○荒川区地球温暖化対策推進条例

令和5年3月22日

条例第5号

(目的)

第1条 この条例は、荒川区環境基本条例(平成20年荒川区条例第22号)の基本理念にのっとり、地球温暖化対策に関し、区民、事業者及び区の責務を明らかにするとともに、地球温暖化対策の基本的な事項等を定めることにより、地球温暖化対策を総合的、計画的かつ効果的に推進し、もって脱炭素社会の実現を図り、現在及び将来の区民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要とする良好な環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 地球温暖化 人の活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガスの濃度を増加させることにより、地球全体として、地表、大気及び海水の温度が追加的に上昇する現象をいう。

(2) 地球温暖化対策 温室効果ガスの排出の量の削減並びに吸収作用の保全及び強化(以下「温室効果ガスの排出の量の削減等」という。)並びに気候変動適応のための施策をいう。

(3) 温室効果ガス 地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。以下「法」という。)第2条第3項に規定する温室効果ガスをいう。

(4) 温室効果ガスの排出 法第2条第4項に規定する温室効果ガスの排出をいう。

(5) 脱炭素社会 法第2条の2に規定する脱炭素社会をいう。

(6) 気候変動適応 気候変動適応法(平成30年法律第50号)第2条第2項に規定する気候変動適応をいう。

(7) 事業者 区の区域内において事業活動を行う全てのものをいう。

(8) 地球温暖化対策地域協議会 法第40条第1項の規定により組織される地球温暖化対策地域協議会をいう。

(区の責務)

第3条 区は、地球温暖化対策を総合的、計画的かつ効果的に推進するものとする。

2 区は、地球温暖化対策を推進するに当たっては、区民、事業者その他関係機関と協働してこれを行うものとする。

3 区は、自らの事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の量の削減等及び気候変動適応のための措置を講ずるものとする。

(区民の責務)

第4条 区民は、地球温暖化対策の重要性に対する理解を深めるとともに、その日常生活において、温室効果ガスの排出の量の削減等及び気候変動適応に自主的かつ積極的に取り組むよう努めるものとする。

2 区民は、区が推進する地球温暖化対策に協力するとともに、事業者及び区と協働して温室効果ガスの排出の量の削減等及び気候変動適応に取り組むよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、地球温暖化対策の重要性に対する理解を深めるとともに、その事業活動において、温室効果ガスの排出の量の削減等及び気候変動適応に自主的かつ積極的に取り組むよう努めるものとする。

2 事業者は、区が推進する地球温暖化対策に協力するとともに、区民及び区と協働して温室効果ガスの排出の量の削減等及び気候変動適応に取り組むよう努めるものとする。

(地球温暖化対策実行計画)

第6条 区長は、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するため、地球温暖化対策の実施に関する計画(以下「地球温暖化対策実行計画」という。)を策定するものとする。

2 地球温暖化対策実行計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 温室効果ガスの排出の量の削減等及び気候変動適応に関する目標

(2) 前号の目標を達成するために必要な施策に関する事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、地球温暖化対策の推進に関し必要な事項

3 区長は、地球温暖化対策実行計画の策定に当たっては、荒川区環境基本条例第20条第1項の荒川区環境審議会の意見を聴くことができる。

4 区長は、地球温暖化対策実行計画の策定に当たっては、区民及び事業者(以下「区民等」という。)の意見が反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。

5 区長は、地球温暖化対策実行計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

6 前3項の規定は、地球温暖化対策実行計画の変更について準用する。

(環境に配慮したエネルギーの導入等)

第7条 区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、その日常生活又は事業活動において、再生可能エネルギーその他の環境に配慮したエネルギーの導入及び効率的な利用(以下「再生可能エネルギーの導入等」という。)に努めるものとする。

2 区は、前項の規定による再生可能エネルギーの導入等が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

(環境物品等の選択等)

第8条 区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、その日常生活又は事業活動において、物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合には、環境物品等(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号)第2条第1項に規定する環境物品等をいう。以下同じ。)を選択するよう努めるものとする。

2 区は、前項の規定による環境物品等の選択が促進されるよう、環境物品等に関する情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

(廃棄物の減量等)

第9条 区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、その日常生活又は事業活動において、プラスチックが使用されている製品その他の製品の使用の抑制等により廃棄物の発生を抑制し、再生品の使用又は不用品の活用等により再利用を図る等、廃棄物の減量に努めるものとする。

2 区は、前項の規定による廃棄物の減量が促進されるよう、廃棄物の分別、資源の循環的な利用等に関する情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

(公共交通機関を利用した移動又は自転車若しくは徒歩による移動等)

第10条 区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、その日常生活又は事業活動において、自動車又は原動機付自転車(以下「自動車等」という。)による移動に代えて、公共交通機関を利用した移動又は自転車若しくは徒歩による移動(以下「公共交通機関を利用した移動等」という。)をするよう努めるものとする。

2 区は、前項の規定による公共交通機関を利用した移動等が促進されるよう、公共交通機関の利用又は自転車の使用をしやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。

(温室効果ガスの排出の量がより少ない自動車等の購入等)

第11条 自動車等の購入、借受け等をしようとする区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、その使用に伴う温室効果ガスの排出の量がより少ない自動車等の購入、借受け等をするよう努めるものとする。

2 自動車等の使用等をする区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、その使用等をする自動車等を温室効果ガスの排出の量がより少ない方法により運転し、及び適正に整備するよう努めるものとする。

3 区は、第1項の規定による購入、借受け等並びに前項の規定による運転及び整備が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

(建築物に係る温室効果ガスの排出の量の削減等のための措置等)

第12条 建築物の新築、増築若しくは改築又は修繕若しくは模様替(以下「新築等」という。)をしようとする区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、その新築等をしようとする建築物について、エネルギーの使用の合理化(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(昭和54年法律第49号)第147条に規定するエネルギーの使用の合理化をいう。)及びエネルギー消費性能(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成27年法律第53号)第2条第1項第2号に規定するエネルギー消費性能をいう。)の向上その他の温室効果ガスの排出の量の削減等を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 区は、前項の規定による措置が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

(建築物等の緑化等)

第13条 建築物を所有し、又は管理する区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、その所有し、又は管理する建築物及びその敷地の緑化に努めるものとする。

2 区は、前項の規定による緑化が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

(森林による吸収作用の保全等に係る措置等)

第14条 区民等は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、森林による温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化の重要性を踏まえ、木材の利用の促進に努めるものとする。

2 区は、温室効果ガスの排出の量の削減等を図るため、森林による温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化の重要性を踏まえ、木材の利用が促進されるよう、必要な措置を講ずるものとする。

3 区は、森林による温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化に関し、区民等の理解を深めるため、森林の保全及び整備に係る情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

(地球温暖化の防止及び気候変動適応に関する啓発活動の推進)

第15条 区は、区民等と連携し、地球温暖化の防止及び気候変動適応に関し、あらゆる場において区民等に対する啓発活動を推進するものとする。

(地球温暖化対策地域協議会への支援)

第16条 区は、地球温暖化対策地域協議会に対し、必要な支援を行うよう努めなければならない。

(委任)

第17条 この条例の施行について必要な事項は、荒川区規則で定める。

1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。

2 この条例の施行の際、現に存する荒川区地球温暖化対策実行計画は、第6条第1項の規定により策定された地球温暖化対策実行計画とみなす。

荒川区地球温暖化対策推進条例

令和5年3月22日 条例第5号

(令和5年4月1日施行)