○東京都母子及び父子福祉資金[荒川区]事務取扱要領
平成12年4月3日
制定
(12荒保護発第25号)
第1章 総則
第1 趣旨
この要領は、東京都が母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和39年法律第129号。以下「法」という。)、母子及び父子並びに寡婦福祉法施行令(昭和39年政令第224号。以下「令」という。)、東京都母子及び父子福祉資金貸付条例(昭和39年条例第166号。以下「条例」という。)及び東京都母子及び父子福祉資金貸付規則(昭和39年規則第320号。以下「規則」という。)に基づき実施する母子及び父子福祉資金貸付業務の円滑かつ適正な運用を図るため定めるものである。
第2 定義
1 この要領において、決定権者とは、区長をいう。
2 この要領における用語の意義は、第1の各法令による。
3 この要領における各様式は、東京都母子及び父子福祉資金事務取扱要領(以下要領)に定める様式による。
第3 経費
1 母子及び父子福祉資金の貸付けに要する経費のうち貸付金については、東京都より年度当初に交付され、その後に資金が不足する場合は随時交付される。
2 母子及び父子福祉資金の貸付けに要する貸付金以外の経費は、特別区事務処理特例交付金により交付される。
第4 報告書等の提出
1 決定権者は、次の各号に掲げる報告書等をそれぞれ当該各号に定めるところにより知事に提出する。
(1) 福祉保健局福祉・衛生行政統計報告331表(東京都母子福祉資金貸付及び資金交付状況)及び331の2表(東京都母子福祉資金償還状況)、332表(東京都父子福祉資金貸付及び資金交付状況)及び332の2表(東京都父子福祉資金償還状況)を「福祉保健局福祉・衛生行政統計報告取扱要領・記入要領及び審査要領」により提出する。
(2) 東京都母子及び父子福祉資金歳入歳出決算報告書(別に定める期日までに提出する。)
(3) 東京都母子及び父子福祉資金不納欠損処分内訳書(要領第18号様式)不納欠損処分をした時又は決算報告書とともに提出する。
2 前記1のほか、知事が必要とする事項について、報告を求められた場合は報告を行う。
第5 個人情報の取扱い
決定権者は、業務を行うに当たって個人情報を取り扱う場合は、荒川区個人情報保護条例(平成8年荒川区条例第28号)等関係法令に基づき適正に行うものとする。
また、個人情報の保管については、施錠できる保管庫等で行い、保有個人情報の漏えい等がないよう適正な管理を行うこと。
第2章 貸付事務
第1 貸付けの相談及び貸付申請
1 管轄
母子及び父子福祉資金の貸付けについての相談は、貸付申請者の居住地を管轄する福祉事務所が取り扱うものである。
2 申請添付書類
決定権者は、貸付けの相談を受けたときは、申請資格の有無、その他関係法規に適合しているかを確かめた後、貸付申請に必要な諸用紙を貸付申請者に交付すること。なお、連帯借受人を必要とする資金の貸付けについては、相談時に、連帯借受人の同席を原則とする。
申請に当たっては、東京都母子及び父子福祉資金貸付申請書(規則第1号様式。以下「貸付申請書」という。)のほか下記の書類を提出させること。
資金種別 | 添付書類 |
各資金共通 | 1 戸籍謄本(発行後3か月以内のもの) 2 世帯の全員に係る住民票記載事項証明書(発行後3か月以内のもの。規則第1号の2様式)又は住民票の写し(発行後3か月以内のもの。)。ただし、その内容が他の方法で確認できる場合は省略することができる。 3 印鑑証明書(発行後3か月以内のもの。連帯借受人又は連帯保証人を立てる場合は、当該連帯借受人又は保証人に係るものを含む。以下保証人に関する提出書類の記載は保証人を立てた貸付の場合に適用する。) 4 申請者及び保証人の収入を明らかにする書類(源泉徴収票・給与明細・通帳の写し、住民税課税証明書等) 5 生活費収支内訳(要領第21号様式) 6 児童又は配偶者のない女子若しくは男子で現に児童を扶養しているものが同時に民法衣第877条の規定により二十歳以上である子その他これに準ずる者(以下「子等」という。)が借受人となる場合は上記1、2、4及び5は母等についても記載されているものであること。(4は母等の収入を証明するもの。5は母等の収支状況を記載すること。) 7 児童が借受人となる場合は3は母等についても必要であること。 |
事業開始資金 | 1 母子及び父子福祉資金事業計画書(要領第1号様式) 2 事業資金見積書(不動産賃貸・売買契約書の写し、工事・物品購入見積書等) 3 申請者本人名義の官公署の許認可書の写し(許認可を必要とする事業の場合) 4 金融機関等が発行する預金の残高証明書 5 戸籍の身分証明書 6 罹災証明書(据置期間の延長を希望する場合) |
事業継続資金 | 1 現事業を明らかにする書類 2 母子及び父子福祉資金事業計画書(要領第1号様式) 3 事業資金見積書(不動産賃貸・売買契約書の写し、工事・物品購入見積書等) 4 申請者本人名義の官公署の許認可書の写し(許認可を必要とする事業の場合) 5 金融機関等が発行する預金の残高証明書 6 戸籍の身分証明書 7 罹災証明書(据置期間の延長を希望する場合) |
技能習得資金 | 1 合格通知書等の入学(入所)予定を明らかにする書類(入学(入所)後は知識技能を習得する施設の長の発行する在籍証明書又は入学(入所)許可書の写し) 2 授業料等の額を明らかにする書類の写し |
修業資金 | 1 合格通知書等の入学(入所)予定を明らかにする書類(入学(入所)後は知識技能を習得する施設の長の発行する在籍証明書又は入学(入所)許可書の写し) 2 授業料等の額を明らかにする書類の写し 3 児童扶養手当等が受けられなくなったことを明らかにする書類の写し(特例加算の場合) |
就職支度資金 | 1 就職決定(見込)書の写し 2 自動車の購入費用の見積書(通勤のために自動車を購入する場合) |
医療介護資金 | 1 医療を受けるのに必要な資金について貸付けを受けようとする場合は、医療を受ける期間及び概算医療費(自己負担分)を記載した医師又は歯科医師の診断書(貸付申請以前において受けた医療について貸付けを受けようとする場合は、医療費の請求書及び当該医療が行われた時期が確認できる書類。) 2 所得税が非課税又はこれと同等程度であることを明らかにする書類(特別貸付の場合) 3 介護保険法(平成9年法律第123号)に規定する保険給付に係るサービス(以下「介護」という。)を受けるのに必要な資金について貸付けを受けようとする場合は、当該介護に係る費用の総額、利用者負担額及び介護を受ける期間を確認できる書類 |
生活資金 | 1 技能習得期間中の貸付けを受けようとする場合は、入学(入所)予定を明らかにする書類(入学(入所)後は知識技能を習得する施設の長の発行する在籍証明書又は入学(入所)許可書の写し) 2 医療を受けている期間中の貸付けを受けようとする場合は、医師又は歯科医師の発行する医療を受ける期間を記載した書類 3 介護を受けている期間の貸付けを受けようと場合は、介護を受ける期間を確認できる書類 4 失業している期間中の貸付けを受けようとする場合は、公共職業安定所長が交付する受給資格者証又は失業者であることが確認できる書類 5 養育費の取得に係る裁判等に要する費用の貸付けを受けようとする場合は、弁護士への委任状、訴訟提起に係る証明書類 |
住宅資金 | 1 住宅の建設、購入、増・改築(補修・保全)計画書(要領第22号様式) 2 住宅の建設、購入、増・改築(補修・保全)見積書(要領第23号様式) 3 当該住宅の所有関係を明らかにする書類(所有者の同意を要する場合は、その同意書等)(建設、購入以外の場合) 4 建築確認済証の写し(十平方メートル以上の増・改築の場合を含む) 5 罹災証明書(据置期間の延長を希望する場合又は災害により特別貸付限度額の貸付けを希望する場合) |
転宅資金 | 1 転居先を明らかにする書類 2 移転費用の見積書 |
結婚資金 | 1 婚姻の予定を証明する書類(婚姻後の世帯全員の住民票記載事項証明書等) 2 必要経費を明らかにする書類(見積書等) |
修学資金 | 1 入学通知書又は合格通知書の写し(在学中の場合は、在学証明書) 2 授業料等の額を明らかにする書類の写し 3 児童扶養手当等が受けられなくなったことを明らかにする書類の写し(特例加算の場合) |
就学支度資金 | 1 入学通知書又は合格通知書(下記第2の1(3)の場合は、入学許可書の写し又は在学証明書) 2 所得税が非課税又はこれと同等程度であることを明らかにする書類(小・中学校入学の場合、ただし生活保護受給世帯は該当しない) 3 入学金等の額を明らかにする書類の写し |
第2 貸付申請書の受理及び審査
1 貸付申請書の受理
(1) 貸付申請書の受理は、貸付申請の相談を受けた決定権者が行うこと。
(2) 貸付申請書の受理にあたっては、なりすまし防止のため、記載されている借受人の個人番号と身元(実在)確認を行うこと。
(3) 就職支度資金及び就学支度資金については、緊急等やむをえない場合に限り、就職及び入学した日から30日までに相談を受けたものについて、受理することができる。
2 貸付申請書の審査
(1) 共通審査事項
決定権者は、貸付申請書を受理したときは、東京都母子及び父子福祉資金貸付申請整理簿(以下申請整理簿)に記入の上、下記の事項を審査すること。
なお、申請整理簿とは、下記の各号の項目を備えていることとする。
①受理番号・年月日
②借受人氏名・住所
③資金種別
④貸付決定番号・年月日・金額
ア 申請資格の有無
(ア) 本制度の資金又は他制度の借入金の償還等を現に滞納している者については原則として新たな貸付けは行わないこと。
ただし、修学資金等連帯借受人を立てる資金の場合は、当該児童又は子等の勤勉意欲、償還意思を面接により充分確認の上、貸付けの対象として差し支えないこと。
また、自己破産、民事再生、特定調停又は任意整理(以下「債務整理」という。)中若しくは、今後債務整理を行う予定の者については、新たな貸付けは行わないこと。
なお、過去に自己破産又は民事再生をしたことのある者については、破産等の要因、生活向上に向けた意欲、今後の生活設計及び償還能力を判断の上、貸付けの適否を決定すること。
(イ) 滞納の要因が災害、盗難、疾病、失業その他の理由により生活の状況が著しく窮迫していると認められ、その生活状況の改善意欲をもつ者で、貸付けにより母子家庭等の自立を図るために真に有効であると認められる場合は、貸付けの対象として差し支えないこと。
(ウ) 母子家庭等の母等が扶養する児童又は子等本人のための資金(修業資金、就職支度資金(児童のみ)、修学資金、就学支度資金)を借受けるにあたって、母等の収入が少なく償還が困難であると見込まれる場合は、第三者の保証人を立てて児童又は子等本人を借受人とすることができる。
ただし、母等に親権がない場合は、児童又は子等本人に対する貸付けは行えないこと。
(エ) 法附則第3条に基づき、父母のない児童に対しても児童本人のための資金(修業資金、就職支度資金、修学資金、就学支度資金)を貸付けることができる。貸付ける場合は、児童本人を借受人とし、法定代理人の同意及び保証人を必要とすること。
(オ) 事業開始資金、事業継続資金、技能習得資金、就職支度資金(母等に係るものに限る。)、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、及び結婚資金は保証人を立てることを原則とする。ただし、第三者の保証人を探す努力をしてもなお困難であり、かつ母等の収入から償還可能であると判断できる場合に限り、保証人を立てずに貸し付けることができる。
イ 保証人の要件の確認
保証人の要件は、規則第7条第1項及び第2項によるものとする。
規則第7条第2項については、下記のいずれかの要件を満たし、最終償還日の年齢が原則として70歳未満であること。
(ア) 都の区域外に居住している三親等内の親族
(イ) 神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県の居住者
ウ 必要書類の添付確認
前記第1の2に定める書類を添付させること。
(2) 資金別審査事項
ア 事業開始資金
(ア) 申請に当たっては、商工会議所、商工指導所等の経営診断の専門家の協力を得るなど特段の配慮が必要であること。
(イ) 貸付対象となる事業規模は、貸付限度額の3倍以内が適当であり、かつ通常の事業にあっては、原則として総事業費の3割以上の自己資金を用意できること。
(ウ) 複数の母子家庭等の母等が共同して起業する場合の貸付けは、それぞれの母等が都内の同一行政区域内に居住していること。
(エ) 次の各号に該当すると認められる場合は、貸付けの対象外とすること。
① 現在の収入で生活が可能でありながら、単に利益追求の目的で事業を開始する場合
② 申請者が事業経営の主体でない場合
③ 申請者が開始しようとする事業に係る技術及び知識、経験を有していない場合
④ 事業計画が粗雑であり、採算性が認められず、貸付けの目的が達成されないおそれがある場合
⑤ 許認可を必要とする事業にあっては、申請者本人名義で当該許認可を取得していない又は取得する見込みがない場合
⑥ 業種、事業内容、営業形態が社会的に見て妥当ではない場合
⑦ 都外において事業を行う場合
イ 事業継続資金
(ア) 申請に当たっては、商工会議所、商工指導所等の経営診断の専門家の協力を得るなど特段の配慮が必要であること。
(イ) 事業継続に伴う必要経費の総額は、貸付限度額の3倍以内であり、かつ通常の事業にあっては、原則として総事業費の3割以上の自己資金を用意できること。
(ウ) 次の各号に該当すると認められる場合は、貸付けの対象外とすること。
① 現在の収入で生活が可能でありながら、単に利益追求の目的で事業を拡張する場合
② 事業開始資金の(エ)の②から⑦までに該当している場合
③ 事業等から生じた借金の返済にあてることが予想される場合
④ 事業開始後おおむね1年以上経過していない場合
ウ 修学資金
(ア) 次の各号に該当する場合は、貸付けの対象外とすること。
① 外国の学校に留学するとき
② 独立行政法人日本学生支援機構(以下「学生支援機構」という。)から学資の貸与を受けている者又は他の貸付制度による修学資金の貸付けを受けている者。ただし、次の場合この限りでない。
(I) 令第7条第3項ただし書又は令第31条の5第3項ただし書に該当する場合、修学資金の特例加算分を限度に貸し付けることができる。
(Ⅱ) 学生支援機構から学資の貸与を受けている者で特に必要と認められる場合は、母子及び父子福祉資金の限度額と学生支援機構貸付月額の差額を限度として、貸し付けることができる。
(イ) 定時制課程、通信制課程等の取扱い
学校教育法(昭和22年法律第26号)第54条に規定する定時制課程及び通信制課程を履修する生徒、並びに同法第86条に規定する夜間及び通信による教育を受ける学生については、当該学生等が就労しているか、又は就労可能であるので、貸付額の決定に当たっては、経費及び自己負担額を精査し、必要最小限の額とすること。
(ウ) 入学通知書又は合格通知書の写しで申請を受けた場合は、1年生の4~5月中に在学証明書を提出させ在学を確認すること。
エ 技能習得資金
(ア) 習得する「知識技能」の内容は、事業を開始又は就職するために必要な「知識技能」であって、当該母子家庭等の経済的自立に結びつくものであること。したがって、趣味等による「知識技能」の習得は、貸付けの対象外とする。
(イ) 技能習得の形態が一般の就労と同様の状態であるときは、貸付けの対象外とする。
(ウ) 技能習得資金の貸付期間は、合算して5年を超えない範囲内であること。
(エ) 入学(入所)予定を明らかにする書類で申請を受けた場合は、貸付け・入学(入所)後に知識技能を修得する施設の長の発行する在籍証明書又は入学(入所)許可書の写しを提出させ在学を確認すること。
オ 修業資金
(ア) 習得する「知識技能」の内容は、母子家庭等の母等が現に扶養している児童又は子等が事業を開始又は就職するために必要な「知識技能」であって、当該母子家庭等の経済的自立に結びつくものであること。したがって、趣味等による「知識技能」の習得は、貸付けの対象外とする。
(イ) 学校教育法第134条第1項に定める各種学校又は学校教育法以外の法律若しくは政令の規定に基づき特別の教育を行う施設で知識技能の習得をする場合は、この貸付けの対象となる。
(ウ) 修業の形態が一般の就労と同様の状態であるときは、貸付けの対象外とする。
(エ) 修業資金の貸付期間は、合算して5年を超えない範囲内であること。
(オ) 入学(入所)予定を明らかにする書類で申請を受けた場合は、貸付け・入学(入所)後に知識技能を修得する施設の長の発行する在籍証明書又は入学(入所)許可書の写しを提出させ在学を確認すること。
カ 就職支度資金
(ア) 通勤用自動車の購入については、就労形態、居住地等における公共交通機関の事情等から見て、自動車による通勤が必要であると認められる場合に限り貸付けることができる。
(イ) 購入する自動車の価格は、貸付限度額のおおむね3倍以内であること。
キ 医療介護資金
(ア) 医療に要する費用の範囲は、健康保険法(大正11年法律第70号)の療養の給付の例によるものとし、貸付けの対象となる疾病、又は負傷について医療を受ける期間がおおむね1年以内と見込まれるものとする。
(イ) 特別分の貸付けは、所得税非課税世帯又は申請時の経済状況がこれと同等程度と認められる者に限ること。
(ウ) 健康保険法等による医療費の自己負担分について、他の制度による補塡が行われる場合は、当該補塡後の自己負担分を貸付対象とすること。
(エ) 介護費の貸付対象となる介護は、当該介護を受ける期間がおおむね1年以内と見込まれるものであること。
(オ) 自己負担分、利用者負担額が減免される場合は、減免後のものについて貸付けを行うこと。
(カ) ただし、償還払いとなる場合で一時的に費用を立て替えることとなる場合はこの限りではないこと。
ク 生活資金
(ア) 技能習得期間中の貸付けを行う場合、貸付金額の決定に当たっては、申請者の償還能力に応じた適正な額としなければならない。
また、貸付期間は、おおむね5年以内とし、技能を習得する期間内であること。
なお、入学(入所)予定を明らかにする書類で申請を受けた場合は、貸付け・入学(入所)後に知識技能を修得する施設の長の発行する在籍証明書又は入学(入所)許可書の写しを提出させ在学を確認すること。
(イ) 医療又は介護を受けている期間中の貸付けを行う場合、貸付金額の決定に当たっては、申請者の償還能力に応じた適正な額としなければならない。
また、その貸付期間は、当該医療又は介護を受ける期間がおおむね1年以内と見込まれるものとし、医師等の診断書等によって示された期間内であること。
(ウ) 医療介護資金と併せた貸付けを行う場合、医療介護資金の貸付申請前の生活資金の貸付けはできない。
(エ) 生活安定貸付期間の生活資金を貸付ける場合、その貸付期間は3か月を限度とし、特別な事情がある場合は、当該期間中の生活状況、指導状況を勘案し、再度貸付けができる。
ただし、次の各号に該当する場合は、貸付け対象外とすること。
① 他の借入金返済のため当該貸付金を申請した場合
② 申請者本人に就労意欲がない場合
③ 生活保護受給者
(オ) 母子家庭等の児童に対する養育費の取得に係る裁判等に要する費用の貸付けは、弁護士等への委任がされ、訴訟提起に関する証明書等適切な書類により、必要額が積算できる場合に行うこと。
(カ) 失業期間中の貸付けの対象者は、就労の意思及び能力を有するにもかかわらず、失業している者であること。
また、貸付期間は離職した日から起算して1年以内であること。ただし、貸付期間中に失業者でなくなった場合は貸付対象外となること。
ケ 住宅資金
(ア) この資金は、他の資金と異なり、償還の財源となるべき新たな収入を期待し得るものではないので、貸付けの決定に当たっては、円滑な償還が可能な範囲内の金額(月賦の場合、毎月の返済額は世帯月収入のおおむね2割以内)を決定しなければならない。
(イ) 災害等により住宅が全壊した場合等であって特に必要と認められる場合又は老朽等による増改築を行う場合であって特に必要と認められる場合は、特別貸付限度額を適用することができる。
(ウ) 新たに住宅を建設し、又は購入する場合はその住宅が、母子家庭等の母等が自ら居住するため、自ら所有する住宅であり、建築基準法等関係法令に合致する適法な住宅であり、かつ、良好な居住水準を有するものであること。
(エ) 次の各号に該当すると認められる場合は、貸付けの対象外とすること。
① 現在の住居で世帯員の居住が十分可能な状態であり、不必要な増改築である場合
② 申請者が無就労である場合
③ 地域一般の住宅事情等を目安とし、規模が過大であると判断される場合
④ 間貸し、店舗開設等のための増改築に当たる場合
④ 土地の取得のみを目的とした場合
(オ) 他の融資を併用する場合は、申請者が事前に融資機関に相談した結果を確認し、融資を受けられる見込みがあるものについて申請を受け付けること。また、原則、交付請求書の提出は他の融資確約の後とする。
(カ) 建設又は購入の場合、転居後に世帯の全員に係る住民票記載事項証明書(規則第1号の2様式)及び不動産登記簿謄本の写しを提出させ居住を確認すること。
コ 転宅資金
(ア) 住宅の賃貸借契約により、入居の際条件として納入を要求される敷金、前家賃などの一時金にあてるための資金であること。ただし、特に必要と認められる場合には、引越しに要する運送代について貸付けができる。
(イ) 貸付けに当たっては、申請の内容を十分確認し、転居先不明等によって事後の償還が妨げられるようなことのないよう、留意すること。
(ウ) 貸付け・賃貸借契約後に住宅の賃貸借契約の写し又は使用承諾書の写し及び住民票記載事項証明書(規則第1号の2様式)等を提出させ転居を確認すること。
サ 就学支度資金
(ア) 母子家庭等の母等が扶養している児童又は子等が入学、入所する際に必要となる金額を入学金等の額が記載された書類の写しに基づき、限度額の範囲内で貸付けること。
(イ) 入学通知書又は合格通知書の写しで申請を受けた場合は、1年生の4~5月中に在学証明書を提出させ、入学を確認すること。
シ 結婚資金
(ア) 母子家庭等の母等が扶養している児童又は子等が婚姻する際に必要とする挙式披露宴等のための経費、家具等の購入費等について母子家庭等の母等が負担する経費に充てるものであること。
(イ) 貸付け・婚姻後に、世帯全員の住民票記載事項証明書等を提出させ、婚姻を確認すること。
(3) 貸付申請書等の記載内容の適正
ア 決定権者は、貸付申請書等の記載内容に不明又は疑義のあるときは、書面による本人の同意を求め、事実確認調査をすること。
イ 決定権者は、審査の結果、申請資格等の認められない者に対しては、その理由を説明し、交付した用紙以外の添付書類を申請者に返還すること。
ウ 決定権者は、審査の結果、保証人又は資金の種類等が適当でないことが判明したときは、適切なものに変更するよう指導すること。
第3 貸付けの決定
1 貸付調査書の作成と内容の確認
決定権者は、書類審査の結果、貸付申請書及び添付書類が完備しているときは、下記の事項を調査確認し、東京都母子及び父子福祉資金貸付調査書(要領第2号様式。以下「貸付調査書」という。)を作成すること。
(1) 申請内容
母子家庭等の生活の安定と自立のために必要と認められること。
(2) 必要度及び貸付効果
母子家庭等の自立を図るために真に有効であると認められ、経済的自立の助成、生活意欲の助長及び児童の福祉の増進を期待できること。
(3) 他の借入金の状況及び償還能力
申請者の他の借入金等による負債の状況、償還能力については特に注意し、借財の圧迫をひきおこすことのないように、本人の収入状況等を十分考慮の上、貸付けの適否、金額の妥当性を判断すること。
(4) 家族の状況
申請者と同一世帯に配偶者のある子が同居しており、かつ当該世帯の生計の中心が子又はその配偶者と認められる場合は、貸付けの対象外とすること。
(5) 保証人の保証意思の確認
保証人に面接や電話等により保証意思を確認すること。
2 事実の把握
この貸付調査書は、貸付審査の重要な参考資料となるものであるから、貸付調査の結果、なお不明、不詳又は疑義のあるときは、必要に応じて民生委員等の協力を求めるなど事実の把握に努めること。
3 貸付けの決定
決定権者は、貸付申請書及び添付書類、貸付調査書に基づき審査し、貸付けの承認又は不承認を決定すること。
なお、申請者が扶養している児童又は子等に係る資金の貸付け、及び目的、範囲、効果等が明確であり、同時に迅速な事務処理が求められる貸付けについては、回議による書類審査とすることができる。但し、事業開始資金、事業継続資金及び住宅資金の貸付審査は、原則として貸付審査会を設置して行うこと。
4 貸付けを決定した場合
(1) 決定権者は、貸付けの承認を決定したときは東京都母子及び父子福祉資金貸付(増額貸付)決定通知書(規則第7号様式。以下「貸付(増額貸付)決定通知書」という)を申請者に交付すること。
(2) 生活資金の貸付けを決定したときは、貸付(増額貸付)決定通知書の資金の種類の欄に貸付けた内容を記入すること。内容は技能習得期間中の貸付けは、「技能習得中貸付」、医療又は介護を受けている期間中の貸付けは「医療介護中貸付」、母子家庭等になって7年未満の貸付けは、「生活安定貸付」、療育費取得のための裁判費用の貸付けは、「療育費取得裁判貸付」失業期間中の貸付けは、「失業貸付中貸付」と記入する。
(3) 東京都母子及び父子福祉資金借用書(一時資金は規則第10号様式、継続資金は規則第11号様式、以下「借用書」という。)と東京都母子及び父子福祉資金交付(一括交付)請求書(規則第9号様式。以下「交付請求書」という。)を提出させること。
(4) 決定権者は、継続資金の貸付決定をしたときは、東京都母子及び父子福祉資金継続資金貸付者名簿(以下「継続資金貸付者名簿」という。)を作成すること。
なお、継続資金貸付者名簿とは、下記の各号の項目を備えていることとする。
①借受人氏名・住所
②資金種別
③貸付決定番号・年月日・金額・期間
④貸付状況
⑤添付書類
⑥増額貸付内訳
(5) 貸付けの不承認を決定した場合
決定権者は、貸付けの不承認を決定したときは、東京都母子及び父子福祉資金貸付(増額貸付)不承認通知書(規則第8号様式)(以下「貸付(増額貸付)不承認通知書」という。)を申請者に交付し、不承認になった理由を説明の上他の方法で自立できるよう指導すること。
なお、この貸付(増額貸付)不承認通知書を交付したときは、決定権者が交付した用紙以外の添付書類は申請者に返還すること。
第4 継続資金の継続貸付
1 決定権者は、継続資金の借受人が次年度も在学し引き続き資金の借受けを希望する場合は、各年度の初め(4月~5月中)に次に定める書類を提出させ、事実を確認の上、継続資金貸付者名簿に記録すること。
(1) 在学証明書(ただし、他の方法で確認できる場合はこの限りでない。)
(2) 母子世帯等であることを証する書類(原則として世帯全員の住民票記載事項証明書又は住民票の写し。ただし、他の方法で確認できる場合はこの限りでない。)
2 高等学校・高等専門学校(1~3年生)等の授業料の確認
決定権者は、対象経費の確認のため各年度の授業料負担額の決定後、授業料負担額を明らかにする書類を提出させ、継続資金貸付者名簿に記録すること。また、貸付額の変更が必要な場合は第7又は第8により変更の手続きをとらせること。
第5 資金の交付
1 交付請求及び交付
(1) 決定権者は、貸付けの決定を受けた者から借用書と交付請求書が提出されたときは、借用書と交付請求書の印鑑を照合の上、20日以内に支出手続きを取ること。
(2) 決定権者は、継続資金の借受人に対し、資金の交付の都度交付請求書の提出を求めること。
(3) 決定権者は、資金交付後に貸付申請書等関係書類を一括して保管すること。
2 一括交付
(1) 決定権者は、次の場合において継続資金の借受人から申請があったときは資金の一括交付を行うことができる。
ただし、3か月分以内を一括交付する場合はこの限りでない。
ア 資金の受領に相当な交通費を要すること。
イ 資金の受領のため毎月出納機関に出向くことが困難な事情にあること。
ウ その他決定権者がやむを得ない事情があると認めたとき。
(2) 決定権者が一括交付を認めたときの資金の交付は、一括交付期間の初めの月に行うこと
第6 修学資金等の交付の停止及び減額
1 休学・停学
決定権者は、借受人から休学・停学・復学届(規則第30号様式)により休学又は停学の届が提出され、資金交付の停止又は減額を決定したときは、東京都母子及び父子福祉資金交付停止・減額通知書(規則第31号様式)を借受人に交付するとともに関係書類を整備すること。
なお、調査により休学又は停学の事実が判明した場合も同様とする。
また、減額を決定したときは、減額後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、減額前の借用書を返還すること。減額後の借用書には借受人等の印鑑証明書を添付させること。減額後の借用書は減額前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に減額の理由等を記帳整理すること。
2 復学
決定権者は、前記1の借受人から休学・停学・復学届(規則第30号様式)により復学の届が提出されたときは、学校長の発行する復学証明書等により事実を確認し、貸付けを再開すると決定したときは、東京都母子及び父子福祉資金交付再開決定通知書(規則第32号様式)を借受人に交付し関係書類を整備すること。
3 退学
決定権者は、退学に伴い借受人から東京都母子及び父子福祉資金貸付資格等変更届(規則第34号の2様式。以下「資格等変更届」という。)が提出されたとき、又は調査によって確認したときは、貸付けの停止を決定し、東京都母子及び父子福祉資金貸付停止決定通知書(規則第18号様式。以下「貸付停止決定通知書」という。)により借受人に通知すること。
なお、退学後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、退学前の借用書を返還するとともに、併せて償還方法を決定し、東京都母子及び父子福祉資金償還方法決定通知書(規則第17号様式。以下「償還方法決定通知書」という。)を交付すること。退学後の借用書には借受人等の印鑑証明書を添付させること。退学後の借用書は退学前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に退学の理由等を記帳整理すること。
第7 継続資金の増額貸付
1 増額貸付の申請及び承認
(1) 決定権者は、借受人から東京都母子及び父子福祉資金増額貸付申請書(規則第6号様式)の提出があったときは、その増額申請理由を調査した上、増額貸付けの承認又は不承認を決定すること。
(2) 決定権者は、前記(1)の調査の結果増額貸付けを決定したときは、継続資金貸付者名簿「増額貸付内訳」の項目欄に記録し、貸付(増額貸付)決定通知書を借受人に交付すること。
なお、増額後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、増額前の借用書を返還すること。増額後の借用書には借受人等の印鑑証明書を添付させること。(修学資金(高等学校等)の貸付決定後に授業料負担額が変更になったことに伴う増額については貸付申請時の印鑑を使用してもらうことで印鑑証明書の提出は不要とする。)増額後の借用書は増額前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に増額の理由等を記帳整理すること。
(3) 決定権者は、増額貸付けの不承認を決定したときは、申請者に増額貸付けが不承認となった理由を説明の上、貸付(増額貸付)不承認通知書を交付すること。
2 特例加算による増額貸付
決定権者は、借受人から特例加算による増額貸付けの申請があったときは、児童扶養手当が受けられなくなったことを明らかにする書類の写しを提出させ、前記1と同様に処理すること。
第8 貸付けの辞退・減額
決定権者は、借受人から東京都母子及び父子福祉資金辞退・減額申請書(規則第15号様式。以下「辞退・減額申請書」という。)により辞退又は減額の申請があったときは調査の上辞退又は減額を承認し、次のとおり処理する。
1 辞退
(1) 一時資金の借受人に対しては、東京都母子及び父子福祉資金貸付辞退・減額承認通知書(規則第16号様式。以下「辞退・減額承認通知書」という。)を交付し、借用書を返還すること。
(2) 継続資金の借受人に対しては、貸付決定額の全額の辞退を承認する場合は、辞退・減額承認通知書を交付し、借用書を返還すること。借用書の写しを保管し、関係書類に全額辞退の理由等を記帳整理すること。
貸付決定額の一部の辞退を承認する場合は、辞退・減額承認通知書を交付し、辞退後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、辞退前の借用書を返還すること。併せて償還方法を決定し、償還方法決定通知書を交付すること。辞退後の借用書には借受人等の印鑑証明書を添付させること。(修学資金(高等学校等)の貸付決定後に授業料負担額が変更になったことに伴う辞退については貸付申請時の印鑑を使用してもらうことで印鑑証明書の提出は不要とする。)辞退後の借用書は辞退前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に増額の理由等を記帳整理すること。
2 減額
(1) 一時資金の借受人に対しては、辞退・減額承認通知書を交付し、減額後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、減額前の借用書を返還すること。併せて償還方法を決定し、償還方法決定通知書を交付すること。減額後の借用書には借受人等の印鑑証明書を添付させること。減額後の借用書は減額前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に減額の理由等を記帳整理すること。
(2) 継続資金の借受人に対しては、辞退・減額承認通知書を交付し、減額後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、減額前の借用書を返還すること。減額後の借用書には借受人等の印鑑証明書を添付させること。(修学資金(高等学校等)の貸付決定後に授業料負担額が変更になったことに伴う減額については貸付申請時の印鑑を使用してもらうことで印鑑証明書の提出は不要とする。)減額後の借用書は減額前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に減額の理由等を記帳整理すること。
(3) 高校生の就学支援金は必要経費から減算し、貸付額を決定する。
3年生については、6月に住民税が切り替わった時点で一度貸付額を再計算し、必要に応じて借受人から交付請求書を提出させること。3年生の加算額が確定次第、年度内に減額手続きをとること。
借用書の差替えは、最終的な貸付額が確定してから行うこととする。
第9 貸付けの停止
1 令第12条又は令第31条の7において準用する令第12条による貸付けの停止
(1) 決定権者は、継続資金の借受人又は連帯借受人が令第12条又は令第31条7において準用する令12条に該当すると認められるときは、貸付けを停止することができる。
ただし、法第13条第3項又は法第31条の6第3項に該当する場合は、継続して貸付けを行うことができる。
(2) 貸付けを停止すると決定したときは、貸付停止決定通知書を借受人に交付し、停止後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、停止前の借用書を返還すること。併せて償還方法を決定し、償還方法決定通知書を交付すること。停止後の借用書には借受人等の印鑑証明書を添付させること。停止後の借用書は停止前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に停止の理由等を記帳整理すること。
(3) 継続資金の貸付けで、停止月以降の資金を既に交付している場合は、停止月以降の資金交付額を歳出戻入の例により、一括返還させること。
2 令第13条又は令第31条の7において準用する令第13条による貸付けの停止
(1) 決定権者は、借受人又は連帯借受人が令第13条又は令第31条の7において準用する令第13条に該当し知事に報告する必要があると認めた場合は、東京都母子及び父子福祉資金届出調書(要領第3号様式。以下「届出調書」という。)を作成し知事に提出すること。
(2) 知事は、前記(1)の報告を受けたときは、児童福祉審議会に諮問の上貸付停止の可否を決定する。貸付けを停止すると決定したときは、貸付停止決定通知書を決定権者を経由して借受人に交付し、決定権者は償還方法の決定等について必要な処理を行うこと。
3 民法第589条による貸付けの停止
(1) 決定権者は、継続資金の貸付期間中の借受人が破産法第30条に基づく破産手続開始決定を受けたときは、民法第589条の規定により、破産手続開始決定日(破産手続開始決定日以降に当該事実を知ったときは当該事実を知った日)をもって貸付けを停止すること。貸付けを停止したときは、貸付停止決定通知書を借受人に交付し、停止後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させるとともに、債務を継承する者から東京都母子及び父子福祉資金債務継承届(要領第6号様式。以下「債務継承届」という。)を提出させること。停止後の借用書には借受人等の印鑑証明書を添付させること。
免責許可決定確定後、債務継承を承認した場合は、東京都母子及び父子福祉資金債務継承承認通知書(要領第8号様式。以下「債務継承承認通知書」という。)を債務継承者に交付し、借受人に停止前の借用書を返還すること。また、併せて償還方法を決定し、償還方法決定通知書を交付すること。停止後の借用書は停止前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に停止の理由等を記帳整理すること。
免責が許可されなかった場合は、債務継承届を返還すること。
(2) (1)により貸付けの停止をした資金が修学資金又は修業資金であり、かつ当該母子家庭等において児童を扶養している場合であって、連帯借受人が引き続き貸付けを希望し、保証人を立てられるときは、当該児童又は子等を借受人として新たな貸付けを決定することができる。この場合の手続は第2章に準ずる。
第10 貸付決定の取消
1 決定権者は、貸付けの決定を受けた者が20日以内に規則に定める手続を取らないとき又は故意に偽りの申請をし、又は事実を隠ぺいしたことが明らかになったときは、貸付決定を取り消すことができる。貸付決定を取り消すと決定したときは、東京都母子及び父子福祉資金貸付決定取消通知書(規則第12号様式)を申請者に交付すること。
この場合は、前記の取消しの理由等を関係書類に記帳整理すること。
ただし、やむを得ない理由(病気等)により手続が遅延した場合はこの限りでない。
2 決定権者は、資金交付以後に貸付決定を取消した場合は、資金交付済額を歳出戻入の例により一括返還させること。
第3章 貸付後の諸変更
第1 転居
1 都内転居
(1) 決定権者は、継続資金の貸付期間中の借受人等から都内転居に伴う異動届(規則第27号様式。以下「異動届」という。)が提出されたときは、原則として引き続き継続貸付けを行うこと。
(2) 決定権者は、据置期間中又は償還期間中の借受人等から都内転居に伴う異動届が提出されたときは、引き続き償還事務を処理すること。
(3) 決定権者は、調査によって借受人等の都内転居が確認できた場合も同様に処理すること。
(4) 連帯借受人、保証人又は相続人の都内転居については、関係書類に新住所を記帳整理すること。
2 都外転居
(1) 決定権者は、継続資金の貸付期間中の借受人等から都外転居に伴う異動届が提出されたときは、原則として引き続き継続貸付を行うこと。
(2) 決定権者は、(1)に該当する者の貸付けが終了したとき及び据置期間中の借受人等から都外転居に伴う異動届が提出されたとき、又は調査によって借受人等の都外転居が確認できたときは引き続き償還事務を処理すること。償還期間中の借受人等の都外転居の場合も同様とする。
第2 改名・改印
1 改名
決定権者は、借受人等から借受人等の改名により異動届が提出されたとき又は調査によって借受人等の改名が判明したときは、関係書類に新氏名を記帳整理し、必要に応じて改名に伴う印鑑証明書を提出させること。
2 改印
決定権者は、借受人等から借受人等の改印により異動届が提出されたときは、必要に応じて改印に伴う印鑑証明書を提出させること。
第3 借受人等の死亡
1 借受人の死亡
(1) 決定権者は、一時資金及び継続資金の貸付期間後の借受人の死亡届(規則第34号様式。以下「死亡届」という。)及び死亡の事実を証する書類(戸籍抄本又は住民票の写し等)が保証人等から提出されたとき又は調査によって確認したときは、債務を継承する者から債務継承届を提出させること。債務継承を承認した場合は、債務継承承認通知書を届出人に交付すること。
(2) 決定権者は、継続資金の貸付期間中の借受人の死亡届及び死亡の事実を証する書類(戸籍抄本又は住民票の写し等)が連帯借受人又は保証人から提出されたとき又は調査によって確認したときは、債務を継承する者から債務継承届を提出させること。債務継承を承認した場合は、債務継承承認通知書を届出人に交付すること。
また、貸付けを停止すると決定したときは、貸付停止決定通知書を交付し、停止後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、停止前の借用書を返還すること。併せて償還方法の決定について必要な処理を行うこと。停止後の借用書には債務を継承する者及び保証人等の印鑑証明書を添付させること。停止後の借用書は停止前の借用書の写しとともに保管し、関係書類に停止理由等を記帳整理すること。
ただし、令第5条又は令第31条の3に該当し、引き続き貸付けを希望するときは、令第5条又は第31条の3に掲げる事項に該当することを証する書類及び東京都母子及び父子福祉資金継続貸付申請書(要領第5号様式。以下「継続貸付申請書」という。)を提出させること。継続貸付の承認又は不承認を決定した場合は、東京都母子及び父子福祉資金継続貸付承認・不承認通知書(要領第7号様式)を連帯借受人に交付すること。
2 継続資金の連帯借受人の死亡
決定権者は、連帯借受人の死亡届及び死亡の事実を証する書類(戸籍抄本又は住民票の写し等が借受人等から提出されたとき又は調査によって確認したときで、貸付期間中の死亡の場合は、貸付けを停止し、貸付停止決定通知書を交付し、停止後の貸付決定総額を記載した借用書を提出させ、停止前の借用書を返還すること。停止後の借用書には借受人及び保証人の印鑑証明書を添付させること。停止後の借用書は停止前の借用書の写しとともに保管し、停止理由等を関係書類に記帳整理すること。併せて償還方法の決定について必要な処理を行うこと。
3 保証人の死亡等
(1) 決定権者は、保証人が死亡した場合において借受人等から死亡の事実を証する書類(戸籍抄本又は住民票の写し等)が提出されたとき又は調査によって確認したときは、保証人変更申請書(規則第3号様式)の提出を求めること。提出の際には、保証人の印鑑証明書及び収入を明らかにする書類を添付させること。
(2) 決定権者は、借受人等から保証人変更申請書(規則第3号様式)が提出されたときは、新保証人について保証人の要件を確認し、保証人の変更を承認したときは、保証人変更承認通知書(規則第5号様式)を届出人に交付すること。
第4 貸付資格等の変更
決定権者は、継続資金の貸付期間中の借受人から資格等変更届が提出されたとき又は調査によって貸付資格等の変更の事実が判明したときは、令第12条又は令第31条の7において準用する令第12条の規定に基づき、その事由が生じた日の属する月の翌月から将来に向かって貸付けを停止するものとする。
貸付けの停止等の処理は、第2章第9の1の貸付けの停止の場合に準ずる。
第5 事業開始・継続・変更・休止・廃止
1 事業開始及び継続
決定権者は、事業開始資金の借受人が事業を開始したとき又は事業継続資金の借受人が事業継続のために物品の購入等を行ったときは、東京都母子及び父子福祉資金事業開始・継続・変更・休止・廃止届(要領第9号様式。以下「事業開始・継続・変更・休止・廃止届」という。)により開始又は継続の届を提出させ、事実を確認すること。
2 事業変更・休止・廃止
決定権者は、事業開始資金又は事業継続資金の借受人等から事業開始・継続・変更・休止・廃止届により変更、休止又は廃止の届が提出されたときは、その実態を調査確認し、必要な支援を行うこと。
第6 法的債務整理
1 決定権者は、償還中の借受人等が破産法に基づく破産手続又は民事再生法に基づく民事再生手続を申立て、手続決定を受けたときは、申立者に対する償還請求を停止し、申立者以外の借受人等に対し、償還請求を行うこと。
2 決定権者は、借受人等が据置期間中又は償還中に自己破産しかつ免責許可決定の確定を受けたときは、貸付資金が債務者名簿に記載されていることを確認するとともに、裁判所又は代理人から送付された破産手続開始決定通知及び免責許可決定通知を保管すること。
破産者が借受人で、連帯借受人がいる場合は、債務継承届を提出させ、希望を聴取の上、償還方法を決定し、償還方法決定通知書を交付すること。
貸付資金が債務者名簿に記載されていない場合は、引き続き復権後の借受人等に請求できる。
3 決定権者は、借受人等が民事再生手続により再生計画を許可されたときは、貸付資金が再生債権に含まれていることを確認するとともに、裁判所または代理人から送付された民事再生手続開始決定通知及び再生計画許可書の写しを保管すること。再生者が借受人で連帯借受人がいる場合は、再生計画に含まれない残額について債務継承届を提出させ、希望を聴取の上、償還方法を決定し、償還方法決定書を交付すること
第4章 償還事務
第1 償還方法の決定及び通知
1 償還方法
償還は年賦、半年賦又は月賦により、それぞれ元利均等償還によること。
月の途中から償還を開始するものについては、納付期限を月末に統一するために、第1回目の償還開始日を翌月1日とすること。
半年賦の納付期限は、償還到来月日から6か月目の末日であり、年賦の納付期限は同様に12カ月目の末日であること。
2 一時資金
決定権者は、一時資金(ただし、就学支度資金で卒業・修了後に償還方法を決定する場合を除く。)については、申請者から希望を聴取の上貸付決定と同時に償還方法を決定し、貸付(増額貸付)決定通知書に記載の上申請者に交付すること。
3 継続資金
(1) 卒業・修了
ア 決定権者は、継続資金の貸付期間満了時等又は就学支度資金の貸付けを利用いて修学若しくは知識技能の習得した者の卒業・修了時に、借受人等から卒業・修了届(規則第33号様式)(以下「卒業・修了届」という。)を提出させ、面接等により償還の責務及び方法について説明し、償還方法の希望を聴取するとともに、借受人、連帯借受人及び保証人の現在の住所、電話番号(携帯も含む。)及び就職先等について確認すること。
イ 決定権者は、前記アにより償還方法の希望を聴取したときは、償還金額及び償還期間に配慮の上償還方法を決定し、償還方法決定通知書を借受人等に交付すること。
ウ 決定権者は、借受人等から卒業・修了届の提出がない場合は、実態調査の上償還方法を決定すること。
(2) 生活資金(裁判費用を除く。)
決定権者は、貸付期間が満了した日以降に、借受人から償還方法の希望を聴取し、前記(1)のイと同様に処理すること。
(3) 特例児童扶養資金
ア 決定権者は、貸付期間が満了した日又は当該資金の貸付けを受けた者が扶養している児童が15歳に達した日の属する学年を修了した日のうち、いずれか遅い日以降に、借受人から償還方法の希望を聴取すること。
イ 決定権者は、前記アにより償還方法の希望を聴取したときは、前記(1)のイと同様に処理すること。
第2 一時償還
決定権者は、借受人等が令第16条又は令第31条の7において準用する令第16条に該当し、かつ、一時償還させることが適当と認められる場合は、確認の上、一時償還の適否を決定する。
なお、継続資金の貸付期間中の借受人等が令第16条第1号又は令第31条の7において準用する令第16条第1号に該当し、かつ一時償還をさせることが適当であると認められる場合とは、令第13条又は令第31条の7において準用する令第13条の規定により、貸付けを停止した場合であること。
一時償還を請求すると決定したときは、東京都母子及び父子福祉資金償還命令書(規則第20号様式)を借受人に交付し、第4の繰上償還に準じ、償還金の収納手続きをとること。
第3 償還方法の変更
1 決定権者は、借受人等から東京都母子及び父子福祉資金償還方法変更申請書(要領第10号様式)及び東京都母子及び父子福祉資金償還計画書(要領第16号様式)が提出されたときは、審査の上可否を決定し、東京都母子及び父子福祉資金償還方法変更承認・不承認通知書(要領第11号様式)を借受人等に交付すること。
ただし、既に償還期限が到来した分について償還方法の変更を行うことはできない。
なお、償還方法の変更に当たっては、令第8条又は令第31条の6及び児童扶養手当法施行令及び母子及び寡婦福祉法施行令の一部を改正する政令(平成14年政令第207号。以下「改正政令」という。)附則第4条第3項第2号に規定する償還期限を超えないよう留意すること。
2 決定権者は、前記1の決定に基づき、関係書類に新償還方法を記載し、調定の更正を行うなど事後の処理に万全を期すこと。
第4 繰上償還
決定権者は、借受人等から償還金の繰上償還の申し出があったときは、直ちに歳入調定し、納入通知書により収納すること。
なお、償還金残額の全額を繰上償還するときは、その日の属する月の翌月分以降の利子は徴収しないこと。また、未償還分の一部(償還月数6月以上)を繰上償還するときは、その日の属する月の翌月分から、繰上額からその日の属する月の元金及び利子を差し引いた残額に翌月以降の元金を合算した額が達する月までの利子は徴収しないこと。
第5 歳入調定
1 償還台帳の作成
決定権者は、償還方法の決定後、直ちに東京都母子及び父子福祉資金償還台帳(要領第12号様式。以下「償還台帳」という。)を作成すること。
2 歳入調定
(1) 決定権者は、償還台帳により元金及び利子について歳入調定を行うこと。
(2) 当該年度中に納付期限の到来するものは、年度当初に一括して調定すること。
なお、都外転居による事務移管等により年度の途中から償還を開始するものについては、その開始の時期に、当該年度分を一括して調定すること。
また、都外転居により事務移管されたものについては、移管元では既調定分を減額調定し、知事は当該年度分及び過年度未償還分について調定すること。
(3) 歳入調定に際しては、東京都母子及び父子福祉資金歳入調定内訳書(以下「歳入調定内訳書」という。)を作成し、調定金額、収入科目、納付期限及び処理方法を決定すること。
なお、歳入調定内訳書とは、下記の項目を備えていることとする。
①借受人氏名
②資金種別
③月別元利金別金額
第6 納入通知及び収納事務
1 納入通知書の発行
決定権者は、歳入調定に基づき納入通知書を作成し、借受人等に送付すること。
この納入通知書は納付期限の属する月の5日前までに借受人等に送付すること。
ただし、4月分については4月5日頃までに到達するように発送すること。
なお、この納入通知書は金額、科目を歳入調定内訳書と照合の上、決定を経て発行し、発行後、直ちに償還台帳に発行年月日を記入すること。
借受人等が納入通知書を紛失又は著しく汚損した場合は、納付書を作成し、借受人等に送付すること。
2 収納
決定権者は、借受人等から償還金の納入があったときは、納入済通知書送付書又は収入一覧表の収入年月日をもって償還台帳に収納済の記帳をすること。
3 納付期限経過後の収納
決定権者は、納付期限経過後に借受人等が納入してきたときは、納付期限の翌日から支払日までの間の違約金を計算して借受人等に納入通知書を送付し、違約金の額を償還台帳に記帳すること。
第7 償還金の支払猶予
1 支払猶予の対象
(1) 令第19条第1項第1号又は令第31条の7において準用する令第19条第1項第1号に規定する支払猶予は、災害、盗難、疾病、負傷その他やむを得ない事由(失業・極度の事業の不振等)により償還が困難であると認められるときに行うことができる。
(2) 令第19条第1項第2号又は令第31条の7において準用する令第19条第2号に規定する支払猶予の対象は、次のいずれかに該当する場合とする。
ア 修学資金又は就学支度資金の貸付けにより修学又は入学した者が、中学校、高等学校、大学、大学院、高等専門学校、若しくは専修学校に在学しているとき。
イ 修学資金又は就学支度資金の貸付けにより修学又は入学した者が、修業資金の貸付けにより知識技能を習得しているとき。
(3) 改正政令附則第4条第8項に規定する支払猶予は、特例児童扶養資金の貸付けを受けた者が扶養する児童(20歳以上である者を含む。以下同じ。)が、高等学校、大学、高等専門学校、若しくは専修学校に就学しているときに行うことができる。
2 支払猶予の期間
(1) 令第19条第1項第1号又は令第31条の7において準用する令第19条第1項第1号に該当するときは、支払猶予の期間は1年以内とし、その期間が経過した後もさらにその事由が継続し、特に支払猶予の必要があるときは、あらためて再申請により猶予することができる。
(2) 令第19条第1項第2号又は令第31条の7において準用する令第19条第1項第2号及び改正政令附則第4条第8項に該当する支払猶予期間中に、修学又は知識・技能の習得をしていた者が退学したときは、その日の属する月の翌月から支払猶予を中止し償還を開始すること。
3 支払猶予の申請
支払猶予の申請は、原則として納付期限の到来する前に行われなければならないが、納付期限までに支払猶予の申請を行わなかったことについてやむを得ない理由がある場合には、その理由がやんだ日から起算して30日以内に限り申請を認めるものである。
4 支払猶予の決定
(1) 決定権者は、借受人から東京都母子及び父子福祉資金支払猶予申請書(規則第21号様式)が提出されたときは、償還金を支払うことが困難となった事実を証する書類(罹災証明書、警察署長の盗難があったことの証明、医師の診断書又は在学証明書等)又は関係職員の調査等により事実を確認の上、承認又は不承認を決定すること。
(2) 決定権者は、前記(1)の決定に基づき東京都母子及び父子福祉資金償還金支払猶予承認・不承認通知書(規則第22号様式)を借受人に交付すること。
(3) 決定権者は、前記(1)の決定に基づき、償還台帳その他関係書類に支払猶予の内容を記載し、調定の更正を行うこと。
第8 据置期間の延長
1 据置期間延長の対象
据置期間の延長は、令第8条第5項又は令第31条の6第5項及び改正政令附則第4条第5項の規定に該当する場合に行うことができる。
なお、改正政令附則第4条第5項に規定する据置期間の延長は、借受人の前年又は前々年(当初の据置期間の最終日の翌月が1月から7月までの間にあっては、前々年又は前々前年とする。以下同じ。)の所得が改正政令による、児童扶養手当法施行令第2条の2に定める額未満であるときに行うことができるものとする。
2 延長の期間
延長ができる期間は、2年以内とする。ただし、改正政令附則第4条第5項に規定する据置期間の延長は、この期間が経過した後もさらに前記1の状況にあるときは、あらためて申請することにより再延長することができる。
3 期間延長の申請
(1) 令第8条第5項又は令第31条の6第5項に規定する据置期間の延長は、貸付申請時に行うものとする。
(2) 改正政令附則第4条第5項に規定する期間延長の申請は、原則として据置期間が経過する前に行わなければならないが、据置期間経過前に申請を行わなかったことについて、やむを得ない理由がある場合は、その理由がやんだ日から起算して30日以内に限り申請を認めるものである。
4 期間延長の決定
(1) 決定権者は、借受人から令第8条第5項又は令31条の6第5項に規定する据置期間の延長の申請があったときは、罹災証明書により確認の上、据置期間延長を決定し、貸付(増額貸付)決定通知書により通知すること。
(2) 決定権者は、借受人から東京都母子及び父子福祉資金(特例児童扶養資金)据置期間延長申請書(規則第2号の2様式)が提出されたときは、前年又は前々年の所得については、所得を証明できる書類により、また改正政令附則第4条第5項に規定する者であることについては、児童扶養手当の受給資格者であることが証明できる書類等により、それぞれ確認の上、承認又は不承認を決定すること。
(3) 決定権者は、(2)の決定に基づき東京都母子及び父子福祉資金(特例児童扶養資金)据置期間延長承認・不承認通知書(規則第2号の3様式)を、借受人に交付すること。
第9 違約金
1 決定権者は、借受人等が納付期限までに償還金を支払わないとき又は支払猶予申請をしないときは、違約金を徴収すること。
ただし、令第17条ただし書き又は令第31条の7において準用する令第17条ただし書きに該当すると認められるときは、この限りでない。
令第17条ただし書き又は令第31条の7において準用する令第17条ただし書きに規定する災害その他やむを得ない理由により違約金債務が発生しなかったものとして取扱う場合とは、次の各号のいずれかに該当する場合であること。
(1) 借受人等が災害や疾病等により償還金を支払うのが困難であると認められるとき。
(2) 借受人等又は当該世帯の生計を維持するために主たる収入を得る者が、失業、失職等により生計が困難になり、償還金を支払うのが困難であると認められるとき。
(3) 借受人等が事業不振により償還金を支払うのが困難であると認められるとき。
(4) 借受人等が生活保護法(昭和25年法律第144号)の適用を受けているとき。ただし、償還金が収入認定より控除されているときは除く。
(5) 借受人等と生計を一にする親族が疾病にかかる等により償還金を支払うのが困難であると認められるとき。
(6) 納付期限までに支払うことができなかった原因が借受人自身等の責に帰さないと認められるとき。
(7) その他、借受人等の生計状況等から違約金を徴収することが、借受人等の経済的自立と生活意欲の助長の妨げとなる場合。
違約金債務が発生しなかったものとして取扱う場合は、調査確認を行い、東京都母子及び父子福祉資金違約金徴収規定適用除外簿(以下適用除外簿)を作成し、適用除外決定を行うこと。
なお、適用除外簿とは、下記の項目を備えていることとする。
①借受人氏名
②資金種別
③貸付決定番号
④適用除外理由
2 違約金を徴収すると決定したときは、年10.75パーセントの割合により違約金額を算定し、違約金の歳入調定に基づき納入通知書を発行し、収納すること。
ただし、違約金の金額がこれを徴収するのに要する経費に満たないと認められる場合(毎回賦金ごとに算定した違約金の額が、1,000円未満の場合)は違約金を徴収しないこととし、東京都母子及び父子福祉資金違約金不徴収決定簿(要領様式第13号様式)により不徴収決定を行うこと。
3 違約金の計算方法は次のとおりである。
(1) 平成27年4月1日以降に支払い期日が到来する償還金に係る違約金
違約金の額=延滞元利金額×0.05×(納付期限の翌日から納付した日までの経過日数/365)
(2) 昭和45年4月1日から平成27年3月31日に支払期日が到来する償還金に係る違約金
違約金の額=(延滞元利金額×0.1075×(納付期限の翌日から平成27年3月31日までの日数/365))+(延滞元利金額×0.05×(平成27年4月1日から納付した日までの日数/365))
(3) 昭和45年3月31日までに支払われるべき償還金に係る違約金
違約金の額=(((延滞元利金額×0.03)/100)×納付期限の翌日から昭和45年3月31日までの日数)+(延滞元利金額×0.1075×(昭和45年4月1日から平成27年3月31日までの日数/365))+(延滞元利金額×0.05×(平成27年4月1日から納付した日までの日数/365))
第10 償還完了後の処理
決定権者は、借受人等の償還が完了したときは、借用書を借受人等に返還するとともに、貸付申請書等関係書類の保管、廃棄を行うこと。
第11 償還免除
1 償還免除の申請理由
償還免除の申請は、償還免除理由の発生したときに行うことができる。
(1) 法第15条第1項又は法第31条の6第5項において準用する法第15条第1項に定める償還免除は、次のいずれかに該当するときに行うことができる。
ア 借受人が死亡し、貸付金の償還ができなくなったと認められるとき。
イ 借受人が精神若しくは身体に著しい障害を受け、その障害の程度が労働能力を喪失させ、又は労働能力に著しい制限を生じる程度(別表に該当すること。)であるために償還ができなくなったと認められるとき。
(2) 条例第2条に定める特例児童扶養資金の償還未済額の一部の償還免除は、次のいずれかに該当するときに行うことができる。
ア 借受人が死亡し、貸付金の償還ができなくなったと認められるとき。
イ 借受人が精神若しくは身体に著しい障害を受け、その障害の程度が労働能力を喪失させ、又は労働能力に著しい制限を生じる程度(別表に該当すること。)であるために償還ができなくなったと認められるとき。
ウ 特例児童扶養資金の償還日において、借受人の所得が児童扶養手当の全額支給水準未満であるために償還ができなくなったと認められるとき。
(3) 前記(1)又は(2)にかかわらず、連帯借受人、保証人又は相続人に償還能力があり、償還できると認められる場合には、償還免除は行うことができない。
なお、償還能力がないと認められる場合の判断基準は、次によるものとする。
ア 最終償還期限到来後、2年以上所在不明(住民票が削除等)であって、かつ今後とも長期にわたって同様の状態が継続すると判断されるとき。
イ 生活保護法による保護を現に受けているか、若しくは、それと同程度の生活状態にあり、かつ将来おおむね5年程度の期間にわたって更生の可能性がないと認められるとき。
ウ 生活保護法による保護は受けていないが、現に要保護状態にあり、かつ高齢等のため将来にわたって貸付金の償還ができないと認められるとき。
2 償還免除の申請
(1) 決定権者は、借受人が前記1(1)の償還免除理由に該当し、償還ができなくなったと認められるときは、東京都母子及び父子福祉資金償還免除申請書(規則第24号様式。以下「償還免除申請書」という。)に借受人の死亡の事実を証する書類又は精神若しくは身体に著しい障害を受けたため労働能力の喪失若しくは労働能力に著しい制限を及ぼすことを証する医師の診断書(要領第17号様式)と連帯借受人、保証人及び相続人が償還することができない事由及びこれを証する書類等を添付の上提出させること。
また、東京都母子及び父子福祉資金借受人等状況調査書(要領第14号様式。以下「借受人等状況調査書」という。)を作成の上、事実を確認すること。
(2) 決定権者は、借受人が前記1(2)の一部償還免除理由に該当し、償還ができなくなったと認められるときは、東京都母子及び父子福祉資金(特例児童扶養資金)償還未済額一部償還免除申請書(規則第26号様式。以下「一部償還免除申請書」という。)に借受人の死亡の事実を証する書類又は精神若しくは身体に著しい障害を受けたため労働能力の喪失若しくは労働能力に著しい制限を及ぼすことを証する医師の診断書(要領第17号様式)又は所得を証明できる書類と保証人及び相続人が償還することができない事由及びこれを証する書類等を添付の上提出させること。
また、借受人等状況調査書を作成の上、事実を確認すること。
(3) 前記(1)の申請は、借受人、連帯借受人、保証人及び相続人のうちいずれの者が行っても差し支えないこと。
(4) 前記(2)の申請は、借受人、保証人及び相続人のうちいずれの者が行っても差し支えないこと。
3 償還免除の決定
(1) 決定権者は、前記2(1)の償還免除申請書を受理したときは、添付書類及び実態調査により内容を確認の上、貸付申請書、貸付調査書、借用書等関係書類、借受人等状況調査書を添えて届出調書とともに知事に進達すること。
ア 知事は、次に掲げる金額の範囲内で償還の免除を決定する。
(ア) 死亡に基づく免除申請のときは全額
イ 知事は、前記アにより貸付金の償還免除の承認又は不承認を決定したときは、東京都母子及び父子福祉資金貸付金償還免除承認・不承認通知書(規則第25号様式)を決定権者を経由して申請者に交付する。
ウ 決定権者は、前期イの決定に基づき、全額免除のときは関係書類を知事に引き継ぎ、その他の場合は償還台帳その他関係書類に必要事項を記載し、引き続き償還事務を行うこと。また、償還期限が到来した分の償還免除額については、不納欠損処分を行い、次年度以降償還期限が到来する分の償還免除額については、複式仕訳で債権額を減額させること。
(2) 決定権者は、前記2(2)の一部償還免除申請書を受理したときは、添付書類及び実態調査により内容を確認の上、貸付申請書、貸付調査書、借用書等関係書類、借受人等状況調査書を添えて届出調書とともに知事に進達すること。
ア 知事は、次に掲げる金額の範囲内で償還の一部免除を決定する。
(ア) 死亡に基づく免除申請のとき(法第15条第1項又は令第31条の6第5項において準用する法第15条第1項に定める償還免除は除く。)は償還未済額の4分の3の金額
(イ) 精神若しくは身体の著しい障害に基づく免除申請のとき(法第15条第1項又は令第31条の6第5項において準用する法第15条第1項に定める償還免除は除く)は償還未済額の4分の3の金額
(ウ) 特例児童扶養資金の償還日において、借受人の所得が児童扶養手当の全額支給水 準未満であるときは、償還未済額の4分の3の金額
イ 知事は、前記アにより貸付金の償還免除の承認又は不承認を決定したときは、東京都母子及び父子福祉資金(特例児童扶養資金)償還未済額一部償還免除承認・不承認通知書(規則第26号の2様式)を決定権者を経由して申請者に交付する。
ウ 決定権者は、前記イの決定に基づき、前記(1)ウのその他の場合と同様に処理する。
第5章 未償還者に対する措置
第1 実態調査及び督促等
1 実態調査及び督促
決定権者は、借受人が納付期限までに償還金を納入しないときは、借受人等状況調査書を作成の上、納付期限経過後20日以内に督促状により借受人あて督促すること。
この場合、督促状には15日以内の納付期限を定めるものとする。
2 催告
決定権者は、前記1の督促後1か月経過しても納入がないときは催告書により借受人あて催告すること。
また、償還開始間もない時点での納入がない等の場合においては、電話催告を行うこと。
3 連帯借受人への督促及び催告
前記2の催告を行っても借受人から連絡がないとき、又は納付意思があっても履行されない場合で連帯借受人がいる場合は、早期に連帯借受人あて督促、催告を行うこと。
4 保証人に対する納付協力依頼及び連帯保証債務履行要請
(1) 納付協力依頼
前記2の催告又は3の督促及び催告を行っても納入がないときは、決定権者は、保証人に対して、電話又は文書により借受人に対する償還金納入についての協力依頼を行うこと。
(2) 連帯保証債務履行要請
決定権者は、前記(1)の納付協力依頼を行っても借受人から納入がない場合は、保証人に対して電話又は文書により、借受人の代わりに償還金を納入するよう連帯保証債務履行要請を行う。
5 債務承認等
前記3の要請を行ってもなお、借受人や保証人から納入がないときは、決定権者は、借受人の家庭を訪問する等、償還についての指導助言にあたる。
また、必要に応じて東京都母子及び父子福祉資金債務承認書(要領第19号様式)、東京都母子及び父子福祉資金未償還金償還内訳書(要領第19号の2様式)及び所得を証明できる書類を提出させること。
第2 債務の履行促進
1 決定権者は、第1の措置を図ったにもかかわらず、借受人、連帯借受人、保証人又は相続人が故意に償還を怠っていると認められるときは、次に定める措置をとること。
(1) 借受人に償還能力があるにもかかわらず、償還に応じないときは内容証明郵便により償還未済額の全額の一時償還を請求すること。
(2) 前記(1)の請求を行ったにもかかわらず納付期限までに納入がないときは、保証人に対しても内容証明郵便により償還未済額の全額の一時償還を請求すること。
2 知事は、必要があるときは訴訟手続きにより履行の請求を行うものとする。
第3 住所不明者に対する調査
決定権者は、住所不明である者については、速やかに住所の追跡、近隣調査、勤務先の調査等により居所の確認に努めること。
第4 徴収停止
1 停止の要件
決定権者は、納付期限から相当の期間を経過してもなお完全に納付されないものについて、借受人等が次のいずれかに該当する事由があると認められるときは、その事実を立証する公文書を添付する等当該事実を明らかにして、当該借受人等に対し、以後その保全及び取立てをしない徴収停止処分を行うことができる。
(1) 借受人等の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。
ア 所在が不明の場合には、住所調査の結果所在が不明のほか、借受人等が死亡し相続人のあることが明らかでないときを含む。
イ また、借受人等から提出された収入及び財産の状況を明らかにする書類又は借受人等・関係者からの聴取内容、収集した諸資料を総合して、以下の場合は、財産の価値が強制執行の費用を超えないものと判定する。
(ア) 借受人等の収入が給与・年金等の金銭の給付を目的とする債権で、民事執行法に定める差押禁止財産の範囲であると認められるもの
(イ) 固定資産や流動資産が、換金の可能性又は換価価値がないと認められるもの
(2) 債権金額が小額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
滞納額が1万円を下る債権については小額とする。
2 手続
徴収停止処分は、借受人、連帯借受人又は保証人のうち1人のみが前記1に該当する場合は該当する者のみについて徴収停止を行い、その他の借受人等に請求すること。
徴収停止を決定した際は、徴収停止名簿を作成し、償還台帳に徴収停止理由を明らかにして徴収停止した旨を記載すること。
3 事由存在の確認
決定権者は、毎年度末、既になした徴収停止中の借受人等について、処分事由継続の有無を調査する。
4 停止の取消し
決定権者は、前記3の調査の結果、新住所の判明又は資力の回復等、当該処分を行った事由が消滅している事実を確認したときは、既になした徴収停止を取消し、当該借受人等に対する償還事務を再開する。
第5 債権の放棄
1 債権放棄の対象
消滅時効に係る時効期間が経過し、かつ、債務者が時効の援用をすると見込まれるときは、東京都債権管理条例第13条に基づき、当該債権及びこれに係る違約金に係る債権を放棄することができる。
なお、債権の放棄をしようとする債権は、原則として次の要件を全て満たすものとする。
(1) 督促、催告、交渉、調査など、相当程度の徴収努力を行い、その記録があるもの
(2) 他の法令等の手続により債権の消滅等に至ることがないもの
(3) 既に民法又は商法に定める消滅時効に係る時効期間が完成しているもの
(4) 徴収努力の状況を踏まえ、実質的に回収不能であり、債務者が債務を履行しない(債務者が時効の完成を主張して援用をすると見込まれる)と考えられるもの
(5) 行方不明等により事実上債務者から援用の確認が出来ないこと。
2 債権放棄案件の報告
決定権者は、当該債権が前記1に該当し、放棄する必要があると認める場合は、東京都母子及び父子福祉資金債権放棄案件報告書(要領第20号様式)を作成し、関係書類を添えて、知事に提出すること。(別に定める期日までに提出を求める。)
3 債権放棄の決定
(1) 知事は、放棄の可否を決定し、その結果を決定権者に通知する。
(2) 決定権者は、知事から債権の放棄を決定した旨の通知があった場合は、関係書類を知事に引き継ぎ、不納欠損処分を行う。その他の場合は償還台帳その他関係書類に必要事項を記載し、引き続き償還事務を行なうこと。
附則
1 この要領は、平成18年2月14日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子福祉資金事務取扱要領(以下「旧要領」という)の規定によりなされた手続きその他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
3 旧要領の規定による用紙で、この要領実施の際、現存するものについては、当分の間、所要の修正を加えてこれを使用することができる。
附則
1 この要領は、平成19年3月23日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子福祉資金事務取扱要領(以下「旧要領」という)の規定によりなされた手続きその他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
附則
1 この要領は、平成20年4月1日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子福祉資金事務取扱要領の規定によりなされた手続その他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
附則
1 この要領は、平成21年4月1日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子福祉資金事務取扱要領の規定によりなされた手続その他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
3 旧要領の規定による用紙で、この要領実施の際、現存するものについては、当分の間、所要の修正を加えてこれを使用することができる。
附則
1 この要領は、平成21年6月5日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子福祉資金事務取扱要領の規定によりなされた手続その他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
3 旧要領の規定による用紙で、この要領実施の際、現存するものについては、当分の間、所要の修正を加えてこれを使用することができる。
附則
1 この要領は、平成22年3月31日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子福祉資金事務取扱要領の規定によりなされた手続その他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
3 旧要領の規定による用紙で、この要領実施の際、現存するものについては、当分の間、所要の修正を加えてこれを使用することができる。
附則
1 この要領は、平成23年3月9日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子福祉資金事務取扱要領の規定によりなされた手続その他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
附則
1 この要領は、平成26年10月1日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子福祉資金事務取扱要領の規定によりなされた手続その他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
3 旧要領の規定による用紙で、この要領実施の際、現存するものについては、当分の間、所要の修正を加えてこれを使用することができる。
附則
1 この要領は、平成27年4月1日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子及び父子福祉資金事務取扱要領の規定によりなされた手続その他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
3 旧要領の規定による用紙で、この要領実施の際、現存するものについては、当分の間、所要の修正を加えてこれを使用することができる。
附則
1 この要領は、平成27年10月20日から適用する。
2 この要領適用の際、現に改正前の東京都母子及び父子福祉資金事務取扱要領の規定によりなされた手続その他の行為は、この要領によってなされたものとみなす。
3 旧要領の規定による用紙で、この要領実施の際、現存するものについては、当分の間、所要の修正を加えてこれを使用することができる。