○荒川区児童福祉施設等措置費徴収金徴収事務取扱要綱
令和2年6月30日
制定
2荒子家第311号
(副区長決定)
(目的)
第1条 この要綱は、荒川区において法第27条第1項第3号及び第27条の2第1項の規定により小規模住居型児童養育事業を行う者若しくは里親に委託され、若しくは施設に入所措置された児童、法第27条第2項の規定により指定発達支援医療機関に委託された児童又は法第33条の6の規定により児童自立生活援助事業を行う者に委託された児童に係る法第56条の規定による措置費徴収金の徴収について、法及び荒川区児童福祉法施行細則(平成15年荒川区規則第28号)に定めるもののほか、必要な事項を定めることにより、児童又はその扶養義務者の負担能力の認定、徴収額の決定等の事務を適正かつ円滑に行うことを目的とする。
(1) 法 児童福祉法(昭和22年法律第164号)をいう。
(2) 細則 荒川区児童福祉法施行細則をいう。
(3) 施設 小規模住居型児童養育事業、乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、指定発達支援医療機関及び自立援助ホームをいう。
(4) 児童 満18歳に満たない者、満18歳以上の者であって、法第31条の規定により施設在所期間が延長されているもの及び法33条の6の規定により児童自立生活援助事業を行う者に委託されているものをいう。
(5) 措置 法の規定に基づき児童を施設に入所させ、又は里親に委託する手続をとり、当該児童を施設に入所させ、又は里親に委託するまでの行政庁の行為の総体をいう。
(6) 措置権者 法第27条第1項第3号、同条第2項、法第27条の2第1項又は法第33条の6の規定により、措置する権限を有する区長又は細則第1条第1項によりその権限を委任された荒川区子ども家庭総合センター所長(以下「所長」という。)をいう。
(7) 措置解除 措置権者が措置を解消するに当たっての、当該児童に対する行政処分及びこれに伴い施設に対する措置の委託を消滅させる行為をいう。
(8) 措置停止 児童が経過観察、逃亡、病気その他の事情で一時的に里親宅又は施設の外で生活する場合であって、その状態が恒久的なものでなく、ある時期がくればその状態が消滅し、措置解除となること又は再び措置が必要になることが予見される場合に行われる措置の一時的中断をいう。
ア イ以外の児童 法第56条の規定による費用徴収を実施するに当たり、児童及び扶養義務者全ての者についてそれらの者の課税状況を確認し、負担能力を認定する行為
イ 自立援助ホームに入居する児童 法第56条の規定による費用徴収を実施するに当たり、児童本人の課税状況を確認し、負担能力を認定する行為
(10) 親族 民法(明治29年法律第89号)第725条各号に規定する血族をいう。
(11) 扶養義務者 児童と同一世帯に属して生計を一つにしている者で、3親等以内の直系血族とその配偶者(児童と養子縁組をしている場合に限る。)及び兄弟姉妹(その者がその世帯における家計の主宰者である場合に限る。)をいう。
(12) 費用負担者 児童及び扶養義務者のうち、児童福祉法による児童入所施設措置費等の国庫負担金について(令和5年こ支家第47号)及び障害児入所給付費等国庫負担金及び障害児入所医療費等国庫負担金交付要綱(令和5年こ支障第13号。以下「障害児入所給付費等国庫負担金要綱」という。)の規定により児童等の措置に要する費用の全部又は一部を負担することとされた児童又はその扶養義務者をいう。
(13) 措置費徴収金 法第56条の規定により費用負担者から徴収する児童の措置に要する費用の全部又は一部をいう。
(負担能力の調査対象)
第3条 所長は、措置費徴収金の額(以下「徴収金額」という。)の決定のため、児童福祉施設に入所する児童の扶養義務者全員(児童自立生活援助事業を行うものに委託された児童にあっては、児童本人のみとする。)について負担能力を調査する。
(1) 扶養義務者がいない場合 孤児、棄児、置き去り児の場合や、児童が属すべき世帯が既に解消しており、かつ、親権者のない場合は、調査対象となる者がいないものとして取り扱う。
(2) 扶養義務者の住所又は居所が不明の場合 扶養義務者の住所又は居所が不明の場合は、調査対象となる者がいないものとして取り扱う。ただし、扶養義務者の住所又は居所が不明の場合とは、住民登録の有無、施設への照会等、十分調査した上で判明できない場合であり、単に従来の住所又は居所を去ったということだけではこれに当たらないものとする。
(3) 離婚世帯の場合 父母はいかなる場合でも調査対象とするのが原則であるが、離婚世帯(事実上離婚状態にある世帯を含む。)の場合には、親権者(事実上離婚状態にある世帯は、現実に親権を行使している者)とその同一世帯内の扶養義務者を調査対象とする。ただし、離婚の際の条件等により、親権者でない父又は母が児童の養育義務を負っている場合又は生計を一にしているとみなせる相当の養育量を負担している場合にあっては、その者を調査対象とし、親権を有する父又は母が行方不明の場合にあっては、居住所の判明している親権を有しない父又は母を事情に応じて調査対象とする。
(4) 父母が内縁関係にある場合 父母に婚姻関係がなく子が母の戸籍に記載されている場合において、父がその児童を認知している(戸籍上、父の名が記載されていることをいう。)場合は、その父を調査対象とする。なお、認知していない場合において、父が実子であることを認めている場合も同様とするが、父が認めていない場合はこの限りでない。
(5) 継父母の場合 児童の父又は母が継父又は継母である場合(養子縁組が成立している場合を除く。)は、実父又は実母を調査対象とする。
(6) 養子縁組が成立している場合 養親を調査対象とするものとし、入所中に養子縁組が成立したときは、そのときから養親世帯に属するものとして取り扱う。なお、養子縁組は成立していないが、事実上養子縁組が成立しているのと同様の状況(里親に措置している場合は含まない。)にある者については、その養親を調査対象とする。
(7) 未成年の扶養義務者の場合 措置決定時点(年度をまたいで措置を継続する場合にあっては、当該年度初日)における年齢が未成年の扶養義務者については、特別の事情がある場合を除き調査対象としない。ただし、児童の属する世帯に未成年の父又は母以外に成年の扶養義務者がいない場合は、その未成年の父又は母を調査対象とする。
(負担能力の調査)
第4条 所長は、前条の規定により調査対象とする者を決定したときは、その全員について別に定めるところにより課税状況等を調査する。
2 階層認定は、毎年の課税状況に基づき、7月1日現在で当該年の7月から翌年の6月までの期間について認定するほか、年の途中で措置となった児童については、当該措置が開始された月から直近の6月までの期間について認定する。
2 措置費徴収金は、措置が開始された日から措置が解除された日の前日までの期間(措置が停止された期間を除く。)について徴収する。
3 前項の規定による措置費徴収金の徴収の開始日又は終了日が月の中途である場合の当該月の徴収金額は、徴収金基準額の日割計算によって得た額とする。この場合において、日割計算の方法は、1月を30日として計算するものとし、計算した額に10円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てる。
(同一世帯から2名以上の児童が措置されている場合の加算額の決定)
第7条 同一世帯から2名以上の児童が措置されている場合は、各月の細則別表第1による徴収金基準額が最も多額となる児童(2名以上同額となる場合については、そのうちの1名とし、措置年月日が異なる場合は、最も早く措置を受けた児童。以下「基準額適用児童」という。)以外の児童については、その月の徴収金基準額に0.1を乗じて得た額をもって当該児童に係る徴収金額(以下「加算額」という。)とする。
2 基準額適用児童について措置解除又は措置停止がなされた場合において、なお当該世帯から2名以上の児童が措置されている場合は、解除日又は停止日が月の初日の場合にあっては当該月分から、解除日又は停止日が月の初日の翌日以降の場合にあってはその翌月分から、前項の規定に基づき基準額適用児童を変更する。
(障害児入所給付費等受給世帯の徴収金額の上限額)
第8条 児童の属する世帯の扶養義務者が、法第21条の5の2の障害児通所給付費又は法第24条の2の障害児入所給付費を支給されている場合は、当該児童の世帯に係る徴収金基準額の上限額は、次の式により算出した額とする。
徴収金基準額+徴収金基準額×0.1×(当該世帯における施設入所児童の人数-1)
2 前項の規定にかかわらず、当該世帯における施設入所児童のうち、1名以外の徴収金基準額が全額免除されている場合又は日割りである場合若しくは児童自立支援施設通所部、児童心理治療施設通所部の徴収金基準額である場合は、当該世帯における施設入所児童の徴収金基準額の合算額を上限額とする。この場合において、当該法第21条の5の2の障害児通所給付費又は法第24条の2の障害児入所給付費の支給に係る児童の徴収金基準額は、障害児入所給付費等国庫負担金要綱の規定により算出するものとする。
(措置費支弁額との関係)
第9条 徴収金基準額が別に定める措置費支弁額を超えるときは、措置費支弁額をもって徴収金額の上限とする。
(他の施設に通所する場合の措置費負担金)
第10条 里親又はファミリーホームに委託されている児童及び児童養護施設又は母子生活支援施設に入所している児童が、児童自立支援施設又は児童心理治療施設へ通所する場合の通所に係る措置費負担金は、0円とする。
(徴収金額の決定及び納入通知)
第12条 所長は、徴収金額の決定又は変更をしたときは、児童福祉施設等措置費徴収額決定(変更)通知書(別記第3号様式)により費用負担者に対し通知するものとする。
2 所長は、徴収金額の決定をしたときは、速やかに歳入調定を行い、納入通知書を作成して費用負担者宛てに送付する。この場合において納入期限は、原則として、徴収すべき金額が確定した日の翌月の末日とする。
3 国立施設への措置児童の徴収額を決定したときは、児童の保護者及び当該国立施設の長に対しその旨を通知するものとする。
(委任)
第13条 この要綱に定めるもののほか、措置費徴収金の徴収に関し必要な事項は、所長が別に定める。
附則
この要綱は、令和2年7月1日から施行する。
別表(第11条関係)
児童福祉施設等措置費徴収金減額基準表
階層区分 | 条件番号 | 条件 | 適用される金額(基準額のみとし、付加徴収金はしない) | 適用期間 | |
C階層及びD階層 | 1 | 月の途中で生活保護法による保護の適用を受けたとき | B階層に適用する基準額 | 当月分 | |
2 | 地方税法第295条及び第323条の規定により、当該年度の市町村民税を非課税及び免除されたとき | 当該年度末まで | |||
3 | 地方税法第15条又は課税団体の条例において前年度又は当該年度の市町村民税の徴収を猶予され、又は納期を延長されたとき | C階層に適用する基準額(2人目以降の徴収金については本文第7の2の「同一世帯から2人以上の児童が措置されている場合の加算額決定」のとおりとする。2人目以降の児童については以下同様とする。) | その事情のやむまで | ||
4 | 地方税法第323条の規定により、当該年度の市町村民税(特別区民税)が均等割額以下に減額されたとき | 当該年度末まで | |||
5 | 当該年度の市町村民税(特別区民税)が均等割額以下に減額されたとき | 当該年度末まで | |||
6 | その世帯の収入額が生活保護基準に満たないとき。但し、この金額の算定は生活保護法の実施について定められた関係要領等に定めるところによる。 | 認定期間中 | |||
D階層 | 7 | 当該年度に前年の所得額の10分の1をこえる災害又は盗難若しくは横領による損失(保険金等で補てんされる金額を控除する)を生じたとき(損失額の認定及びその範囲は所得税法の例による) | 10の1を除き当該年分市町村民税額所得割の額を右の算式のとおり仮定し、仮定した当該年分市町村民税額所得割の額に対応する階層に適用される基準額 | 仮定当該年分市町村民税額所得割の額=(前年分課税所得金額-(損失額-保険金等で補填される金額-前年の課税所得金額の10分の1))×適用税率 但し、仮定当該年分市町村民税が0円以下のときはC階層に適用する基準額 | 当該年度末まで |
8 | 当該年度に前年の所得額の100分の5又は所得税法に定める最高限度額をこえる医療費(保険金等で補てんされる金額を控除する)を支出したとき(医療費の認定及びその範囲は所得税法の例による) | 仮定当該年分市町村民税額所得割の額=(前年分課税所得金額-(支払った医療費-保険金等で補填される金額-前年の課税所得額の100分の5(当該金額が所得税法に定める最高限度額を超える場合はその最高限度額))×適用税率 但し書同上 | 当該年度末まで | ||
9 | 当該年度に世帯員が増加したとき | 仮定当該年分市町村民税額所得割の額=(前年分課税所得金額-(扶養控除額×対象人員))×適用税率 但し書同上 | 当該年度末まで | ||
10 | 当該年度に前年の稼動者が失業、死亡若しくは離婚(仕送りのない事実上の離婚を含む)により世帯を分離したとき(退職所得が125万円以上のときを除く) | 1.主たる稼動者のとき、C階層に適用する基準額 2.従たる稼動者のとき、仮定当該年分市町村民税額所得割の額=当該年分市町村民税額所得割の額-その者の当該年分市町村民税額所得割の額 但し書同上 | 当該年度末まで | ||
C階層及びD階層 | 11 | その世帯の前3か月の平均収入月額(期末手当等を除く)が前年の平均月額(期末手当等を除く)より1割以上低額に算定されるとき | 1階層低位に適用する基準額、但し、1階層低位に適用されてもなお、減額されない場合は順次低位に適用するものとする | 認定期間中 | |
12 | 以上の条件番号の1~11までの各号によりがたいもの | 特に調査のうえ必要と認めたときは、2階層低位に適用する基準額の範囲内に認定した額 | 認定期間中 |