○荒川区社会福祉法人指導監査実施要綱

平成25年3月26日

制定

24荒福福第3236号

(副区長決定)

(趣旨)

第1条 この要綱は、区が社会福祉法(昭和26年法律第45号。以下「法」という。)の規定に基づき実施する、区の区域内にある社会福祉法人(その事業が区の区域を越えないものに限る。以下「法人」という。)に対する指導監査について、必要な事項を定めるものとする。

(指導監査の目的)

第2条 法人に対する指導監査は、法第56条第1項の規定に基づき、法人の自主性及び自律性を尊重し、法令、通知等の基準(以下「基準」という。)に対する法人の社会福祉事業の実施状況等について個別的に明らかにし、必要な助言及び指導又は是正の措置を講ずることにより、適正な法人運営及び社会福祉事業の健全な経営の確保を図り、社会福祉のより一層の増進に寄与することを目的とする。

(指導監査の基本方針)

第3条 法、関係法令、基準等を基本に、指導監査に関する国の通知、これまでの指導監査実績等を勘案し、厳正に重点的かつ効果的に実施する。

2 指導監査が画一的、形式的に陥ることのないよう、問題の発生原因及び是正策を明らかにし、法人の問題解決を図り、自律的な運営を促すための具体的な助言及び指導を行う。

3 法、関係法令若しくは定款に違反し、又はその運営が著しく適正を欠いているために、事業の経営等に重大な支障が認められ、是正の措置が速やかに講じられないときは、法に定めるところにより行政処分を行うための手続を進める。

4 法人運営と法人の経営する施設又は法人の行う事業(以下「施設等」という。)の運営は、相互に密接な関係を有するものであることから、法人の指導監査は、施設等の指導監査における指摘事項を把握した上で実施するものとする。

5 指導監査の実施及び指導監査結果の処理に当たっては、東京都(以下「都」という。)及び関係部課との情報交換を密にするなど充分な連携を図る。

(指導監査の類型等)

第4条 指導監査は、一般監査及び特別監査に分けて実施する。

2 一般監査は、法人を対象として、次条に定める周期で、実地において実施する。

3 前項の規定による一般監査の実施に当たっては、当該一般監査を実施する年度の当初に指導監査の方針、指導監査の対象とする法人及び指導監査の実施の時期等を内容とした指導監査の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を策定するものとする。

4 前項の規定により一般監査を実施するときは、社会福祉法人指導監査実施要綱の制定について(平成29年4月27日付け雇児発第0427第7号・社援発第0427第1号・老発0427第1号)別紙の指導監査ガイドライン(以下「指導監査ガイドライン」という。)に基づき行うものとする。

5 特別監査は、運営等に重大な問題を有する法人を対象として、随時、実地において実施する。

6 前項の規定により特別監査を実施するときは、指導監査ガイドラインに基づき行うほか、当該特別監査に係る法人の問題の原因を把握するために必要に応じて詳細な確認を行うものとする。

(一般監査の実施の周期等)

第5条 一般監査の実施の周期は、毎年度法人から提出される報告書類により法人の運営状況を確認し、及び既に当該法人に対して指導監査を実施している場合は前回の指導監査の状況を勘案して、次に掲げる要件を満たすと認められる法人については、3か年に1回とする。ただし、一般監査と施設等に対する監査の実施の周期が異なる場合において、これらの監査を併せて実施することが区及び法人にとって効率的かつ効果的であると認められることその他特別の事情のあるときで区長が認めるときは、3か年を超えない期間に1回とすることができる。

(1) 法人の運営について、法令及び通知等(法人に係るものに限る。)に照らし、特に大きな問題がないこと。

(2) 施設等について、施設等に関する基準、運営費、報酬の請求等に関する大きな問題が特にないこと。

2 前項ただし書の規定により一般監査の実施の周期を3か年を超えない期間に1回とするときは、法人の理解及び協力が得られるよう十分に配慮するものとする。

3 第1項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる要件を満たす法人が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する場合において、毎年度当該法人から提出される報告書類により当該法人の財務の状況の透明性及び適正性並びに整備された経営組織及びその適切な運用が確保されていると区長が認めるときは、一般監査の実施の周期を3か年から当該各号に掲げる期間までの期間に1回とすることができる。

(1) 法第36条第2項又は第37条の規定により会計監査人を置いている法人において、法第45条の19第1項及び社会福祉法施行規則(昭和26年厚生省令第28号)第2条の30第1項の規定により作成される会計監査報告に無限定適正意見又は除外事項を付した限定付適正意見が記載された場合(除外事項を付した限定付適正意見が記載された場合にあっては、除外事項について改善されたことが確認できる場合に限る。) 5か年

(2) 法第36条第2項又は第37条の規定により会計監査人を置いていない法人において、法第45条の19の規定による会計監査人による監査に準ずる監査(法第36条第2項又は第37条の規定により会計監査人を置かずに法人と公認会計士又は監査法人との間で締結する契約に基づき行われる監査であって、当該会計監査人による監査と同一の計算関係書類及び財産目録を監査の対象とするものをいう。以下同じ。)が実施され、当該監査の際に作成された会計監査報告に無限定適正意見又は除外事項を付した限定付適正意見が記載された場合(除外事項を付した限定付適正意見が記載された場合にあっては、除外事項について改善されたことが確認できる場合に限る。) 5か年

(3) 公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人(以下「専門家」という。)による財務会計に関する内部統制又は財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援を受けた法人において、専門家が当該支援を踏まえて作成する書類として別に定めるものが提出された場合 4か年

4 第1項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる要件を満たす法人のうち前項各号に掲げる場合に該当しない法人において、苦情解決への取組が適切に行われ、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する場合において、良質かつ適切な福祉サービスの提供に努めていると区長が認めるときは、一般監査の実施の周期を3か年から4か年までの期間に1回とすることができる。

(1) 福祉サービス第三者評価事業における福祉サービス第三者評価を受審し、その結果について公表を行い、サービスの質の向上に努めていると認められること(法人が経営する一部の施設のみが当該福祉サービス第三者評価を受審している場合にあっては、法人全体の当該福祉サービス第三者評価の受審の状況を勘案し、サービスの質の向上に努めていると認められること。)又はISO9001の認証を取得した施設を有していること。

(2) 地域社会に開かれた事業運営が行われていること(福祉関係養成校等の研修生又は介護相談員の受入れに加え、ボランティアの受入れ、地域との交流等が積極的に行われていること等をいう。)

(3) 地域の様々な福祉需要に対応した先駆的な社会貢献活動に取り組んでいること。

5 第1項第3項及び前項の規定にかかわらず、新たに設立された法人に対する一般監査については、当該法人が設立された年度又は当該年度の次年度において、当該法人の設立後速やかに実施するものとする。

6 第1項及び第3項から前項までの規定にかかわらず、法人が第1項各号に掲げる要件を満たさない場合、法人の運営等に関する問題が発生した場合、毎年度法人から提出される報告書類により当該法人の運営の状況に問題があると認められる場合等の当該法人に対する指導監査については、実施計画の内容にかかわらず、必要に応じて指導監査を実施する等適切に対応するものとする。

(指導監査事項の省略等)

第6条 法第36条第2項又は第37条の規定により会計監査人を置いている法人及び法第45条の19の規定による会計監査人による監査に準ずる監査を実施している法人について、当該会計監査人による監査又は当該監査に準ずる監査の際に作成された会計監査報告に無限定適正意見又は除外事項を付した限定付適正意見が記載されているときは、指導監査ガイドラインⅢの3に関する監査事項について省略することができる。ただし、当該会計監査報告に記載されているのが除外事項を付した限定付適正意見であるときは、除外事項に関して、理事会等で協議の上、改善のための必要な取組を行っているかどうかについて、指導監査において確認するものとする。

2 専門家による財務会計に関する内部統制又は財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援を受けている法人について、当該専門家が当該支援を踏まえて作成する書類として別に定めるものにより会計管理に関する事務処理の適正性が確保されていると区長が認めるときは、指導監査ガイドラインⅢの3に関する監査事項について省略することができる。

3 前2項に規定する法人に対する指導監査の実施に当たっては、指導監査ガイドラインⅠに掲げる項目及び監査事項に関して、第1項の会計監査人若しくは当該会計監査人による監査に準ずる監査を行った者が当該会計監査人による監査若しくは当該監査に準ずる監査を踏まえて作成する書類又は専門家が前項の支援を踏まえて作成する書類として別に定めるものの内容を活用し、効率的な実施を図るものとする。

(指導監査の結果に基づく指導等)

第7条 法人への指導は、指導監査の結果に基づき、次に定めるとおり実施するものとする。

(1) 法令又は通知等の違反が認められる場合は、当該違反が認められる事項について改善のための必要な措置(以下「改善措置」という。)をとるべき旨を文書により指導し、改善措置の具体的な内容について期限を付して法人に報告をさせるものとする。ただし、当該違反の程度が軽微である場合又は当該違反について当該文書によらなくとも改善が見込まれる場合は、口頭によることができる。

(2) 前号本文に規定する場合において、同号本文の規定による報告の内容を勘案し、区長が必要と認めるときは、法人における改善の状況の確認のために実地において調査を行うことができる。

(3) 法令又は通知等の違反が認められない場合は、法人運営に資するものと認められる事項についての助言を行うことができる。

(4) 第1号ただし書の規定による指導及び前号の規定による助言を行う場合は、法人と指導の内容に関する認識を共有できるよう配慮するものとする。

2 前項の規定による指導の実施に当たっては、常に公正不偏かつ懇切丁寧であることを旨とし、単に改善を要する事項の指導に留まることなく、具体的な根拠を示して行うものとするとともに、法人との対話及び議論を通じて、当該指導の内容に関する理解を得るよう努め、自律的な運営を促すものとする。

3 第1項の規定による指導を実施した場合において、当該指導をした事項について改善が図られないときは、法第56条第4項の規定による勧告をし、又は法第58条第2項の規定による措置を講ずる等所要の措置を講ずるものとする。

4 前項の規定による勧告を受けた法人が当該勧告に従わなかったとき等は、法第56条第5項の規定による公表をする等所要の措置を講ずるものとする。

5 第3項の規定による勧告を受け、又は同項の規定による措置を講じられた法人が正当な理由がなく当該勧告又は措置に係る措置をとらなかったとき等は、法第56条第6項又は第58条第3項の規定による命令をする等所要の措置を講ずるものとする。

6 前項の規定による命令を受けた法人が当該命令に従わないとき等は、法第56条第7項の規定による業務の全部若しくは一部の停止の命令若しくは役員の解職の勧告又は同条第8項の規定による解散の命令等について検討した上、改善措置を速やかに講ずるものとする。

(指導監査結果の活用)

第8条 指導監査の結果は、適宜集約し、行政運営に資するため、関係部課に提供する。

(指導方針の継続、統一性の確保)

第9条 指導監査の実施に当たり生じた疑義及び関係法令等の解釈については、関係部課との調整又は協議により、指導方針の統一と継続を図り、その内容を文書により整理する。

(関係部課との連携)

第10条 指導監査の実施に当たっては、関係部課に、必要な情報又は資料の提供、施設等の指導監査結果の提供その他必要な協力を求める等、十分に連携を図るものとする。

(都との連携)

第11条 法人に対する指導監査の実施に当たっては、都が行う、当該法人が区内において運営する施設の指導監査と同日に実施するなど、必要な連携を図る。

2 法人又は当該法人が運営する施設の指導監査に係る情報(指導監査結果等)については、区と都が相互に、必要な情報の交換を行う。

(指導監査情報の公開)

第12条 指導監査に関する情報は、個人情報など法令等により非開示とされる場合を除き、公開に努める。

(国への報告)

第13条 指導監査の結果は、必要に応じ、国に報告する。

(その他)

第14条 この要綱に定めるもののほか、指導監査について必要な事項は、福祉部長が別に定める。

この要綱は、平成25年4月1日から施行する。

(平成29年9月29日一部改正)

この要綱は、平成29年10月1日から施行する。

荒川区社会福祉法人指導監査実施要綱

平成25年3月26日 種別なし

(平成29年10月1日施行)