○荒川区伴走型相談支援及び出産・子育て応援交付金の一体的事業実施要綱
令和5年2月28日
制定
(4荒健健第5260号)
(副区長決定)
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 伴走型相談支援(第4条―第11条)
第3章 出産・子育て応援交付金の支給(第12条―第19条)
第4章 雑則(第20条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この要綱は、核家族化が進み、地域のつながりも希薄になる中で、孤独感及び不安感を抱える妊婦及び子育て世帯に属する者(以下「妊婦等」という。)も少なくなく、全ての妊婦等が安心して出産及び子育てをすることができる環境整備が喫緊の課題であることを踏まえ、全ての妊婦等が安心して出産及び子育てをすることができるよう、妊娠から出産及び子育てまで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐ伴走型相談支援の充実を図るとともに、妊娠又は出生の届出を行った妊婦等に対し、出産育児関連用品及び子育て支援サービスの利用負担軽減を図る出産・子育て応援交付金の支給を一体的に実施する事業(以下「一体的事業」という。)に関し、伴走型相談支援及び出産・子育て応援給付金の一体的実施事業の実施について(令和4年12月26日付け子発1226第1号)に基づき、必要な事項を定めるものとする。
(実施主体)
第2条 一体的事業の実施主体は、荒川区(以下「区」という。)とする。ただし、一体的事業の効果的な実施の観点から、一体的事業のうち外部への委託が可能な事業については、一体的事業の趣旨に照らして区が適当であると認める者又は団体を選定し、当該事業自体を外部に委託することができる。
(実施内容)
第3条 区は、一体的事業として、伴走型相談支援及び出産・子育て応援交付金の支給を行うものとする。
第2章 伴走型相談支援
(伴走型相談支援)
第4条 伴走型相談支援は、この章に定めるところにより実施するものとする。
(対象者)
第5条 伴走型相談支援は、全ての妊婦及び対象乳幼児(主に0歳から2歳までの乳幼児をいう。以下この章において同じ。)を養育する子育て世帯に属する者(以下この章において「対象妊婦等」という。)を対象者とする。
(実施内容)
第7条 伴走型相談支援は、次に定めるところにより、出産、育児等の見通しを立てるための面談等及びその後の継続的な情報発信、随時の相談受付等を行うことで、妊娠の届出時から対象妊婦等に寄り添い、身近で相談に応じ、関係機関とも情報共有しながら必要な支援を行うものとする。
(1) 妊娠の届出時の面談等は、次に定めるところにより実施すること。
ア 対象者は、妊娠の届出をした妊婦とすること。
イ 実施時期は、妊娠の届出時に実施するほか、別途面談日を設定して実施することも可能とすること。この場合において、妊婦と一緒に妊娠期の過ごし方等出産までの見通しを立て、必要な支援に早期につなげるというこの面談等の趣旨に鑑み、できる限り早い時期に実施すること。
ウ 実施内容は、次に定めるところによること。
(ア) 妊娠の届出をした妊婦に対し、区長が別に定める妊娠の届出時のアンケート(以下「妊娠届出時アンケート」という。)に必要事項の記載を求めた上で、区長が別に定める子育てガイド(以下「子育てガイド」という。)を手交し、妊娠期から出産後までの見通し及び過ごし方、必要となる各種の手続、利用できる支援サービス等について、妊娠期の過ごし方等その他当該支援サービス等の全体像を一緒に確認するための面談等を実施すること。
(イ) 出産・子育て応援交付金の案内及び申請の受付をするほか、面談等により把握した妊婦の状況等に応じ、産科医療機関等における妊婦健康診査の受診とともに、産前・産後サポート事業、ハローベビー学級その他必要な支援サービスの利用等の案内をすること。
エ この面談等の実施方法は、次に定めるところによること。区が前条ただし書の規定により地域子育て支援拠点等にこの面談等の業務を委託した場合についても、同様とする。
(ア) 顔の見える関係づくり等の観点から、妊婦が健康部健康推進課の相談窓口等に来訪した上での対面による面談又はオンラインの画面上での対面による面談(以下「対面面談」という。)の実施を基本とすること。ただし、妊婦が対面面談を行うことができないやむを得ない事情がある場合その他区長が適当であると認める場合には、この面談等の担当職員による居宅訪問等のアウトリーチによる面談(以下「アウトリーチによる面談」という。)を実施すること。
(イ) (ア)の規定にかかわらず、対面面談及びアウトリーチによる面談がいずれも困難な場合には、これらの面談に代わり、電話及び妊娠届出時アンケートの提出を求めることにより実施することも可能とすること。
(2) 妊娠後期の面談等は、次に定めるところにより実施すること。
ア 対象者は、妊娠後8月頃(以下「妊娠後期」という。)の妊婦(流産又は死産をしたことを把握した妊婦を除く。)のうち、区長が別に定める妊娠後期のアンケート(以下「妊娠後期アンケート」という。)の回答内容により、この面接等を希望する者及び妊婦の状況等から支援が必要と区長が判断した者とすること。
イ 実施時期は、出産間近で産後のことを考え始める時期で、かつ、働いている妊婦が産前休暇に入り面談の時間を比較的取りやすい時期として、妊娠後期を目安とした時期に実施すること。
ウ 実施内容は、次に定めるところによること。
(ア) 妊娠後おおむね25週頃に、この面談等の案内文及び妊娠後期アンケートを送付すること。
(イ) (ア)の規定による送付を受けた妊婦から提出のあった妊娠後期アンケートの回答内容及び妊婦が利用している子育てガイドを基に、特に出産後の見通し及び過ごし方、必要となる各種の手続、利用できる支援サービス等を一緒に確認するための面談を実施すること。
(ウ) 面談等により把握した妊婦の状況等に応じて、産後ケア事業の予約その他必要な支援サービスの利用等を案内すること。
エ この面談等の実施方法は、前号エに規定する実施方法の例によること。
オ この面談等を希望しない妊婦又は妊娠後期アンケートの提出がなかった妊婦への対応は、次に定めるところによること。
(ア) この面談等を希望しない妊婦について、提出された妊娠後期アンケートに記載された妊婦の状況等の情報に基づき、当該妊婦に支援が必要と区長が判断した場合には、面談、電話等による相談を実施した上で、必要な支援につなげることとすること。
(イ) 妊娠後期アンケートの回答の提出がなかった妊婦について、電話等により妊娠後期アンケートの回答の提出を求めるとともに、必要に応じて、面談、電話等による相談を実施すること。
(3) 出生後の面談等は、次に定めるところにより実施すること。
ア 対象者は、出生した児童を養育する者(以下「養育者」という。)とすること。ただし、養育者に児童の母が含まれる場合には、原則として当該母とすること。
イ 実施時期は、乳児家庭全戸訪問事業の実施期間である出生後4月頃までの間に実施すること。ただし、この期間にこの面談等を実施できなかった場合(養育者の居所が不明であった場合、日本国外に居住していた場合等をいう。)は、養育者に対して必要な支援に早期につなげる観点から、できる限り早い時期に実施すること。
ウ 実施内容は、次に定めるところによること。
(ア) 乳児家庭全戸訪問事業による乳児家庭全戸訪問の際に、養育者に対し、区長が別に定める出生後のアンケート(以下「出生後アンケート」という。)への必要事項の記載を求めた上で、養育者が利用している子育てガイドを基に、出産後の見通し及び過ごし方、必要となる各種の手続、利用できる支援サービス等を一緒に確認するための面談等を実施すること。
(イ) この面談等により把握した養育者の状況等に応じて、産後ケア事業、一時預かり事業その他必要な支援サービスの利用等を案内すること。
(ウ) 出生の届出後に健康部健康推進課においてこの面談等を実施することも可能とするが、この面談等の対象者である児童の母は、産褥期で安静が必要な時期であることに留意すること。この場合において、産科医療機関等における産婦健康診査により産後の精神状態等のアンケートが実施されているとき等は、この面談等の対象者の同意に基づき、産科医療機関等と適切に情報共有を行うこと。
エ この面談等の実施方法は、第1号エに規定する実施方法の例によること。
(4) 面談等の実施後の情報発信、随時の相談受付等は、前3号に規定する面談等の実施後に、緩やかな伴走型支援として、対象妊婦等に対して、子育て関連アプリケーション、ソーシャルネットワークシステム、オンライン等を活用しつつ、プッシュ型による子育て支援等に関するイベント情報等の情報発信、随時の相談受付等を継続的に実施すること。
(面談等の担当職員の配置及び要件)
第8条 区は、伴走型相談支援の実施に当たり、面談等の担当職員を配置する。
3 前項に規定する一定の研修は、次に掲げる研修とする。
(1) 利用者支援事業の基本型を実施する利用者支援専門員になるために受講が必要な子育て支援員基本研修及び専門研修(地域子育て支援コース)の利用者支援事業(基本型)
(2) 地域子育て支援拠点で子育て支援員になるために受講が必要な子育て支援員基本研修及び専門研修(地域子育て支援コース)の地域子育て支援拠点事業
(3) その他区長が認める研修
(面談等の相談記録の管理)
第9条 区は、面談等の対象者から提出のあった妊娠届出時アンケート等及び子育てガイドを含む面談等の相談記録を適切に管理しなければならない。
(留意事項)
第11条 区は、面談等の対象者が他の区市町村に里帰りをしている場合についても、当該対象者に対する面談等を実施するものとする。ただし、区は、当該対象者の希望、状況等により、当該対象者の里帰り先の他の区市町村に面談等の実施を依頼することができる。
3 面談等の対象者のうち、流産又は死産をした者及び対象乳幼児が死亡した者(以下この項において「流産又は死産をした対象者等」という。)については、面談等の実施を要しないものとする。この場合において、区は、流産又は死産をした対象者等に対して、希望に応じて面談、電話等による相談を実施するとともに、厚生労働省の相談窓口を案内する等、関係機関等と連携し、きめ細やかな対応を行うものとする。
第3章 出産・子育て応援交付金の支給
(定義)
第12条 この章において「ギフトカード」とは、掲示、交付その他の方法により使用する証票、電気通信回線に接続している電子計算機に入力することにより使用する識別記号その他これらに類するものであって、商品又はサービスを購入することができるものをいう。
(出産・子育て応援交付金の支給)
第13条 出産・子育て応援交付金の支給は、この章に定めるところにより実施するものとする。
(出産・子育て応援交付金の種類)
第14条 出産・子育て応援交付金は、出産応援ギフト及び子育て応援ギフト(以下「出産応援ギフト等」という。)とする。
(出産応援ギフトの支給)
第15条 出産応援ギフトは、次に定めるところにより支給するものとする。
ア 出産・子育て応援交付金の支給の開始日(以下「事業開始日」という。)以後に妊娠の届出をした妊婦(産科医療機関等を受診し、妊娠の事実を確認した者又は妊娠していることが明らかである者に限る。)
イ 次のいずれかに該当する者
(ア) 令和4年4月1日以降、事業開始日より前に出生した児童の母(事業開始日に区内に住所を有していた者に限る。)
(イ) 令和4年4月1日以降、事業開始日より前に妊娠の届出をした妊婦(事業開始日に区内に住所を有していた者に限り、(ア)に該当するものを除く。)
(2) 支給内容は、前号に規定する対象者の妊娠1回につき、5万円に相当する額のベビー用品、生活支援用品、家事育児サービス等を掲載した専用サイトにアクセスするためのIDを記載したカードの支給(以下「ギフトカード支給」という。)を行うものとすること。
(イ) (ア)の支給の申請は、妊娠中に行うものとすること。ただし、災害その他支給希望者の責めに帰さないやむを得ない特別な事情その他の区長が認める事情により、支給希望者が妊娠中に当該申請を行うことができなかった場合は、当該事情がなくなった後、区が定める期間内に当該申請を行うことを可能とすること。
(エ) 区は、支給希望者から(ア)の支給の申請を受けたときは、審査の上、支給希望者に対して出産応援ギフトの支給を行うこと。
(オ) 区は、(エ)の審査を行うに当たって、必要に応じて、産科医療機関等に妊娠の事実を確認すること等により、支給希望者が支給妊婦に該当するか確認を行うこと。
(カ) 区は、出産応援ギフトの支給に当たっては、必要に応じて、公的身分証明書の写し等を提出させ、又は提示させること等により、支給希望者の本人確認を行うこと。
(ア) 支給希望者は、他の区市町村で出産応援ギフトの支給を受けていない旨の申告並びに区が一体的事業の適切な実施のため関係機関等に必要な情報を確認し、及び共有することについての同意をした上で、区に対してア(ア)の出産応援ギフト申請書又はア(ウ)の出産・子育て応援ギフト申請書を提出することにより、支給の申請を行うこと。ただし、当該申請の時点で妊娠した児童を出生している支給希望者については、子育て応援ギフトの支給を受けるために次条第3号の規定により出生後アンケート及びア(ウ)の子育て応援ギフト申請書又は出産・子育て応援ギフト申請書を提出することにより、当該申請を行うものとし、当該申請前に流産又は死産をした支給希望者については、妊娠届出時アンケートの提出を行うことなく、当該申請を行うことができる。
(イ) (ア)の支給の申請は、区が定める申請期限までに行うものとすること。ただし、災害その他支給希望者の責めに帰さないやむを得ない特別な事情その他の区長が認める事情により、支給希望者が当該申請期限までに当該申請を行うことができなかった場合は、当該事情がなくなった後、更に区が定める期間内に当該申請を行うことを可能とすること。
(ウ) 区は、支給希望者から(ア)の支給の申請を受けたときは、審査の上、支給希望者に対して出産応援ギフトの支給を行うこと。
(エ) 区は、(ウ)の審査を行うに当たって、必要に応じて、妊娠の届出の状況を確認すること等により、支給希望者が遡及支給妊婦に該当するか確認を行うこと。
(オ) 区は、出産応援ギフトの支給に当たっては、必要に応じて、公的身分証明書の写し等を提出させ、又は提示させること等により、支給希望者の本人確認を行うこと。
(子育て応援ギフトの支給)
第16条 子育て応援ギフトは、次に定めるところにより支給するものとする。
(1) 対象者は、次に定めるところによること。
(ア) 事業開始日以降に出生した児童であって、区内に住所を有するもの
(イ) 令和4年4月1日以降、事業開始日より前に出生した児童であって、区内に住所を有するもの
イ アの規定にかかわらず、次のいずれかに該当する者には、子育て応援ギフトは支給しないものとすること。
(ア) 児童手当法(昭和46年法律第73号)第4条第1項第4号に規定する小規模住居型児童養育事業を行う者及び同号に規定する障害児入所施設等の設置者
(イ) 法人
(2) 支給内容は、対象児童1人につき5万円に相当する額のギフトカード支給等を行うものとすること。
(イ) (ア)の支給の申請は、乳児家庭全戸訪問事業の実施期間である出生後4月頃までの間に行うものとすること。ただし、災害その他支給希望者の責めに帰さないやむを得ない特別な事情その他の区長が認める事情により、支給希望者がその期間内に当該申請を行うことができなかった場合は、当該事情がなくなった後、区が定める期間内に当該申請を行うことを可能とすること。
(エ) 区は、支給希望者から(ア)の支給の申請を受けたときは、審査の上、支給希望者に対して子育て応援ギフトの支給を行うこと。
(オ) 区は、(エ)の審査を行うに当たって、必要に応じて、支給希望者の対象児童の養育の事実を確認すること等により、支給希望者が支給養育者に該当するか確認を行うこと。
(カ) 区は、子育て応援ギフトの支給に当たっては、必要に応じて、公的身分証明書の写し等を提出させ、又は提示させること等により、支給希望者の本人確認を行うこと。
(ア) 支給希望者は、出生後アンケートの提出、他の区市町村で同一の対象児童に係る子育て応援ギフトの支給を受けていない旨の申告並びに区が一体的事業の適切な実施のため関係機関等に必要な情報を確認し、及び共有することについての同意をした上で、区に対して前条第3号ア(ウ)の子育て応援ギフト申請書又は出産・子育て応援ギフト申請書を提出することにより、支給の申請を行うこと。ただし、当該申請前に対象児童が死亡した支給希望者については、出生後アンケートの提出を行うことなく、当該申請を行うことができる。
(イ) (ア)の支給の申請は、区が定める申請期限までに行うものとすること。ただし、災害その他支給希望者の責めに帰さないやむを得ない特別な事情その他の区長が認める事情により当該申請期限までに当該申請を行うことができなかった場合は、当該事情がなくなった後、更に区が定める期間内に当該申請を行うことを可能とすること。
(ウ) 区は、支給希望者から(ア)の支給の申請を受けたときは、審査の上、支給希望者に対して子育て応援ギフトの支給を行うこと。
(エ) 区は、(ウ)の審査を行うに当たって、必要に応じて、支給希望者の対象児童の養育の事実を確認すること等により、支給希望者が遡及支給養育者に該当するか確認を行うこと。
(オ) 区は、子育て応援ギフトの支給に当たっては、必要に応じて、公的身分証明書の写し等を提出させ、又は提示させること等により、支給希望者の本人確認を行うこと。
(不当利得の返還)
第19条 区長は、出産応援ギフト又は子育て応援ギフトの支給後に当該支給を受けた者が支給対象者の要件に該当していないことが判明した場合は、既に支給した出産応援ギフト又は子育て応援ギフトの全部をその者から返還させるものとする。
第4章 雑則
(その他)
第20条 この要綱に定めるもののほか、一体的事業の実施に関し必要な事項は、区長が別に定める。
附則
この要綱は、令和5年3月1日から施行する。