○荒川区文書保存年限設定基準等の制定について(依命通達)

平成元年4月1日

元荒総総発第494号

荒川区文書管理規程(平成元年荒川区訓令甲第1号)が、平成元年3月31日に制定され、同年4月1日に施行された。また、この規程の施行に合わせて荒川区役所処務規程(昭和40年荒川区訓令甲第1号)が廃止となった。

文書の保存年限の設定基準は、従来、処務規程第56条第3項に基づいて定めていたところである。処務規程の廃止に伴い、文書管理規程第41条第3項に基づき、文書保存年限の設定基準等を下記のとおり定めたので、十分留意のうえ適用されたい。

この旨、命により通達する。

第1 保存対象文書

保存の対象となる文書は、起案用紙、付せん等により保存の意思決定がなされたものとする。

第2 保存年限設定の原則

文書の保存年限設定の原則は、次のとおりとする。

1 保存年限は、行政運営上の必要からみた文書の利用度、重要度、資料価値等のみならず、区民の立場からみた利用価値、文化遺産としての保存価値等を総合的に考慮して定めること。

2 文書は、当該文書を主管し、又は発議した課において保存すれば、その事案に関する情報は確保される。したがって、当該文書を収受した課においては、その文書を長期間にわたり保存する必要はないので、主管課より短期間の保存年限を定めること(原本保存主義)

3 行政運営の一般方針及び事務事業の基本計画の策定、組織の設定・改廃、予算の編成等計画機能に関する文書は、長期間の保存年限を定めること。

4 事務事業の実施機能及び監査・検査等統制機能に関する文書は、必要最小限の保存年限を定めること。ただし、採用・退職・懲戒処分等の人事、公有財産の取得・処分・保管、叙勲・表彰、訴訟等に関する文書は、事後の事務処理に支障のないように保存年限を定めること。

第3 保存年限の設定基準

文書の保存年限設定基準は、別表のとおりとする。

第4 その他

この依命通達による保存年限設定基準等は、通達日前に発生した保管文書及び保存文書にも適用することとする。なお、意思決定手続のとられていない文書を保存しようとするときは、当該文書を主管する課長等の意思決定をとることとする。

別表

文書保存年限設定基準

※この表による2種以上の事案に係る文書が一つの文書に含まれて(とじ込まれて)いる場合は、保存年限の長い事案の文書の保存年限を用いる。

件名

文書名

保存年限

文書の完結日

1 区行政の方針、議会、例規及び予算・決算に関する文書

(1) 区行政運営に関する一般方針並びに区が執行すべき事務事業の基本方針及び計画(変更・廃止を含む。)の策定に係る文書

永年

文書上の事務処理が完結した日

(2) 区の組織の設定、改廃等組織及び制度の基本に係る文書

永年

(3) 区議会への議案提出に係る文書(議決送付書を含み、議案提出依頼に係る文書を除く。)

永年

(4) 条例、規則及び訓令の形式をとる文書(立案又は議会提出依頼文書を除く。)

永年

(5) 要綱、要領の形式をとる文書

5年以下

当該要綱、要領がその効力を失った日

(6) 財政課で整理する予算の編成、予算説明書の調製等に係る文書

永年

文書上の事務処理が完結した日

(7) 財政課以外の部署が保有する予算に係る文書

5年以下

(8) 収入役室で整理する決算の調製に係る文書

永年

決算の事務処理が終了した日又は監査若しくは検査の終了した日

(9) 収入役室以外の部署が保有する決算に係る文書

3年以下

(10) 収入役室で調整する例月出納検査調書に係る文書

10年

(11) 監査に係る文書で(10)以外のもの(総務課保有の区長あて監査通知書を含む。)

3年以下

2 表彰、広報及び苦情等に関する文書

(1) 叙位、叙勲、大臣表彰等に係る文書及び表彰等の受彰者名簿

永年

文書上の事務処理が完結した日

(2) 知事表彰、知事贈呈感謝状、区功労表彰(区長室が保有するもの)に係る文書

10年

(3) 褒章に係る文書及び区長室以外の部署が保有する区功労表彰に係る文書

5年

(4) 区長贈呈感謝状及び名義使用承認に係る文書

3年

(5) 広報、公聴に係る文書

5年以下

(6) 苦情及び陳情に係る文書で、


ア 区施設の建物に係るもの

10年

イ ア以外のもの

5年以下

3 人事に関する文書

(1) 採用、退職、分限・懲戒処分、年金の裁定等人事の基本に係る文書

永年

文書上の事務処理が完結した日又は退(失)職日・死亡日等その効力を失った日

(2) 給与、服務、公務災害その他の人事に係る文書で職員課が保有するもの

10年以下

(3) 上記(2)及び非常勤・臨時職員の採用等に係る文書で職員課以外の部署が保有するもの

5年以下

4 公示・行政処分及び訴訟等に関する文書

(1) 告示、公告、通達及び公表の形式をとる文書で、内容の重要度が条例、規則及び訓令の形式をとる事案と同等のもの

永年

文書上の事務処理が完結した日

(2) 告示、公告、通達及び公表の形式をとる文書で、(1)以外のもの

10年以下

(3) 民間施設(未・無認可施設を含む。)その他の法人又は権利能力のない社団の設置認可・設立関係書並びに認可内容の変更(施設長等の変更を含む。)及び廃止に係る文書

10年以下

当該行政処分に関して指導、監督を行う(行われる)必要がなくなった日又は当該施設(団体)が廃止された(解散した)

(4) 区施設に係る設置認可、認可内容変更その他許可等に関する文書

10年以下

(5) 許可、認可、免許、登録その他の行政処分に係る文書で(3)及び(4)以外のもの

5年以下

(6) 訴訟、調停に係る文書

永年

当該事件に係る判決等又は裁決等があって事件が確定(議決)した日

(7) 不服申立てに係る文書

10年

(8) 和解及び損害賠償額の決定(示談の締結を含む。)に係る文書

10年

当該事件に係る和解が成立した日又は損害賠償額の決定があった日

5 申請、照会、回答等に関する文書

(1) 申請、照会、回答、依頼、通知、報告、進達、副申の形式をとる文書のうち


文書上の事務処理が完結した日

ア 特に重要なもの

10年

イ ア以外のもの

5年以下

6 成立した予算に係る事務事業の執行方針等に関する文書

(1) 成立した予算に関する事務事業の執行の方針及び計画(変更・廃止を含む。)の策定並びに当該事務事業の実施に係る文書

5年以下

文書上の事務処理が完結した日若しくは当該事務事業の執行等があった日(当該事業が1の(1)(4)(5)の文書に該当しない新規事業に係る文書(毎年度起案するものを除く。)の完結日は、当該事業が廃止となった日とする。)

7 附属機関等に関する文書

(1) 附属機関(1の(1)(2)に係る事案を検討するための附属機関類似の懇談会を含む。)に関する文書で、


文書上の事務処理が完結した日又は附属機関が廃止となった日

ア 委員の選任及び委嘱に係るもの

3年

イ 会議の開催に係るもの

1年

ウ 会議録及び諮問に係るもの

10年

エ 答申又は報告書で1の(1)(2)に係るもの

永年

オ 答申又は報告書でエ以外のもの

10年以下

(2) 附属機関類似の協議会、懇談会(上記(1)に係る懇談会を除く。)等に関する文書のうち


文書上の事務処理が完結した日又は協議会、懇談会等が廃止となった日

ア 委員の選任及び委嘱に係るもの

3年

イ 会議の開催に係るもの

1年

ウ 会議録、調査報告書等に係るもの

10年以下

(3) 他の自治体等との連絡会、協議会等の会議録、調査報告書等のうち


文書上の事務処理が完結した日又は連絡会、協議会等が廃止となった日

ア 1の(1)(2)に係るもの

10年以下

イ ア以外のもの

5年以下

(4) 区職員で構成する委員会、研究会等の会議録、調査結果報告書等のうち


文書上の事務処理が完結した日又は委員会、研究会等が廃止となった日

ア 1の(1)(2)及び公有財産の管理に係るもの

10年以下

イ ア以外のもの

5年以下

8 請負、委託及び財産の取得・処分等に関する文書

(1) 請負又は委託により行う工事、修繕、役務の提供及び業務の委託に係る契約書等の文書で、


文書上の事務処理が完結した日又は当該契約に係る期間の終了日若しくは履行のあった日

ア 議会の議決に付すべきもので区施設の新設に係る工事請負契約書

永年

イ 議会の議決に付すべきものでア以外のもの

10年

ウ ア、イ以外のもの

5年以下

(2) 経理課が保有する不動産の取得・処分・保管に係る文書で、


ア 特に重要なもの

永年

イ ア以外のもの

10年以下

(3) 経理課以外の部署が保有する不動産の取得・処分・保管に係る文書で、


ア 用地取得方針及び土地境界確定に係るもの

永年

イ ア以外のもの

5年以下

(4) 物件(物品を含み、上記(2)及び議決に付すべきものを除く。)の買入れ、売払い、借入れ及び貸付けに係る契約書等の文書のうち


ア 不動産の借入れ又は貸付けに係る契約書

永年

イ ア以外のもの

5年以下

9 補助金、寄附、貸付金、借入金、公有財産購入代金等に関する文書

(1) 補助金、分担金及び負担金の交付並びに扶助費の支給に係る文書

5年以下

文書上の処理が完結した日又は履行のあった日

(2) 国庫補助の付いた区施設整備費補助金交付申請に係る文書

永年(当該建物が存する間)

(3) 国、都等支出金(補助金)交付申請に係る文書で(2)以外のもの

5年

(4) 寄附受領(不動産を除く。)に係る文書

5年

(5) 寄附又は贈与に係る文書(不動産を除く。)

5年

(6) 貸付金に係る文書(未返還のものを除く。)

3年

当該貸付金の返還があった日

(7) 借入金の申込に係る文書

永年(償還期間経過後5年)

文書上の事務処理が完了した日

(8) 借入金の償還金及び融資資金の利子補給金の支払いに係る文書

5年

当該借入金の単年度における償還及び融資資金の利子補給があった日

(9) 土地、建物の購入代金及び賃料・使用料の支出決定に係る文書

5年

当該購入代金及び賃料の支払いがあった日

(10) 地代等の不受領に伴う供託及び債権者の競合に伴う契約代金、報酬等の供託に係る文書

10年

当該供託金を債権者が受け取った日又は区が取り戻した日

10 事故報告等に関する文書

(1) 金銭、有価証券、物品等の亡失、損傷その他の事故に係る文書

10年以下

当該事故に係る事務処理又は処分が完結した日及び和解又は損害賠償額の決定等があった日

(2) 車両事故等職務上の事故に係る文書

10年以下

(3) 施設管理上の事故及び施設利用者の事故並びに自然災害により起った事故に係る文書

10年以下

11 帳簿・伝票・図面等に関する文書

(1) 財産台帳、道路台帳、許可台帳、有形文化財登録台帳、登録名簿、資格取得者名簿、建築確認申請受付簿等で、財産、文化財又は対象者の管理上特に重要なもの

永年

当該帳簿に記載を要する期間が終了した日又は文書上の事務処理が完結した日又は当該施設が廃止となった日

(2) 課税台帳、工事台帳、借地台帳、(工事)契約台帳、歳入歳出予算現計簿、各種登録台帳等で対象者(物)の管理に要する上記(1)以外のもの

10年以下

(3) 区施設設備の工事竣工図、構造計算書等に係る文書

永年(当該建築物が存する間)

(4) 区内建築物の建築計画概要書

10年

(5) 金銭会計事務に要する帳簿で収入役室が保有するもの

5年

(6) 金銭会計事務に要する帳簿で収入役室以外の部署が保有するもの

5年以下

(7) 物品会計事務に要する帳簿

5年以下

(8) 伝票

5年以下

文書上の事務処理が完結した日

12 資料類

(1) 事務事業の実績等統計素材となる資料で、


当該事務処理が完結した日

ア 刊行物の作成材料となったもの

1年

イ ア以外のもの

5年以下

当該事務事業が廃止となった日

(2) 刊行物


文書上の事務処理が完結した日又は当該事務事業が完了した日

ア 作成原課の保存用(1~3部)刊行物

永年

イ 取得した資料用刊行物

3年以下

荒川区文書保存年限設定基準等の制定について(依命通達)

平成元年4月1日 荒総総発第494号

(平成18年4月1日施行)

体系情報
第5編 行政通則/第4章 文書・公印
沿革情報
平成元年4月1日 荒総総発第494号
平成17年4月1日 種別なし
平成18年4月1日 種別なし