上を置かなければならない。ただし、夜間に置かれる職員全体の数は、2人を下ることはできない。

(3) 一時保護施設において児童相談所の開庁時間以外の時間における法第25条第1項の規定による通告に係る対応を行う場合には、一時保護施設には、夜間、前2項に規定する職員とは別に、当該対応のために必要な職員を置くよう努めなければならない。

(一時保護施設の管理者等)

第12条 条例第21条第3項に規定する規則で定める指導教育担当職員の経験は、一時保護施設における業務又は児童相談所における児童の福祉に係る相談援助業務(法第13条第3項第3号に規定する相談援助業務をいう。)に通算しておおむね5年以上従事した経験とする。

2 条例第21条第4項の規定により受けなければならない研修は、一時保護施設の運営に関する必要な知識の習得及びその資質の向上のためのこども家庭庁長官が指定する者が行うもの又はこれに準ずるものとする。

3 前項に規定する研修を受ける頻度は、2年に1回以上とする。

(他の社会福祉施設を併せて設置するときの設備及び職員の基準)

第13条 一時保護施設は、他の社会福祉施設を併せて設置するときは、必要に応じ当該一時保護施設の設備及び職員の一部を併せて設置する社会福祉施設の設備及び職員に兼ねることができる。

2 前項の規定は、入所している児童の居室及び一時保護施設に特有の設備並びに入所している児童の保護に直接従事する職員については、適用しない。

(衛生管理等)

第14条 条例第22条第2項に規定する規則で定める事項は次に掲げるものとする。

(1) 一時保護施設は、当該一時保護施設における感染症又は食中毒の発生又はまん延を防止するため、職員に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修並びに感染症の予防及びまん延の防止のための訓練を定期的に実施するよう努めなければならない。

(2) 一時保護施設は、入所している児童の希望等を勘案し、清潔を維持できるよう入浴させ、又は清拭しなければならない。

(3) 一時保護施設は、入所している児童に対し清潔な衣服を提供しなければならない。なお、下着は児童の所持する物を使用させ、又は未使用のものを提供しなければならない。

(食事)

第15条 条例第23条第3項に規定する規則に定める事項は次に掲げるものとする。

(1) 条例第23条第1項に規定する調理の方法は、第12条の規定により、一時保護施設内の調理室を兼ねている他の社会福祉施設の調理室において調理する方法を含むものとする。

(2) 一時保護施設は、入所している児童に食事を提供するに当たっては、その献立は、入所している児童の健全な発育に必要な栄養量を含有する献立によらなければならない。

(3) 調理は、あらかじめ作成された献立に従って行わなければならない。ただし、少数の児童を対象として家庭的な環境の下で調理する場合は、この限りでない。

(職員の健康状態の把握)

第16条 児童相談所長は、一時保護施設の職員の健康状態の把握に当たっては、入所している児童の食事を調理する者について、特に注意を払わなければならない。

(養護)

第17条 児童の学習等を行う室、屋内運動場、屋外運動場等における活動は、それらの面積及び活動する児童数を勘案して、児童の安全が確保されたものでなければならない。

(一時保護施設内部の規程)

第18条 一時保護施設は、次に掲げる事項のうち必要な事項について、規程を設けなければならない。

(1) 入所する児童の支援に関する事項

(2) その他施設の管理についての重要事項

(施行期日)

1 この規則は、令和7年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 一時保護施設の職員の確保の状況その他特別の事由により、一時保護施設の職員の数及び夜間の職員体制につき、この規則で定める規定により難いときは、当該一時保護施設は、令和8年3月31日まで、これによらないことができる。この場合においては、児童福祉施設設備条例(令和元年条例第24条)第54条第5項及び第60条の規定を準用する。

荒川区一時保護施設の設備及び運営の基準に関する条例施行規則

令和7年3月31日 規則第30号

(令和7年4月1日施行)