荒川区


ネズミの上手な退治法

人間とネズミの闘いは、有史以前から始まっているといわれています。静岡県の登呂遺跡に造られた古い時代の倉庫に”ネズミ返し”らしいものが取り付けられていました。
最近は、従来から生息していたドブネズミが減少し、警戒心が非常に強く、垂直行動が得意なクマネズミが、増加していると言われています。
ネズミは、食品を食い荒らすだけでなく、サルモネラ菌や赤痢菌などを媒介したり、ネズミに寄生しているイエダニが人を吸血するなどの衛生上の被害を発生させます。
また、家屋、家具を始め、ビルのコンピューターの配線をかじられるなどの経済的な被害も見過ごすことができません。
保健所の窓口ではネズミ防除の相談を受けるとともに、バネ式やかご式のトラップを貸し出しております。
また、毎年12月を一斉ネズミ駆除月間とし、町会を通じてネズミのいる希望世帯に殺そ剤を配布しています。
町会を通じての配布が受けられなかった世帯については、保健所の窓口でも冬季に限り殺そ剤を差し上げております。ネズミの特性や習性を十分に理解した上で、ネズミの退治をしましょう。

ネズミの種類と習性

ネズミの種類

日本に生息するネズミの種類は数十種ありますが、屋内に定着して生息するのは次の3種類です。保健所に寄せられる相談では、クマネズミに関するものがほとんどです。

ドブネズミ

3種の中では一番大きく、どう猛で、成熟すると体長22から26センチメートル、体重200から300グラムになり、耳は厚くて小さく、尾の長さは体長よりもやや短い種類です。
厨房、台所、浴室など主に地上周辺で活動し、下水管などを通しても建物に侵入します。雑食性で植物質、動物質など何でも餌にします。

クマネズミ

体長15から20センチメートル、体重100から150グラムとドブネズミよりややスリムで小型、体より長い尾と大きな耳を持っていて、かなり警戒心が強く、臆病です。
垂直行動が得意で、パイプや電線を伝わることができ、屋内では天井裏など比較的高いところで活動します。
都会のビルに多く見られ、近年住宅地でもその被害が増えています。食性はどちらかといえば植物質のものを好みますが、昆虫なども食べているようです。

ハツカネズミ

体長5から10センチメートル、体重12から15グラムと小型で、ドブネズミやクマネズミの子供と間違えやすい大きさです。耳は丸く大きく、足は細く、尾は体長より短く、警戒心は他種より弱いようです。クマネズミと同じような場所に生息しますが、それほど広い範囲で活動しません。雑食性ですが、植物質を好みます。

ネズミの習性

  1. 夜間行動する:ネズミは多くの場合、夜間に活動しますが、人の活動が見られないような場合には、昼間出没して活動することもあります。
  2. 通路や、物陰に沿って行動し、通り道は一定しています:ネズミの通路となる柱、パイプや壁面には体の油と汚れで黒光りした跡ができます。このような跡を「ラットサイン」といい、ドブネズミとクマネズミでは異なった特徴を示します。
  3. あちこちかじりまわる:かじり跡はネズミの存在を示すものとなります。ネズミは歯が1年間に1センチメートルぐらい伸びるため、絶えず何かをかじって、歯を削っていないと食べ物が食べられなくなります。
  4. 新しいものや状況には、特に警戒心が強い:ワナを仕掛けるときには、普段の状態からあまり変えないほうがよい。
  5. 繁殖力が強い:生後3ヵ月から出産し、年に6から7回分娩し、1回に6から8匹の子供を産みます。寿命は2から3年です。
  6. 雑食性で少量ずつ1日に自分の体重の約4分の1の量を食べます。

ネズミの駆除方法

ネズミの駆除には、環境対策による防除、捕獲器具による駆除、薬剤による駆除の3つの方法があります。
「ネズミ防除の基本は環境対策」
ネズミを防除するためには、ネズミが住みにくい環境を作ることが基本です。
「捕獲器具(トラップ)や薬剤は補助手段」
トラップや薬剤による駆除は、環境対策を行ってはじめて効力がでます。

環境的防除

環境的防除とは直接ネズミを駆除するのではなく、ネズミが近寄りにくい環境をつくることです。
ポイント1:餌となる食べ物をなくす。
食料品等の収納と保管及び台所の整理整頓に注意し、生ゴミや水を放置しないようにしましょう。
ポイント2:巣づくりの場所や材料を与えない。
床下、天井裏、押入れ、引き出し等に巣づくりしますので整理整頓、清掃管理に心がけましょう。
紙屑、布きれ、ビニール、ゴム等が巣づくりの材料となりますので放置しないようにしましょう。
ポイント3:出入口をふさぐ。
通気口には金網を張り、パイプの貫通部分の隙間などはふさぐようにしましょう。2センチメートル程度の穴でも通りぬけることがあります。保健所では、「ネズミの侵入箇所点検実例写真集」を配布しています。

器材による駆除

器材(トラップ)には、餌を使用するタイプ[圧殺式(バネ式パチンコ)と生け捕り式(カゴ式ネズミ捕り)]と、餌を使用しないタイプ[粘着式トラップ]があります。
これらは使用上の注意をよく読み、取扱いに注意しましょう。なお、これらのトラップは、雑貨店や薬店等で販売されています。また、バネ式とカゴ式のトラップは保健所の窓口で貸出もしております。
器材を仕掛けるときの注意

  1. ネズミの餌となるものを片付けましょう。ネズミを空腹状態に追い込みます。
  2. ネズミがよく活動する場所や通り道付近の壁際にできるだけ数多く仕掛けます。
  3. バネ式やカゴ式は水に濡れた場所でも有効ですが、粘着式は乾いた場所か、濡れているときは雑巾で拭いてから仕掛けます。
  4. バネ式はバネで強くはさむので取扱いに注意し、ペットを飼っていたり小さなお子さんのいる家には向きません。セットには餌を先につけておき、バネがはじける側を持たないようにして、振動を与えないように置く必要があります。
  5. 餌を使用するタイプでは、餌としてサツマイモやさつま揚げなど新鮮な材料を使用します。
  6. ネズミは用心深いので、根気よく駆除を行ってください。

薬剤による駆除

薬剤(殺そ剤)には慢性毒性殺そ剤(クマリン系)と急性毒性殺そ剤(シリロシド、ノルボルマイド等)があります。慢性殺そ剤は、毎日少しずつ毒を累積することにより効果が上がり、急性殺そ剤は、体内に取り込まれると比較的短時間で効果が現れるものです。
使用上の注意・説明書をよく読み、取扱いには十分気をつける必要があります。特に子供やペットの誤飲・誤食に注意しましょう。殺そ剤は雑貨店や薬店等で販売されています。また、冬季には町会を通じて殺そ剤を配布するとともに保健所の窓口でも見本程度差し上げております。
殺そ剤の効果はネズミの種類により差があり、ドブネズミは比較的警戒心が薄く、殺そ剤にも感受性が高いので、効果をあげやすいですが、クマネズミは警戒心が強く、喫食性が比較的悪く、薬剤に抵抗性があるネズミも出現しています。
薬剤を使用するときの注意

  1. 暑い時期に薬剤を使用すると、隠れたところで死んだネズミが腐敗して、悪臭やウジ発生の原因となりますので、冬季以外の使用は避けてください。
  2. ネズミの餌となるものを片付けましょう。ネズミを空腹状態に追い込みます。
  3. ネズミがよく活動する場所や通り道付近に仕掛けます。
  4. 殺そ剤のままで喫食しない場合は、ネズミの好む餌(ふかし芋、ご飯、さつま揚げ、チーズ、ソーセージ等)に混ぜて団子にしたり、まぶしたりしてみましょう。
  5. 薬店等で販売されている殺そ剤のほとんどは、慢性毒性の薬剤です。慢性毒剤は4から5日以上続けて食べさせて始めて効果が現れます。
  6. 死んだネズミは、新聞紙などで包んで、燃えるゴミとして処理してください。

お問い合わせ

健康部生活衛生課
〒116-8502荒川区荒川二丁目11番1号
電話番号:03-3802-3111(代表)
ファクス:03-3806-2976


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