○荒川区特定子ども・子育て支援施設等指導監査実施要綱

令和4年4月1日

制定

(3荒子子第4465号)

(副区長決定)

(趣旨)

第1条 この要綱は、子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号。以下「法」という。)第30条の3において準用する法第14条第1項及び第58条の8第1項の規定に基づき実施する、特定子ども・子育て支援施設等(法第30条の11第1項に規定する特定子ども・子育て支援施設等をいう。以下同じ。)に対して行う指導及び監査について、基本的事項を定める。

(指導及び監査の目的)

第2条 指導及び監査は、特定子ども・子育て支援施設等に対し、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準(平成26年内閣府令第39号。以下「運営基準」という。)第53条から第61条までの規定の内容について周知徹底させるとともに、施設等利用費の支給における過誤・不正の防止を図るために実施する。

(指導及び監査の対象)

第3条 この要綱に基づく指導及び監査の対象は、法第58条の2に規定する確認を受けた特定子ども・子育て支援施設等とする。

(指導基準)

第4条 区は、運営基準、関係法令等を集約した基準を別に定め、その基準における評価区分は、別紙「評価区分」に沿って定める。

(指導について)

第5条 指導については、以下のとおり実施するものとする。

(1) 指導等形態

 集団指導

運営基準等の遵守に関して、特定子ども・子育て支援提供者(法第30条の11第3項に規定する特定子ども・子育て支援提供者をいう。以下同じ。)を一定の場所に集めて講習等の方法により実施する。

 実地指導

特定子ども・子育て支援施設等において、提出された書面に関する質問等を行うとともに、必要と認める場合は、運営基準の遵守に関する各種指導等を行う。

(2) 指導対象の選定基準

指導はこの要綱の第3条に定める全ての特定子ども・子育て支援施設等を対象とし、重点的かつ効率的に実施する観点から、指導形態に応じて、次の基準に基づいて対象の選定を行う。

 集団指導

(ア) 法第58条の11第1項の規定に基づく法第30条の11第1項の確認の公示後、概ね1年以内に実施する。

(イ) 制度改正、施設等利用費の請求の実態や過去の指導事例等に基づき指導等が必要と考えられる内容が生じたときに、当該指導すべき内容に応じて、対象となる特定子ども・子育て支援施設等を選定して実施する。

 実地指導

(ア) 全ての特定子ども・子育て支援施設等を対象に定期的かつ計画的に実施する。

(イ) 対象施設等の選定は、集団指導の実施状況、区が行う指導監督、立入調査等に関する事務の状況等を勘案して決定する。

(ウ) 運営基準等の遵守状況や、前年度の実地指導の結果から文書による指摘事項への改善を求めたが未実施であること等により、指導等が必要と認められる施設等を対象とする。

(エ) その他、特に区が実地指導の必要があると認める施設等を対象とする。

(3) 指導方法等

 集団指導

(ア) 実施通知

区は、指導対象となる特定子ども・子育て支援施設等を決定したときは、あらかじめ集団指導の日時、場所及び指導内容等を当該特定子ども・子育て支援提供者に文書により通知する。

(イ) 実施方法

集団指導は、特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準、制度改正の内容及び過去の指導事例等について講習等の方式で行う。

なお、やむを得ない事情により集団指導に欠席した特定子ども・子育て支援提供者には、当日使用した書類を送付する等、必要な情報提供に努めるとともに、直近の機会に改めて集団指導の対象に選定する。

 実地指導

(ア) 実施通知

区は、指導対象となる特定子ども・子育て支援施設等を決定したときは、あらかじめ実地指導の日時、場所及び指導内容等を当該特定子ども・子育て支援提供者に文書により通知する。

(イ) 実地指導の方法

実地指導は、運営基準等の遵守状況を確認するために必要となる関係書類の閲覧、関係者との面談等により実施する。実地指導の終了時に、実施場所において、特定子ども・子育て支援施設等の代表者(以下「代表者」という。)、面談に対応した担当者等に対して、実地指導結果の講評を行う。

(ウ) 結果通知

実地指導の結果、改善を要すると認められた事項については、軽微なもの等を除き、後日、代表者に対して文書により指導内容の通知を行うものとする。また、改善を要すると認められる事項がない場合も、文書により通知を行う。

(エ) 改善報告書の提出

区は、当該特定子ども・子育て支援施設等に対し、文書により指摘した事項については、通知から30日以内に改善報告書の提出を求めるものとする。

(4) 検査結果の公表

実地指導の結果のうち、文書による指摘事項、改善状況報告書の提出の有無及び改善状況については、原則として、区ホームページに掲載し、区民へ広く情報提供する。

(監査への変更)

第6条 実地指導中に以下に該当する状況を確認した場合は、実施指導を中止し、直ちに監査を行うことができる。

(1) 特定子ども・子育て支援施設等において著しい運営基準違反が確認された場合

(2) 特定子ども・子育て支援施設等及び施設等利用給付認定に係る保護者の施設等利用費の請求に、著しい不当が疑われる場合

(3) 意図的な隠ぺい等の悪質な不正が疑われる場合

(4) 上記のほか、特定子ども・子育て支援施設等が法第58条の9第1項各号及び第58条の10第1項各号に該当することが疑われる場合

(監査について)

第7条 監査については、以下のとおり実施するものとする。

(1) 監査方法等

 実施通知

区長は、監査を行うことを決定したときは、監査の根拠規定、目的、場所、担当者及び準備すべき書類等を文書により特定子ども・子育て支援施設等の設置者に対して通知する。ただし、実地指導中に監査への変更を行った場合等、これにより難い場合及び事案の緊急性・重大性を踏まえ、事前通告なく監査を行う必要性が認められる場合等についてはこの限りでない。

 結果通知

区長は、監査の結果、法第58条の9第1項に定める勧告には至らないが、改善を要すると認められる事項がある場合及び施設等利用費等の返還を要すると認められる場合並びに改善を要すると認められる事項がない場合は、文書によりその旨を通知する。

 改善報告書の提出

区長は、文書により通知した指摘事項については、通知から30日以内に文書により改善報告を求めることとする。

 行政上の措置等

(ア) 勧告

区長は、法第58条の9第1項に基づき、以下に該当する状況が認められた場合には、必要に応じて当該特定子ども・子育て支援提供者に対し、期限を定めて、基準を遵守すること等を勧告することができる。当該特定子ども・子育て支援提供者は、勧告を受けた場合は、勧告から30日以内に文書により改善報告書を提出するものとし、当該特定子ども・子育て支援提供者が期限内にこれに従わなかったときは、区長は、法第58条の9第4項に基づき、その旨を公表することができる。

a 幼稚園の設置者及び一時預かり事業を行う者(国及び地方公共団体(公立大学法人を含む。)を除く。)を除く特定子ども・子育て支援提供者が、内閣府令で定める基準に従って施設等利用費の支給に係る施設又は事業として適正な特定子ども・子育て支援施設等の運営をしていない場合

b 特定子ども・子育て支援提供者が、法第58条の4第2項の内閣府令で定める特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準に従って施設等利用費の支給に係る施設又は事業として適正な特定子ども・子育て支援施設等の運営をしていない場合

c 特定子ども・子育て支援提供者が、法第58条の6第2項に規定する便宜の提供を施設等利用費の支給に係る施設又は事業として適正に行っていない場合

(イ) 命令

区長は、特定子ども・子育て支援提供者が正当な理由がなく勧告に係る措置をとらなかったときは、法第58条の9第5項に基づき、当該特定子ども・子育て支援提供者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命令することができる。

命令は、原則として文書により行い、特定子ども・子育て支援提供者に命令から30日以内に文書により改善報告書を提出させる。

なお、区長が命令を行ったときは、法第58条の9第6項に基づき、その旨を公示するとともに、遅滞なくその旨を当該特定子ども・子育て支援施設等の認可等を行った東京都知事等に通知する。

(ウ) 確認の取消し等

区長は、特定子ども・子育て支援施設等が第58条の10第1項各号のいずれかに該当する場合においては、当該特定子ども・子育て支援施設等に係る確認を取り消し、又は期間を定めてその確認の全部若しくは一部の効力を停止(以下「確認の取消し等」という。)することができる。

また、区長が確認の取消し等をしたときは、法第58条の11第1項第3号の規定に基づき、遅滞なく、当該特定子ども・子育て支援を提供する施設等の名称及び所在地等を公示しなければならない。

(エ) 聴聞・弁明の機会の付与

監査の結果、当該特定子ども・子育て支援施設等の設置者等に対して、命令又は確認の取消し等の処分(以下「取消処分等」という。)を行おうとする場合は、監査後、取消処分等の予定者に対して、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項各号の規定に基づき聴聞又は弁明の機会の付与を行わなければならない(同条第2項各号のいずれかに該当する場合を除く。)

(2) 他の市区町村との情報共有

 区は、区が確認権限のない当該特定子ども・子育て支援施設等の利用者に対する施設等利用費を支給している場合で、この要綱の第6条に規定する情報を取得し、違反疑義等の確認について特に必要があると考えられるときは、確認権限のある市区町村に当該特定子ども・子育て支援施設等の監査の実施を要請することができる。

 区が上記アの要請を受けて、特定子ども・子育て支援施設等の監査を実施する場合は、監査結果や改善報告書等について、要請を行った市区町村のほか、当該特定子ども・子育て支援施設等の利用者への施設等利用費を支給している市区町村にも情報提供を行う。

この要綱は、令和4年4月1日から施行する。

【別紙 評価区分】

評価区分

指導形態

C

文書指摘

福祉関係法令及び福祉関係通達等に違反する場合(軽微な違反の場合は除く。)は、原則として「文書指摘」とする。ただし、改善中の場合、特別な事情により改善が遅延している場合等は、「口頭指導」とすることができる。

B

口頭指導

福祉関係法令及び福祉関係通達等以外の関係法令又はその他の通達等に違反する場合は、原則として「口頭指導」とする。ただし、管理運営上支障が大きいと認められる場合又は正当な理由なく改善を怠っている場合は、「文書指摘」とする。なお、福祉関係法令及び福祉関係通達等に違反する場合であっても、軽微な違反に限り、「口頭指導」とすることができる。

A

助言指導

法令及び通達等のいずれにも適合する場合は、水準向上のための「助言指導」を行う。

荒川区特定子ども・子育て支援施設等指導監査実施要綱

令和4年4月1日 種別なし

(令和4年4月1日施行)