○荒川区擁壁等対策工事助成金交付要綱
平成31年4月1日
制定
(30荒防都第2125号)
(副区長決定)
(目的)
第1条 この要綱は、大雨、地震等の自然災害に備えて、荒川区の区域内(以下「区内」という。)の土砂災害特別警戒区域内等に存するがけ又は擁壁(以下「擁壁等」という。)の安全性確保のために対策工事を行う所有者等に対し、当該工事に要する経費の一部を助成することにより、宅地及び建築物の安全性の向上を図り、災害に強いまちづくりを推進することを目的とする。
(1) 土砂災害特別警戒区域 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項に規定する区域をいう。
(2) がけ 地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地をいう。
(3) 擁壁 がけの崩壊を防ぐための工作物をいう。
(4) 対策工事 築造工事、築造替え工事及び改修工事をいう。
(5) 築造工事 がけ崩れを未然に防ぐために行う既存のがけに対する擁壁の築造工事をいう。
(6) 築造替え工事 既存の擁壁の築造替え工事をいう。
(7) 改修工事 既存の擁壁の改修工事をいう。
(8) 耐震診断 既存の擁壁の健全性に関するマニュアル並びに被災宅地の危険度及び被災度の判定区分に関する調査シート及び判定方法に基づく既存の擁壁等の状況についての調査並びに判定をいう。
(9) 対象地 区内の土砂災害特別警戒区域及び当該土砂災害特別警戒区域に存する擁壁等の上部の区域をいう。
(助成の対象)
第3条 助成の対象は、次に掲げる要件の全てを満たす擁壁等への対策工事とする。
(1) 対象地にある擁壁等で耐震診断により倒壊のおそれがあると判断されたものであること。
(2) 当該擁壁等の下端からの水平距離がその高さの2倍以内又は当該擁壁等の上端からの水平距離が10メートル以内に建築物があること。
(3) 築造工事又は築造替え工事を行う場合には、建築基準法(昭和25年法律第201号)、宅地造成等規制法(昭和36年法律第191号)、都市計画法(昭和43年法律第100号)、東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号)が定める基準に適合するものであること。
(4) 改修工事を行う場合には、当該工事を実施することにより安全性が向上すると認められるものであること。
(5) この要綱による助成を受けていないものであること。
(助成の対象者)
第4条 助成の対象者は、次に掲げる者とする。
(1) 対象地に存する擁壁等の所有者
(2) 対象地の借地権者(擁壁等の対策工事につき対象地に存する擁壁等の所有者の承諾を得ている者に限る。)
(3) 対象地に存する擁壁等が共有に属する場合は、その代表者(共有者全員の同意により選任された者に限る。)
(4) 対象地に存する擁壁等が建物の区分所有者等に関する法律(昭和37年法律第69号)第1条に規定する建物(以下「区分所有建物」という。)の敷地に存する場合は、当該区分所有建物の管理組合の代表者又は持分の合計が過半となる共有者の承諾を得た者
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる者は助成の対象者としない。
(1) 地方公共団体
(2) 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第7条第1項に規定する鉄道事業者
(3) 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定する宅地建物取引業者又は不動産賃貸業を営む者
(4) 建設業法(昭和24年法律第100号)第2条第3項に規定する建設業者
(5) 住民税を滞納している者
(6) その他区長が助成の対象者として不適当と認める者
(事前協議)
第6条 助成金の交付を受けようとする者は、助成対象工事の契約締結及び助成金の内定申請前に、区と当該工事の内容等について協議を行わなければならない。
(1) 登記事項証明書
(2) 確認済証
(3) 設計図、見積書、工程表及び現況写真
(4) 耐震診断結果
(5) 納税証明書
(6) その他区長が必要と認める書類
3 区長は、前項の内定の決定に際しては、別紙1の条件を付すものとする。
3 内定者が助成対象工事を取りやめる場合又は助成を辞退する場合は、荒川区擁壁等対策工事助成金内定取下げ届(別記第5号様式)を提出しなければならない。
(工事の実施等)
第9条 内定者は、内定可否決定通知の交付を受けたときは、速やかに助成対象工事に係る契約を締結するとともに、当該工事に着手する前に、荒川区擁壁等対策工事助成金着手届(別記第6号様式)に次に掲げる書類を添えて区長に提出しなければならない。
(1) 工事請負契約書
(2) 工事工程表
(3) その他区長が必要と認める書類
2 区長は、必要があると認めたときは、助成対象工事の施工状況に関し内定者へ報告を求めることができる。また、報告の内容が内定決定の内容と相違していると認めたときは、内定者へ変更の手続を行うよう求めるものとする。
3 内定者は、助成対象工事が完了したときは、速やかに荒川区擁壁等対策工事助成金完了届(別記第7号様式)に次に掲げる書類を添えて区長に提出しなければならない。
(1) 工事写真
(2) 検査済証等
(3) 工事費の領収書
(4) その他区長が必要と認める書類
4 区長は、完了届を受理したときは、遅滞なく現場検査を実施するものとする。
(助成金の交付申請)
第10条 内定者は、助成対象工事が完了し、区の現場検査を受けたときは、荒川区擁壁等対策工事助成金交付申請書(別記第8号様式)を区長に提出するものとする。
3 区長は、前項の交付の決定に際しては、別紙2の条件を付すものとする。
(助成金の請求)
第11条 助成金の交付決定を受けた者(以下「交付決定者」という。)は、速やかに荒川区擁壁等対策工事助成金請求書(別記第10号様式)を区長に提出するものとする。
2 区長は、荒川区擁壁等対策工事助成金請求書が提出されたときは、速やかに助成金を交付するものとする。
(決定の取消し)
第12条 区長は、交付決定者が次の各号のいずれかに該当したときは、当該助成金の交付を取り消すことができる。
(1) 虚偽その他の不正な手段により助成金の交付決定を受けたとき。
(2) 工事上の重大な瑕疵が判明したとき。
(3) その他この要綱の規定に違反したとき。
2 区長は、助成金の交付決定を取り消すときは、荒川区擁壁等対策工事助成金交付決定取消通知書(別記第11号様式)により交付決定を受けた者に通知するものとする。
(助成金の返還)
第13条 区長は、助成金の交付決定を取り消した場合で、すでに助成金が交付されているときは、期限を定めてその返還を命ずるものとする。
(維持管理)
第14条 この要綱に基づき助成金の交付を受けた者は、助成対象工事完了後の擁壁等の維持管理を適正に行うものとする。
(委任)
第15条 この要綱に定めのない事項は、荒川区補助金等交付規則(昭和62年荒川区規則第27号)によるほか、防災都市づくり部長が別に定める。
別紙1(第7条関係)
助成内定条件
この助成金は、次に掲げる事項を条件として交付するものとする。
第1 届出事項
内定者は、次の各号のいずれかに該当したときは、区長に必要事項を届け出なければならない。
(1) 助成対象工事(以下「工事」という。)に着手するとき。
(2) 工事を取りやめるとき又は助成を辞退するとき。
第2 変更申請
内定者は、次の各号のいずれかに該当したときは、区長に変更の申請しなければならない。
(1) 工事に要する経費の配分を変更しようとするとき。
(2) 工事の内容を変更しようとするとき。
第3 事故報告等
内定者は、工事が予定の期間内に完了しない場合、又は工事の遂行が困難となった場合は、速やかにその理由及び遂行の見通し等を書面により区長に報告し、その指示を受けなければならない。
第4 状況報告
区長は、事業の円滑で適正な執行を図るため必要があるときは、内定者に対して工事の状況に関し報告を求めることができる。
第5 完了届
1 内定者は、工事が完了したときは、区長に完了届を提出しなければならない。
2 区長は、前項の規定による完了届を受けた場合において必要があるときは、内定者に報告及び資料の提出を求めることができる。
第6 内定の取消し
区長は、内定者が次の各号のいずれかに該当したときは、内定に係る決定の全部又は一部を取り消すことができる。
(1) 偽りその他不正の手段により内定を受けたとき。
(2) 内定に係る決定の内容又はこれに付した条件その他法令若しくはこの決定に基づく命令に違反したとき。
(3) 実施した工事の内容が、荒川区擁壁等対策工事助成金交付要綱の趣旨に適合しないと区長が認めたとき。
別紙2(第10条関係)
助成条件
この助成金は、次に掲げる事項を条件として交付するものとする。
第1 決定の取消し
区長は、交付決定者が次の各号のいずれかに該当したときは、助成金の交付の決定の全部又は一部を取り消すことがある。
(1) 偽りその他不正の手段により助成金の交付を受けたとき。
(2) 助成金を他の用途に使用したとき。
(3) 助成金の交付の決定の内容又はこれに付した条件その他法令若しくはこの交付決定に基づく命令に違反したとき。
第2 助成金の返還
1 区長は、第1の規定により助成金の交付の決定を取り消した場合において、工事の当該取消しに係る部分に関し、既に助成金が交付されているときは、期限を定めてその返還を求めるものとする。
2 区長は、助成対象者に交付すべき助成金の額を確定した場合において、既にその額を超える助成金が交付されているときは、期限を定めてその返還を求めるものとする。
第3 違約加算金及び延滞金
1 第1の規定により助成金の交付の決定の全部又は一部が取り消され、第2の規定によりその返還を命じられたときは、交付決定者は、その命令に係る助成金の受領の日から納付の日までの日数に応じ、当該助成金の額(その一部を納付した場合におけるその後の期間については、既納付額を控除した額)につき、年10.95パーセントの割合で計算した違約加算金(100円未満の場合を除く。)を納付しなければならない。
2 第2の規定により助成金の返還を命ぜられた場合において、これを納期日までに納付しなかったときは、交付決定者は、納期日の翌日から納付の日までの日数に応じ、その未納額につき年10.95パーセントの割合で計算した延滞金(100円未満の場合を除く。)を納付しなければならない。
第4 違約加算金の計算
1 助成金が2回以上に分けて交付されている場合における第3の1の規定の適用については、返還を命じられた額に相当する助成金は、最後の受領日に受領したものとし、当該返還を命じられた額がその日に受領した金額を超えるときは、当該返還を命じられた額に達するまで順次さかのぼり、それぞれの受領の日において受領したものとする。
2 第3の1の規定により違約加算金の納付を命じられた場合において、納付した金額が返還を命じられた助成金の額に達するまでは、その納付金額は、まず当該返還を命じられた助成金の額に充てるものとする。
第5 延滞金の計算
第3の2の規定により延滞金の納付を命じられた場合において、返還を命じられた助成金の未納付額の一部を納付したときは、当該納付の翌日以後の期間に係る延滞金の計算の基礎となるべき未納付額は、その納付金額を控除した額によるものとする。
第6 関係書類の作成保管
交付決定者は、工事に係る収入および支出を明らかにした帳簿を備え、当該収入及び支出についての証拠書類を整理し、当該帳簿及び証拠書類を工事完了後5年間保管しておかなくてはならない。