○荒川区児童福祉施設等指導検査実施要綱

令和2年7月1日

制定

(2荒子子第916号)

(副区長決定)

(趣旨)

第1条 この要綱は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)の規定に基づき実施する一時預かり事業、家庭的保育事業等、病児保育事業、保育所(保育所型認定こども園含む)、母子生活支援施設に対する認可基準等に基づく指導検査について、必要な事項を定める。

(指導検査の目的)

第2条 指導検査は、児童福祉法等をはじめ労働基準法(昭和22年法律第49号)、消防法(昭和23年法律第186号)などの法令及び通知に照らし、設備及び運営に関する基準等の適合状況及び区が別に定める指導検査に関する基準、方針等(以下「区の基準」という。)に対する実施状況等について個別的に明らかにし、必要な助言及び指導又は改善を勧告することにより、適正な施設等の運営とサービスの質の確保並びに利用者支援の向上を図り、もって区における児童福祉のより一層の増進に寄与することを目的とする。

(指導検査の基本方針)

第3条 児童福祉法等の関係法令及び区の基準等を基本に、指導検査に関する国の通知、これまでの指導検査実績等を勘案し、厳正に重点的かつ効果的に実施する。

2 指導検査が画一的かつ形式的検査に陥ることがないよう、問題の発生原因及び是正策を明らかにし、施設等の問題解決を図るとともに、自律的な運営を促すため、具体的な助言及び指導を行う。

3 法令若しくは区の基準に違反し、又はその運営が著しく適正を欠いているために、事業の運営等に重大な支障を及ぼしているおそれがあると認められ、是正の措置が速やかに講じられないときは、関係法令に定めるところにより行政処分を行うための手続を進める。

4 指導検査の実施及び指導検査結果の処理に当たっては、関係所管課及び認証保育所については東京都との情報交換を密にすること等十分な連携を図る。

(指導検査類型)

第4条 指導検査は、一般指導検査、特別指導検査に分けて実施する。

2 一般指導検査は、検査事項全体について、施設等の所在地において行う検査をいう。ただし、必要に応じ、あらかじめ検査事項を限定して定め、短時間で実施することができる。

3 一般指導検査において改善すべき事項が認められ、当該検査後に施設等から改善報告書等が提出された場合においては、書面によるほか、必要に応じ、現地で確認する検査を行うものとする。

4 特別指導検査は、次の各号のいずれかに該当するときに、特定の検査事項を定め重点的に行い、又は改善が図られるまで継続的に行う検査であって、実地において行うものをいう。

(1) 施設、事業者等が、関係法令若しくは事業者等の定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くために、経営等に重大な支障を及ぼしているおそれがあると疑うに足りる理由があるとき。

(2) 一般指導検査による改善の措置が認められないとき。

(3) 正当な理由がなく、一般指導検査を拒否したとき。

(指導検査実施方針)

第5条 区は、児童福祉行政の動向を踏まえ、指導検査を重点的かつ効果的に行うため、指導検査の重点項目を掲げる施設等に関する荒川区児童福祉施設等指導検査実施方針(以下「実施方針」という。)を、毎年度指導検査を開始する前までに定めるものとする。

(検査計画等)

第6条 区は、実施時期、班編成等を含む検査計画を、毎年度指導検査を開始する前までに別に策定するものとする。

2 施設等の運営等に問題が発生し、又は通報、施設調査書の確認の結果等により、問題が発生するおそれがあると認められる場合は、検査計画にかかわらず適宜指導検査を実施することができる。

(必要書類等の提出)

第7条 区は、事業者等の代表又は施設等の長(以下「代表者等」という。)に対し、第5条で定める実施方針等を踏まえ毎年度指定期限までに、検査に必要な書類等の提出を求める。

(指導検査基準)

第8条 区は、指導検査項目、関係法令及び評価事項等を集約した指導検査基準(以下「検査基準」という。」を別に定める。この場合の検査基準における評価区分は、別紙「評価区分」に沿って定める。

(一般指導検査の実施)

第9条 一般指導検査の実施通知は、原則として代表者等に対して、あらかじめ検査対象に到達するよう送付する。

2 前項の規定にかかわらず、一般指導検査の実施通知は、施設等の運営に問題が発生した場合又は通報等で問題があると認められる場合には、一般指導検査の開始時に文書を提示するなどの方法により行うことができる。

3 一般指導検査の検査体制は、原則として係長級以上の職にある者を含む職員(以下「検査員」という。)2名以上で検査班を編成し、当該検査員の中から班長を定める。

4 検査員は、検査基準に基づき、第7条の規定により提出された書類等を参考に、分担して検査を実施する。なお、検査員は相互に緊密な連携を保つものとし、班長が相互の関係を調整する。

5 検査員は、一般指導検査終了後、検査員相互で調整を行った上で、代表者等に対して、実地指導検査指導事項票を用いて、当該検査結果を講評し、改善の必要な事項と解決方法を口頭で指示する。なお、班長が全般にわたる事項及び担当検査事項について、他の検査員は自己の担当した個別事項について、講評を行う。ただし、法令解釈等で疑義が生じた場合などの状況によっては、現地での講評は行わず関係者を招致して行うことができる。

6 一般指導検査では、その効果を高めるために、必要に応じ、関係機関職員又は事業者等、施設等に関係する者に対し、当該検査への立会いを求め、又は必要事項の調査及び照会を行うことができる。

(一般指導検査後の取扱い)

第10条 区は、一般指導検査終了後、直ちにその結果について綿密に検討し、問題点のある場合はそれを明確にした上で、検査結果を、代表者等に対して文書により通知する。この場合において、検査基準の「評価区分」に照らして文書指摘事項が認められるときは、問題点及び改善方法等を具体的に通知する。

2 一般指導検査をより効果的なものにするため、前項の結果通知は、当該検査終了後速やかに行う。

3 区は、一般指導検査結果の文書指摘事項について、代表者等に対し、原則として30日以内に改善報告書の提出を求め、その改善内容を確認する。

4 区は、関係行政機関に対して、必要に応じ、一般指導検査結果を通知し、又はこれと協議を行う等、密接な連携を行う。

5 度重なる一般指導検査によっても改善の措置が認められないときは、特別指導検査の実施対象とする。

(特別指導検査の実施)

第11条 特別指導検査の実施通知は、一般指導検査に準じて事前に文書により行う。ただし、特別指導検査の目的及び効果を勘案し、当該検査の開始時に文書を提示するなどの方法により行うことができる。

2 特別指導検査の検査体制は、原則として課長級以上の職にある者を長とする職員3名以上で検査班を編成することとし、課長級以上の職にある者を除く職員のうち1名以上は係長級以上の職にあるものとする。

3 特別指導検査は、当該検査の目的及び効果をその都度勘案し、問題の重要性、緊急性等の状況に応じ、重点的又は改善が図られるまで継続的に実施する。

4 特別指導検査に従事する職員(以下「特別検査員」という。)は、特別指導検査終了後、特別検査員相互で調整を行った上で、代表者等に対して検査結果を講評し、改善の必要な事項と解決方法を口頭で指示する。ただし、状況により現地での講評は行わず関係者を招致して行うことができる。

5 特別指導検査では、その検査の効果を高めるために、必要に応じ、関係機関職員又は事業者等若しくは施設等に関係する者に対し、当該検査への立会いを求め、又は必要事項の調査及び照会を行うことができる。

(特別指導検査後の取扱い)

第12条 区長は、特別指導検査結果について、代表者等に対し、理由を付して文書により通知する。

2 区長は、特別指導検査結果の文書指摘事項については、代表者等に対し、原則として30日以内に改善報告書の提出を求め、その改善内容を精査するとともに、必要に応じ、指導を継続的に実施する。

3 区長は、改善報告書が期限内に提出されないとき、又は前項の改善内容を精査した結果、改善の意思がなく、若しくは改善を怠っていると認められるときは、法令の定めるところにより必要な改善を勧告することができる。

4 区長は、前項の勧告を行った後においても改善が図られないとき、又は改善の見込みがなく、かつ、児童福祉に有害であると認められるときは、行政処分を行うための手続を進める。

5 区長は、利用者支援に重大な影響が及んでいるなど緊急を要すると認められるときは、第2項及び第3項の規定にかかわらず、直ちに法令に基づく処分の手続きを進める。

(指導検査結果の周知)

第13条 検査の結果は、適宜集約するとともに、行政運営に資するため、関係機関に提供する。

2 検査の結果のうち文書指摘事項及び改善状況については、今後の事業者指導等に支障があると認めた場合を除き、ホームページへ掲載し、区民へ広く情報提供する。

(指導方針の継続、統一の確保)

第14条 指導検査の実施に当たり生じた疑義及び関係法令等の解釈については、関係部課等と調整又は協議により指導方針の統一と継続を図り、その内容を文書により整理する。

(国及び東京都との連携)

第15条 国及び東京都が所轄庁である社会福祉法人が運営する施設等に対する指導検査の実施に当たっては、国及び東京都指導検査所管課と必要な連携を行う。

2 施設等の指導検査に係る情報については、区と国及び東京都が相互に、必要な情報の交換を行う。

(指導検査情報の公開)

第16条 指導検査に関する情報は、個人情報など法令等により非開示とされる場合を除き、公開に努める。

(国への報告)

第17条 区長は、必要に応じ、指導検査結果を国へ報告する。

(要綱の適用除外)

第18条 他の要綱に定めのある指導検査については、この要綱の適用を除外する。

(様式)

第19条 この要綱の施行について必要な様式は、子ども家庭部長が別に定める。

(委任)

第20条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、子ども家庭部長が別に定める。

この要綱は、令和2年7月1日から施行する。

【別紙 評価区分】

評価区分

指導形態

C

文書指摘

福祉関係法令及び福祉関係通達等に違反する場合(軽微な違反の場合は除く。)は、原則として「文書指摘」とする。ただし、改善中の場合、特別な事情により改善が遅延している場合等は、「口頭指導」とすることができる。

B

口頭指導

福祉関係法令以外の関係法令又はその他の通達等に違反する場合は、原則として「口頭指導」とする。ただし、管理運営上支障が大きいと認められる場合又は正当な理由なく改善を怠っている場合は、「文書指摘」とする。なお、福祉関係法令及び福祉関係通達等に違反する場合であっても、軽微な違反に限り、「口頭指導」とすることができる。

A

助言指導

法令及び通達等のいずれにも適合する場合は、水準向上のための「助言指導」を行う。

荒川区児童福祉施設等指導検査実施要綱

令和2年7月1日 種別なし

(令和2年7月1日施行)