○荒川区生活困窮者就労準備支援事業実施要綱

平成28年3月31日

27荒福福第3088号

(副区長決定)

(趣旨)

第1条 この要綱は、生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号)に基づき、就労に向けた準備が整っていない生活困窮者に対して、一般就労に従事する準備としての基礎能力の形成を計画的かつ一貫的に支援することにより、生活困窮者の就労及び自立の促進を図ることを目的として、荒川区(以下「区」という。)が実施する生活困窮者就労準備支援事業(以下「本事業」という。)の細目について必要な事項を定める。

(実施主体)

第2条 本事業の実施主体は、区とする。ただし、事業を適切、公正、中立及び効率的に実施することができる者であって、社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人、特定非営利活動法人その他区長が適当と認める民間団体に、事業の全部又は一部を委託することができる。

(用語の定義)

第3条 この要綱において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 基準額 対象者の利用申込日の属する年度(利用申込日の属する月が4月から6月までの場合にあっては前年度)分の地方税法(昭和25年7月31日法律第226号)第295条第3項の規定による条例で定める金額を12で除して得た額をいう。

(2) 住宅扶助基準に基づく額 「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和38年4月1日社発第246号厚生省社会局長通知)第7―4―(1)―ア、第7―4―(1)―オ及び「生活保護法による保護実施要領の取扱いについて」(昭和38年4月1日社保第34号厚生省社会局保護課長通知)第7―56に基づく運用を行っている場合に係る当該限度額をいう。

(3) 支援調整会議 荒川区生活困窮者自立支援調整会議設置要綱(平成27年4月1日付け副区長決定)第1条に規定する荒川区生活困窮者自立支援調整会議をいう。

(4) 支援プラン 荒川区生活困窮者自立支援事業実施要綱(平成27年4月1日付け副区長決定)第7条第1項に規定する支援プランをいう。

(対象者)

第4条 本事業の対象者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 次のいずれにも該当する者であること。

 区内に居住地(本人の事実上の住まいがある場所をいう。)を有すること。

 利用申込日における本人及び本人と同一の世帯に属する者の所有する金融資産の合計額が、基準額に6を乗じて得た額以下であること。

 利用申込日の属する月における本人及び本人と同一の世帯に属する者の収入の合算額が、基準額と住宅扶助基準に基づく額との合算額以下であること。

 生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による生活扶助を受けていないこと。

 区長が、生活習慣や社会参加能力、就労意欲の欠如等により一般就労に向けた準備が整っていないと判断した者であること。

 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)に基づく就労移行支援事業及び就労継続支援事業等の障害者就労支援施策を利用していないこと。

(2) 前号に該当する者に準ずる者として次のいずれかに該当する者であること。

 前号イ又はに規定する額のうち把握することが困難なものがあること。

 前号に該当しない者であって、前号イ又はに該当するものとなるおそれがあること。

 区長が本事業による支援が必要と認める者であること。

(事業内容)

第5条 本事業の内容は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 就労準備支援プログラム計画書の作成及び見直し

本事業を行う支援員(以下「就労準備支援担当者」という。)は、支援を効果的かつ効率的に実施するため、アセスメントを行い対象者が抱える課題を把握した上で、支援プランの内容に基づいて、支援方針、目標、具体的支援内容を記載した就労準備支援プログラム計画書を作成し、対象者の同意を得る。ただし、就労準備支援プログラム計画書は、支援の実施状況を踏まえ、適宜見直しを行う。

(2) 日常生活自立、社会生活自立、就労自立に関する支援

 日常生活自立に関する支援 就労準備支援担当者は、日常生活を営む上で基本的な生活習慣が不十分である対象者に対し、適切な生活習慣の形成を促すための助言、指導等を行い、自らの健康管理や生活管理を行う意識の醸成を図る。

 社会生活自立に関する支援 就労準備支援担当者は、社会参加のための支援が必要な対象者に対し、就労の前段階として必要な社会的能力を身に付けるための指導、訓練を行い、地域で良好な社会生活が送れるように支援する。

 就労自立に関する支援

(ア) 就労準備支援担当者は、一般就労に向けた実践的支援が必要な対象者に対し、一般就労に向けた技法や知識の習得等を図る。

(イ) 就労準備支援担当者は、協力事業者の新規開拓を行う。

(3) 自立相談支援機関との連携の下で必要に応じて行う支援

 就職活動支援 就労準備支援担当者は、自立相談支援機関との協議により、ハローワークの利用支援及び採用面接への同行支援等を行う。

 就職後の職場定着支援 就労準備支援担当者は、自立相談支援機関との協議により、対象者の相談に応じる等必要な支援を行う。

(4) 自立相談支援機関等との連携

自立相談支援機関等との連携の下、就労準備支援担当者は、対象者に係る面談への同席、対象者を訪問する等のアウトリーチを行う。

(5) 支援調整会議及び連絡会議等への参加

対象者に係る支援調整会議及び連絡会議等への参加を行う。

(6) 就労準備支援プログラム評価書の作成及び報告

対象者への支援経過は随時記録し、支援実施後の評価を行うため、就労準備支援プログラム評価書を対象者とともに作成し、就労準備支援プログラム評価書を用いて自立相談支援機関への報告を行う。

(7) ネットワークや協力事業者等の開拓による地域の社会資源の活用

対象者が行うボランティア活動や就労体験等の協力団体等を開拓することにより、地域の社会資源を積極的に活用する。

(8) アウトリーチによる対象者の把握

自立相談支援機関との連携の上、様々な経路において対象者を適切に把握するよう努める。

(9) その他

「就労準備支援事業の手引き」(平成27年3月6日付け社援地発0306第1号厚生労働省社会・援護局地域福祉課長通知。以下「手引き」という。)に基づく内容で事業を実施する。

(実施期間)

第6条 本事業の実施期間については、対象者の状況に応じて支援調整会議において決定する。ただし、1年を超えない期間とする。

(実施方式)

第7条 本事業は、本事業を実施するための事業所(以下「就労準備支援事業所」という。)を設置し、当該就労準備支援事業所においてセミナー等を実施する通所方式を原則とする。ただし、ボランティア活動又は就労体験等は就労準備支援事業所のほか、区又は他自治体における協力団体等において実施することができる。

(配置職員)

第8条 事業の実施に当たっては、就労準備支援担当者を配置するものとする。ただし、就労準備支援担当者は、キャリア・コンサルタント若しくは産業カウンセラー、社会福祉士等の資格を有する者又は職業相談業務や就労支援業務に従事した経験のある者等、生活困窮者への就労支援を適切に行うことができる者とする。ただし、原則として厚生労働省が実施する生活困窮者自立支援制度就労準備支援事業従事者養成研修を受講し、修了証を受けた者とする。

(職員配置基準)

第9条 就労準備支援事業所には、2人以上の就労準備支援担当者を置くこととする。ただし、そのうち1人以上は常勤とする。

2 就労準備支援事業所には、対象者の数が16人以上の場合、常勤換算方法で対象者の数を15で除した数以上の就労準備支援担当者を置くこととする。

3 就労準備支援事業所には、業務全体の運営、管理を行うための業務責任者を1人選任することとする。

(個人情報の保護)

第10条 区長は、本事業の実施に当たり就労準備支援事業所に対し、荒川区個人情報保護条例(平成8年荒川区条例第28号)及び契約条項、関連法令等を遵守し、適正な管理を行うよう求めるものとする。

2 区長は、対象者に対し個人情報の取得方法及び利用目的について、及び個人情報に関する管理取扱規程を提示し、その内容について対象者の同意を得るものとする。

(守秘義務)

第11条 就労準備支援事業所は、生活困窮者自立支援法第5条第3項及び第7条第3項により、守秘義務を負う。

(留意事項)

第12条 本事業の運用に当たり、この要綱に定めのない事項については、手引きに基づき、実施する。

2 ボランティア活動及び就労体験を行う対象者は、労働者性がないと認められる限りにおいて労働基準関係法令の適用対象外となるが、安全衛生面、災害補償面については、一般労働者の取扱いも踏まえた適切な配慮を行うものとする。特に、災害補償面については、対象者が就労体験中に被災した場合に備え、適切な保険に加入するものとする。

3 工賃や交通費等、個人に対する手当は本事業費から支出しないものとする。

(委任)

第13条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、福祉部長が別に定める。

この要綱は、平成28年4月1日から施行する。

荒川区生活困窮者就労準備支援事業実施要綱

平成28年3月31日 種別なし

(平成30年10月1日施行)