○荒川区における老人福祉法に規定するやむを得ない事由による措置に関する要綱

平成20年1月25日

制定

(19荒福福第2433号)

(副区長決定)

(目的)

第1条 この要綱は、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第10条の4第1項各号又は第11条第1項第2号に規定するやむを得ない事由により、介護サービスの利用等(同法第10条の4第1項各号に規定する介護保険法(平成9年法律第123号)の規定に基づく介護サービスの利用又は老人福祉法第11条第1項第2号に規定する介護保険法の規定に基づく施設への入所をいう。以下同じ。)が困難な者に対して、区が職権により介護サービスの利用等を行わせること(以下「措置」という。)について、その適用基準、手続等を定めることにより、措置を円滑に行い、もって区民福祉の向上に寄与することを目的とする。

(対象者)

第2条 この要綱による措置の対象となる者(以下「対象者」という。)は、区内に居住する65歳以上の高齢者(以下「高齢者」という。)であって、老人福祉法第10条の4第1項各号及び第11条第1項第2号に規定するやむを得ない事由により介護サービスの利用等が著しく困難である者とする。

2 前項のやむを得ない事由とは、高齢者が次の各号のいずれかに掲げる状態にある場合をいう。

(1) 養護者から虐待を受け、その虐待から保護される必要があると認められる場合

(2) 認知症その他の理由により意思能力が乏しい場合であって、かつ、本人を代理する親族等がいない場合

(3) 養護者の心身の状態に照らし、養護者が支援を受ける必要があると認められる場合

(4) 前3号に準ずる場合として福祉事務所長(以下「所長」という。)が認めた場合

(調査)

第3条 所長は、前条第2項各号に掲げる状態に陥っている高齢者を確認した場合又は地域包括支援センター、民生委員等の関係機関から当該高齢者の存在の通報を受けた場合は、関係機関と連携協力し、速やかに当該高齢者及びその養護者等の状態及び状況について、実態把握のための調査を行うものとする。

(措置の決定)

第4条 所長は、前条の調査実施後、速やかに、対象者の福祉を担当する課並びにその支援に連携が必要となる課の課長、係長及び担当職員で構成する措置対応方針決定会議(以下「会議」という。)並びに入所判定委員会(荒川区老人ホーム入所判定委員会設置要綱(昭和61年12月1日制定)に規定する荒川区老人ホーム入所判定委員会をいう。)を開催し、当該対象者及びその養護者への対応方針を決定の上、措置を行うものとする。ただし、緊急を要する場合は、所長は、会議での対応方針の決定を経ずに当該措置を行うことができるものとする。

(要介護状態等の審査)

第5条 区長は、前条の規定により措置を行うこととした対象者(以下「被措置者」という。)が介護保険法による要介護認定を受けていない場合は、東京都高齢者虐待対応マニュアル(平成18年3月発行)第5章3[図表5―4]の規定に基づき、職権により要介護認定を実施するものとする。

(介護サービスの利用等の委託)

第6条 所長は、被措置者に対する措置を行うに当たっては、社会福祉法人、民間事業者等(以下「事業者等」という。)に介護サービスの利用等を委託するものとする。

2 所長は、前項の規定により事業者等に介護サービスの利用等を委託するに当たっては、委託依頼書(別記第1号様式)により事業者等に依頼し、その承諾を得た後、介護サービスの利用等の委託に関する契約書を事業者等と締結するものとする。

(費用の支弁)

第7条 区長は、前条の規定により事業者等に介護サービスの利用等を委託した場合は、当該介護サービスの利用等の実施に要した費用(当該介護サービスの利用等について、被措置者が介護保険法の規定による保険給付等を受けた場合には、当該保険給付等相当額(生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による介護扶助を受けた場合にあってはその介護扶助相当額を、介護保険法の規定による利用者負担額の軽減措置を受けた場合にあってはその軽減額を含む。以下同じ。)を除く。)を事業者等に支弁するものとする。

(費用の請求等)

第8条 第6条の規定により介護サービスの利用等の委託を受けた事業者等(以下「受託者」という。)は、当該介護サービスの利用等の実施に要した費用(前条の保険給付等相当額を除く。)を1月分まとめて、委託費請求書(別記第2号様式)に当該介護サービスの利用等の実施状況が確認できる資料を添付して、翌月末日までに区長に請求するものとする。

2 区長は、前項の規定による請求があったときは、その内容を確認し、速やかに事業者に費用を支払うものとする。

(被措置者等に対する請求等)

第9条 所長は、前条の規定により受託者に支払われた費用については、老人福祉法第28条の規定により、被措置者又はその扶養義務者に対し、措置費請求書(別記第3号様式)により請求するものとする。ただし、被措置者又はその扶養義務者が次の各号のいずれかに該当する場合は、その費用の一部だけを徴収し、又は費用を徴収しないことができるものとする。

(1) 震災、火災その他これに類する災害により、住宅、家財その他の財産について著しい損害を受けたとき。

(2) 死亡し、又は心身に重大な障害を受け、若しくは長期間入院したことにより収入が著しく減少したとき。

(3) 失業等により収入が著しく減少したとき。

(4) その他費用の徴収が困難であると所長が認めたとき。

2 前項の扶養義務者は、東京都が定める老人ホーム入所措置等事務の手引(平成15年4月発行)第11の4の規定により認定するものとする。

(措置の変更)

第10条 所長は、被措置者が他の福祉制度による援助を受けることが適当であると認めた場合は、措置の内容を変更し、又は中止するものとする。

2 所長は、前項の規定により措置の内容を変更し、又は中止したときは、措置(変更・中止・解除)兼委託契約解約通知書(別記第4号様式)を受託者に送付するものとする。

(措置の解除等)

第11条 所長は、被措置者が次の各号のいずれかに該当した場合は、措置を解除するとともに、第6条第2項の規定により締結した委託契約(以下「委託契約」という。)を解約するものとする。

(1) 第2条第2項第1号に該当した被措置者が、本人を代理する親族等(同号の養護者を除く。)を通じて介護サービスの利用等に関する契約を締結し、介護老人福祉施設等に入所したことにより、当該養護者による虐待から離脱したとき。

(2) 第2条第2項第2号に該当した被措置者が、成年後見制度の活用等により後見人等を通じて介護サービスの利用等が可能となったとき。

(3) 第2条第2項第3号に該当した被措置者が、養護者から適切な養護を受けられるようになったとき。

(4) その他所長が措置を解除することが適当であると認めたとき。

2 前項の規定にかかわらず、所長は、同項第1号又は第3号に該当する者が、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)第13条の規定により面会の制限を受けている場合にあっては、措置を解除しないものとする。ただし、この場合であっても委託契約については、解約するものとする。

3 所長は、第1項の規定により措置の解除及び委託契約の解約をしたとき、又は前項の規定により委託契約の解約をしたときは、措置(変更・中止・解除)兼委託契約解約通知書を受託者に送付するものとする。

(成年後見制度の活用)

第12条 区長は、被措置者の介護サービスの利用等に関する契約の円滑な締結に寄与するため、老人福祉法第32条に規定する審判を請求すること等により民法(明治29年法律第89号)に規定する成年後見制度の活用を促進するものとする。

(その他)

第13条 この要綱に定めるもののほか、この要綱の実施について必要な事項は、福祉部長が別に定める。

様式 略

荒川区における老人福祉法に規定するやむを得ない事由による措置に関する要綱

平成20年1月25日 種別なし

(平成26年2月28日施行)