○荒川区障害福祉サービス事業者等指導及び監査実施要綱

令和2年6月30日

制定

(2荒福福第784号)

(副区長決定)

(趣旨)

第1条 この要綱は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「総合支援法」という。)第29条第1項に規定する指定障害福祉サービス事業者(以下「指定障害福祉サービス事業者」という。)、同項に規定する指定障害者支援施設(以下「指定障害者支援施設」という。)の設置者、総合支援法第51条の14第1項に規定する指定一般相談支援事業者(以下「指定一般相談支援事業者」という。)及び総合支援法第51条の17第1項第1号に規定する指定特定相談支援事業者並びに児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「児福法」という。)第21条の5の3第1項に規定する指定障害児通所支援事業者、児福法第24条の2第1項に規定する指定障害児入所施設の設置者及び児福法第24条の26第1項第1号に規定する指定障害児相談支援事業者その他区長が必要と認める障害者福祉に係る事業又は施設を経営する者(以下「障害福祉サービス事業者等」という。)に対して、総合支援法第10条第1項、第48条第1項及び第3項並びに第51条の27第1項及び第2項並びに児福法第21条の5の22第1項、第24条の15第1項、第24条の34第1項及び第57条の3の2第1項その他の法令の規定に基づき荒川区(以下「区」という。)が行う質問、検査等による指導及び監査の実施に関し、必要となる事項を定めるものとする。

(指導及び監査の目的)

第2条 指導及び監査は、総合支援法、児福法、東京都又は区の条例又は規則その他の法令で定める基準及び総合支援法の規定による自立支援給付又は児福法の規定による障害児通所給付費、障害児入所給付費若しくは障害児相談支援給付費の支給(以下「自立支援給付等」という。)に係る基準(以下「基準等」という。)に対する適合状況について、個別に明らかにし、必要に応じて助言、指導又は是正の措置を講ずることにより、障害福祉サービス事業者等のサービス内容の質の確保及び自立支援給付等に係る費用等の支給の適正化を図り、区における障害者及び障害児の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(指導の方針等)

第3条 指導は、障害福祉サービス事業者等に対し、基準等に定めるサービスの内容及び自立支援給付等に係る費用等の請求等に関する事項について、周知徹底するとともに、改善の必要があると認められる事項については、適切な助言及び指導を行うことを目的として実施する。

2 区長は、指導を効率的及び効果的に実施するため、指導の重点事項、目標、項目等を定める実施方針及び次条に規定する実地指導に係る基準(以下「検査基準」という。)を別に定めるものとする。

3 区長は、前項に規定する実施方針に基づき、指導の実施の時期その他必要な事項を定める指導の実施計画(以下「実施計画」という。)を毎年度作成するものとする。

(指導の形態)

第4条 指導の形態は、集団指導(第6条第1項の規定により行う指導をいう。以下同じ。)又は実地指導(第7条第1項の規定により行う指導をいう。以下同じ。)とする。

(指導の対象の決定)

第5条 区長は、重点的かつ効率的な指導を行う観点から、別表第1に掲げる指導の形態の区分に応じ、同表に定める選定基準に基づいて対象となる障害福祉サービス事業者等を決定するものとする。

(集団指導の方法)

第6条 区長は、前条の規定により集団指導の対象となる障害福祉サービス事業者等を決定したときは、当該障害福祉サービス事業者等を一定の場所に集め、自立支援給付等に係る費用等の支給に関する事務、請求の内容、制度の改正の内容、過去の指導における事例等についての講習等を行うものとする。

2 区長は、前項の規定による講習等を行おうとするときは、あらかじめ集団指導の実施の日時、場所、出席者、指導の内容等を、同項に規定する障害福祉サービス事業者等に通知するものとする。

(実地指導の方法)

第7条 区長は、第5条の規定により実地指導の対象となる障害福祉サービス事業者等を決定したときは、職員2人以上の班を設け、当該障害福祉サービス事業者等の事業所等において、検査基準に基づき、関係書類等を閲覧し、及び関係者と面談するものとする。この場合において、区長は、業務管理体制の整備及び運用の状況の確認等に当たっては、障害福祉サービス事業者に係る業務管理体制の監督について(平成24年3月30日障発0330第32号。第12条第1項において「国監督通知」という。)を踏まえ、書面により、又は実地において検査するものとする。

2 区長は、前項の規定により関係書類等を閲覧し、及び関係者と面談しようとするときは、同項に規定する障害福祉サービス事業者等による実地指導の準備に必要と認められる期間を考慮して区長が相当と認める時期までに、当該障害福祉サービス事業者等に対し、次に掲げる事項を文書により通知するものとする。ただし、あらかじめ通知すると当該障害福祉サービス事業者等の通常のサービスの提供の状況を確認することができないと認められるときその他区長がやむを得ない事情があると認めるときは、実地指導を開始するときに当該事項を文書により通知するものとする。

(1) 実地指導の根拠

(2) 実地指導の日時及び場所

(3) 実地指導の担当者

(4) 実地指導に立ち会うべき者

(5) 実地指導の実施に当たって準備すべき関係書類等

3 区長は、第1項の規定により関係書類等を閲覧し、及び関係者と面談した結果、改善を要すると認められた事項(以下「改善事項」という。)があるときは、当該改善事項について、後日、同項に規定する障害福祉サービス事業者等に対して文書により指導の内容を通知するものとする。ただし、当該改善事項が軽微なものであるときは、同項の規定による面談をしたとき等において、口頭により行うことができる。

4 区長は、前項の規定による通知をしたときは、その通知をした障害福祉サービス事業者等に対して、その通知をした日の翌日から起算して30日を経過する日(その日が荒川区の休日を定める条例(平成元年荒川区条例第1号)第1条第1項に定める日(以下「休日」という。)であるときは、その日以後のその日に最も近い休日でない日)までに、別に定める改善報告書の提出を求めるものとする。

(指導に必要となる書類等の提出)

第8条 区長は、集団指導又は実地指導の実施に当たって必要があると認めるときは、障害福祉サービス事業者等から当該集団指導又は実地指導に必要となる書類等の提出を求めることができる。

(実地指導の後の措置等)

第9条 区長は、第7条第4項の規定による改善報告書の提出を受けた場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号に定める措置等を講ずるものとする。

(1) 改善事項についての障害福祉サービス事業者等の改善が不十分であるとき 当該障害福祉サービス事業者等に対して必要に応じて再度実地指導等を行うこと。

(2) 障害福祉サービス事業者等について別表第2のいずれかに該当すると認めたとき 速やかに当該障害福祉サービス事業者等を第11条の規定により監査の対象となる障害福祉サービス事業者等として決定すること。

(3) 障害福祉サービス事業者等のサービスの内容又は自立支援給付等に係る費用等の請求等に関し不当な事実を確認したとき 当該障害福祉サービス事業者等に対し、自立支援給付等に係る費用等の返還等を求めること。

(4) 利用者の保護等の観点から、第7条第3項に規定する指導の内容及び同条第4項に規定する改善報告書の内容(以下この号において「指導の内容等」という。)について公表することが必要であると認めたとき 区のホームページに指導の内容等を掲載し、公表すること。

(監査の方針)

第10条 監査は、障害福祉サービス事業者等が別表第2のいずれかに該当するときに、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置をとることを目的として行うものとする。

(監査の対象の決定)

第11条 区長は、障害福祉サービス事業者等が別表第2のいずれかに該当するときは、当該障害福祉サービス事業者等を監査の対象となる障害福祉サービス事業者等として決定するものとする。

(監査の方法)

第12条 区長は、原則として、監査を行う前に、前条の規定により決定した監査の対象となる障害福祉サービス事業者等について、自立支援給付等に係る費用等の請求等に関する書面による調査を行うとともに、必要と認められるときは、当該障害福祉サービス事業者等のサービスを受けた障害者及び障害児の保護者に対する聞取りによる調査を行うものとする。この場合において、区長は、業務管理体制の整備及び運用の状況の確認等に当たっては、国監督通知を踏まえ、書面により、又は実地において検査するものとする。

2 区長は、前項の規定による調査を行った場合において、別表第2に定める選定基準に係る事実を確認するために必要があると認めるときは、第7条第1項の規定により関係書類等を閲覧し、及び関係者と面談した職員を含む職員2人以上の班(区長が特に認めるときにあっては、課長級以上の職にある者を長とした職員3人以上の班)を設け、前項に規定する障害福祉サービス事業者等に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、出頭を求め、又は関係者に対して質問し、若しくは当該障害福祉サービス事業者等の事業所等に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件の検査を行い、監査を実施するものとする。

3 区長は、前項の規定による監査を実施しようとするときは、第1項に規定する障害福祉サービス事業者等に対し、あらかじめ次に掲げる事項を文書により通知するものとする。ただし、緊急に当該監査を実施する必要があると区長が認めるときは、当該監査を開始するときに当該事項を文書により通知するものとする。

(1) 監査の根拠

(2) 監査の日時又は場所

(3) 監査の担当者

(4) 監査に立ち会うべき者

(5) 監査の実施に当たって準備すべき関係書類等

4 区長は、第2項の規定による監査を実施したときは、当該監査に係る調書を作成するものとする。

(監査の後の通知)

第13条 区長は、前条第2項の規定による監査を実施した結果、障害福祉サービス事業者等(指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設の設置者又は指定一般相談支援事業者に限る。)が次に掲げる規定に規定する場合のいずれかに該当すると認めるときは、当該規定による通知をしなければならない。

(1) 総合支援法第49条第6項

(2) 総合支援法第50条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)

(3) 総合支援法第51条の28第6項

(4) 総合支援法第51条の29第3項

(監査の後の措置)

第14条 区長は、第12条第2項の規定による監査を実施した結果、障害福祉サービス事業者等(指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設の設置者又は指定一般相談支援事業者を除く。)が次に掲げる規定に規定する場合に該当する場合において、必要があると認めるときは、当該規定による勧告をするものとする。

(1) 総合支援法第51条の28第2項

(2) 児福法第21条の5の23第1項

(3) 児福法第24条の16第1項

(4) 児福法第24条の35第1項

2 区長は、前項に掲げる規定による勧告をした場合において、次に掲げる規定に規定する場合に該当すると認めるときは、当該規定による公表をすることができる。

(1) 総合支援法第51条の28第3項

(2) 児福法第21条の5の23第2項

(3) 児福法第24条の16第2項

(4) 児福法第24条の35第2項

3 区長は、総合支援法第51条の28第4項若しくは児福法第21条の5の23第3項、第24条の16第3項若しくは第24条の35第3項の規定による命令又は総合支援法第51条の29第2項若しくは児福法第21条の5の24第1項、第24条の17第1項若しくは第24条の36の規定による指定の取消し若しくは指定の全部若しくは一部の効力の停止をすることができる場合に該当すると認めるときは、その旨を、当該命令又は取消し若しくは効力の停止に関する事務を所管する部署に対して通知させるものとする。

(監査の後の指導等)

第15条 区長は、第12条第2項の規定による監査を実施した結果、第13条又は前条第1項に規定する場合に該当しないと認める場合において、必要と認めるときは、当該監査の対象となった障害福祉サービス事業者等に対して、実地指導の方法その他の適宜の方法により、必要な指導又は助言を行うものとする。

(監査の後の経済上の措置)

第16条 区長は、第12条第2項の規定による監査を実施した結果、総合支援法第8条第2項又は児福法第57条の2第2項若しくは第5項の規定による不正利得の徴収をすることができる場合に該当すると認めるときは、その旨を、当該不正利得の徴収に関する事務を所管する部署に対して通知させるものとする

(東京都への報告)

第17条 区長は、次の各号に掲げるときは、当該各号に定める事項について、東京都に報告するものとする。ただし、第3号又は第5号に掲げる場合において、当該報告の必要がないと認められるときは、この限りでない。

(1) 実施計画を策定したとき 当該実施計画

(2) 障害福祉サービス事業者等に対して実地指導を行おうとするとき 当該実地指導を行う旨

(3) 障害福祉サービス事業者等に対して実地指導を行ったとき 当該実地指導の結果の概要

(4) 障害福祉サービス事業者等に対して第12条第2項の規定による監査を行おうとするとき 当該監査を行う旨

(5) 障害福祉サービス事業者等に対して第12条第2項の規定による監査を行ったとき 当該監査の結果の概要

(連携)

第18条 区長は、指導及び監査を実施するに当たっては、東京都及び他の関係機関との連携を図り、効果的に実施するよう努めるものとする。

(補則)

第19条 この要綱に定めるもののほか、この要綱の施行に関し必要な事項については、福祉部長が別に定める。

この要綱は、令和2年7月1日から施行する。

別表第1(第5条関係)

指導の選定基準

指導の形態

選定基準

集団指導

実施計画で定める集団指導を行うことが適当と認められる障害福祉サービス事業者等

実地指導

1 通報、苦情の申立て、東京都、国民健康保険団体連合会若しくは他の保険者又は区の他課若しくは関係事業所からの情報提供、自立支援給付等に係る費用等の請求の状況等により、その運営の状況を確認する必要があると認められる障害福祉サービス事業者等

2 過去の実地指導において指摘された事項の改善の状況を確認する必要があると認められる障害福祉サービス事業者等

3 実地指導が未実施であり、又は最後に実地指導がされた日から起算しておおむね3年以上を経過した障害福祉サービス事業者等

4 実地指導を行う日が属する年度の前年度又は前々年度に集団指導を実施した障害福祉サービス事業者等

5 1から4までに掲げるもののほか、実地指導を行うことが適当と認められる障害福祉サービス事業者等

別表第2(第9条―第12条関係)

監査の選定基準

1 サービスの内容に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

2 自立支援給付等に係る費用等の請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

3 1及び2に掲げるもののほか、基準等において、重大な違反があることを疑うに足りる理由があるとき。

4 度重なる実地指導によってもサービス内容又は自立支援給付等に係る費用等の請求に改善が見られないとき。

5 正当な理由がなく、実地指導を拒否したとき。

荒川区障害福祉サービス事業者等指導及び監査実施要綱

令和2年6月30日 種別なし

(令和2年7月1日施行)