○荒川区住宅基本条例

平成5年12月17日

条例第25号

(目的)

第1条 この条例は、荒川区(以下「区」という。)における住宅政策の基本理念及び施策の基本となる事項を定めることにより、区民の住生活の安定及び向上を図り、もって地域産業と住環境が調和した地域社会の維持及び発展に寄与することを目的とする。

(住宅対策の基本理念)

第2条 区は、安全で快適な住宅及び良好な住環境を確保することが安定した区民生活にとって欠くことのできない基礎的な条件であることを認識し、区民の誰もが安心して住み続けられる住生活の実現を目指し、住宅に関する施策を総合的に推進するものとする。

(区長の責務)

第3条 区長は、前条に定める住宅対策の基本理念を実現するため、住宅に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。

2 区長は、前項の規定により住宅に関する施策を実施する場合においては、必要に応じ、国、東京都その他の関係機関と密接な連携を図るものとする。

(区民等の責務)

第4条 区民は、居住水準の向上及び良好な住環境の形成に努めるものとする。

2 事業主は、その雇用する勤労者の住生活の安定及び向上に努めるものとする。

3 開発事業者(都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為又は建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第13号に規定する建築を行う者をいう。以下同じ。)は、区長が実施する住宅に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(調査及び情報提供)

第5条 区長は、区内の住宅及び住環境の実態を的確に把握するため、必要な事項について調査を行うとともに、当該事項等に関する情報を区民等に提供するよう努めるものとする。

(荒川区住宅マスタープランの策定)

第6条 区長は、荒川区住宅マスタープラン(区における住宅施策を総合的に推進するための基本となる計画をいう。以下同じ。)を策定するものとする。

2 荒川区住宅マスタープランにおいては、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 居住水準及び住環境水準の目標

(2) 住宅供給の目標年次及び目標量

(3) 前号の目標量を達成するために必要な住宅供給の促進に関する施策

(4) 前3号に掲げるもののほか、区長が必要と認める事項

3 区長は、区内の住宅需給の動向その他社会経済情勢の変化に応じて、荒川区住宅マスタープランの見直しを行うものとする。

(定住の促進)

第7条 区長は、定住人口及び均衡のとれた人口構成の確保を図るため、必要な施策の実施に努めるものとする。

(公共住宅の整備)

第8条 区長は、区民の住生活の安定及び向上に寄与するため、自ら住宅を供給し、民間の住宅を借り上げ、若しくはこれらの住宅を適切に管理し、又は他の公的住宅の供給主体に対して住宅建設・改善等について働きかけることにより、公共住宅の整備に努めるものとする。

2 区長は、前項の規定により公共住宅を整備するに当たっては、高齢者、障害者等の福祉の増進を図るよう必要な配慮に努めるものとする。

(区民等の住宅の建設等に係る支援)

第9条 区長は、区民等が良質な住宅を建設し、又は住宅の質を向上させるための改良等を行う場合においては、資金的及び技術的な支援を行うことができる。

(家賃助成)

第10条 区長は、民間賃貸住宅に居住する区民のうち、特に援助を行う必要がある者に対して、家賃等の一部を助成することができる。

(中小企業従業員住宅に係る支援)

第11条 区長は、中小企業者が区内において中小企業従業員住宅(中小企業者がその雇用する従業員のために確保する住宅をいう。)を建設し、購入し、又は改良する場合においては、資金的な支援を行うことができる。

(民間賃貸住宅における入居等に関する啓発)

第12条 区長は、高齢、障害、国籍等の理由により、民間賃貸住宅における入居及び居住の継続が制約されることがないよう、賃貸人その他の関係人に対する啓発に努めるものとする。

(まちづくりに関する施策との一体性の確保)

第13条 区長は、良質な住宅の供給及び良好な住環境の形成を図るため、住宅に関する施策とまちづくりに関する施策とを一体的に推進するよう努めるものとする。

(開発事業者への要請等)

第14条 区長は、開発事業者に対し、居住水準の向上及び良好な住環境の形成を図るため、必要な事項を要請することができる。

2 区長は、開発事業者が前項の規定に基づく要請に応じない場合は、これに応じるよう勧告することができる。

(財源の確保)

第15条 区長は、住宅に関する施策を円滑かつ計画的に実施するため、必要な財源の確保に努めるものとする。

(住宅対策審議会)

第16条 区の住宅に関する施策について重要な事項を審議するため、荒川区住宅対策審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、区長の諮問に応じ、前項の事項を審議し、答申する。

3 審議会は、第1項の事項に関し特に必要と認める場合は、区長に意見を述べることができる。

4 審議会は、区長が委嘱し、又は任命する委員15人以内をもって組織する。

5 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。

6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、荒川区規則で定める。

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例の施行の際、現に存する荒川区住宅マスタープランは、第6条第1項の規定により定めたものとみなす。

荒川区住宅基本条例

平成5年12月17日 条例第25号

(平成5年12月17日施行)