○荒川区擁壁専門家派遣事業実施要綱

平成30年5月28日

制定

(30荒防都第174号)

(副区長決定)

(目的)

第1条 この要綱は、大雨、地震等の自然災害に備えて、荒川区の区域内(以下「区内」という。)の土砂災害特別警戒区域内等に存するがけ又は擁壁(以下「擁壁等」という。)を所有する区民等に対して、擁壁等対策に係る助言を行う擁壁専門家を派遣すること(以下「派遣」という。)を通じて、宅地及び建築物の安全性の向上を図り、災害に強いまちづくりを推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 土砂災害特別警戒区域 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項に規定する区域をいう。

(2) 対象地 区内の土砂災害特別警戒区域及び当該土砂災害特別警戒区域に存する擁壁等の上部の区域をいう。

(3) 擁壁等対策 擁壁等を改修又は築造する工事をいう。

(4) 擁壁専門家 技術士法(昭和58年法律第25号)第2条第1項に規定する技術士(同法第4条第1項の規定による第2次試験のうち技術部門を建設部門とするものに合格した者に限る。)又は建築士法(昭和25年法律第202号)第2条第2項に規定する一級建築士の資格並びに擁壁等対策に関する提案を行うための広範な知識及び経験を有する専門家をいう。

(派遣を受けることができる者)

第3条 派遣を受けることができる者は、次に掲げる者とする。

(1) 対象地に存する擁壁等の所有者

(2) 対象地の借地権者(擁壁等対策につき対象地に存する擁壁等の所有者の承諾を得ている者に限る。)

(3) 対象地に存する擁壁等が共有に属する場合は、その代表者(共有者全員の同意により選任された者に限る。)

(4) 対象地に存する擁壁等が建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)第1条に規定する建物(以下「区分所有建物」という。)の敷地に存する場合は、当該区分所有建物の管理組合の代表者又は持分の合計が過半となる共有者の承諾を得た者

2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる者は、派遣を受けることができない。

(1) 地方公共団体

(2) 鉄道事業法(昭和61年法律第92号)第7条第1項に規定する鉄道事業者

(3) 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定する宅地建物取引業者又は不動産賃貸業を営む者

(4) 建設業法(昭和24年法律第100号)第2条第3項に規定する建設業者

(5) その他区長が派遣を不適当と認める者

(委託)

第4条 区長は、この事業の実施に当たり、派遣をすることができる者(同時に複数の派遣をすることができる者に限る。)に派遣について委託するものとする。

(派遣の申込み)

第5条 派遣を受けようとする者(以下「申込者」という。)は、擁壁専門家派遣申込書(別記第1号様式)に次に掲げる書類を添えて区長に提出しなければならない。

(1) 案内図

(2) 対象地の登記事項証明書(3月以内に交付されたものに限る。)

(3) 申込者が対象地の借地権者である場合は、対象地に存する擁壁等の所有者の承諾書

(4) 対象地に存する擁壁等が共有に属する場合にあっては、代表者届

(5) 対象地に存する擁壁等が区分所有建物の敷地に存する場合にあっては、申込者が管理組合の代表者又は持分の合計が過半となる共有者の承諾を得た者であることを証する書類

(6) 既存の擁壁の図面がある場合は、当該図面の写し

(7) その他擁壁等の安全性の検討に有用な書類として区長が必要と認める書類

(派遣の決定)

第6条 区長は、前条の規定による申込みを受けたときは、その内容を審査し、派遣をすることが適当と認めたときは、派遣を決定し、第4条の規定による委託を受けた者(以下「受託者」という。)に対し派遣を依頼するものとする。

2 受託者は、前項の規定による依頼を受けたときは、派遣する擁壁専門家を決定し、区長に届け出なければならない。

3 区長は、前項の規定による届出を受けたときは、擁壁専門家派遣決定通知書(別記第2号様式)により第1項の規定による申込みをした者に派遣を決定した旨、派遣する擁壁専門家等を通知するものとする。

(派遣の決定の取消し)

第7条 区長は、前条第3項の規定による通知を受けた者(以下「派遣対象者」という。)次の各号のいずれかに該当したときは、同条第1項の規定による派遣の決定(以下「派遣の決定」という。)を取り消すことができる。

(1) 偽りその他不正の手段により派遣の決定を受けたとき。

(2) その他区長が派遣を不適当と認めたとき。

2 区長は、前項の規定により派遣の決定を取り消したときは、擁壁専門家派遣決定取消通知書(別記第3号様式)により、派遣対象者に通知するものとする。

(派遣の辞退)

第8条 派遣対象者は、派遣を辞退しようとするときは、擁壁専門家派遣辞退届出書(別記第4号様式)を提出しなければならない。

(業務内容等)

第9条 受託者は、区長が第6条第3項の規定による通知をしたときは、同条第2項の規定により決定した擁壁専門家を派遣し、次に掲げる業務を行わせなければならない。

(1) 擁壁等対策に係る現地調査及び派遣対象者へのヒアリング(以下「現地調査等」という。)

(2) 次に掲げる事項を記載した擁壁等対策に関する提案書の作成及び当該事項についての派遣対象者への説明

 現地調査等の結果の概要

 擁壁等対策の計画の案

 概算工事費

 擁壁等対策を行うに当たっての課題、特記事項等

 その他区長が必要と認める事項

(3) その他区長が必要と認める業務

2 擁壁専門家の派遣の期間は、派遣の決定をした日から90日以内とする。

3 擁壁専門家の第1項に掲げる業務における対象地及び派遣対象者への訪問の回数は、原則として2回とする。

(派遣の結果の報告)

第10条 受託者は、擁壁専門家が前条第1項に掲げる業務を完了したときは、結果報告書(別記第5号様式)に区長が必要と認める書類を添えて、区長に当該擁壁専門家の派遣の結果を報告しなければならない。

(費用の負担)

第11条 区は、派遣に要する費用を予算の範囲内で負担するものとする。ただし、第9条第1項に掲げる業務(次条において「業務」という。)同条第2項に規定する派遣の期間又は同条第3項に規定する訪問の回数(以下この条において「業務等」という。)を超えて業務を行う場合は、区は、業務等を超えて行う部分に要した費用を負担しないものとする。

(遵守事項)

第12条 区長は、受託者に派遣をさせるに当たり、次に掲げる事項を遵守させるものとする。

(1) 擁壁専門家に、対策工事等に関する知識を基に、誠実に業務に当たらせること。

(2) 派遣をするに当たり知り得た秘密を漏らしてはならないこと。

(3) 擁壁専門家に、派遣対象者に対し、自己の利益のみを目的とする発言、勧誘、業務受託、あっせん等を行わせないこと。

(委任)

第13条 この要綱に定めるもののほか、この事業の実施に関し必要な事項は、防災都市づくり部長が別に定める。

1 この要綱は、平成30年6月20日に施行する。

2 第4条の規定による委託のために必要な準備行為は、この要綱の施行の日前においても、行うことができる。

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荒川区擁壁専門家派遣事業実施要綱

平成30年5月28日 種別なし

(令和3年3月31日施行)