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更新日:2022年3月16日

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鋳造 菓子満(かし みつる)

鋳造の技術

鋳型を作り、高温で溶解させた金属を鋳型に注ぎ込み、目的の形に固める技術。鋳金は、金属工芸としての名称で、主に砂型とよばれる鋳型を使って製造する。
弥生時代に朝鮮半島から石型を用いた銅鐸、銅剣等の青銅器の武具製造が伝わったという。また、飛鳥時代に仏教伝来とともに真土(まね)という粘土製の型を使用する新鋳造技術が伝わり、世界最大の鋳造品、東大寺の大仏を製造するに至った。中世以降、鋳物師(いもじ)により広まり受け継がれてきた。近世の江戸城下においては、椎名伊予守、西村和泉守などの鋳物師が活躍した。

職人のプロフィール

菓子さんの父・十平氏は富山県出身で、台東区浅草の大賀房次郎氏に師事して技術を修得した。菓子さんは昭和35年に東京芸術大学を卒業、さらに専攻科に進学し、修了後、父の跡を継いだ。
菓子さんは、江戸の鋳物師・西村和泉守の系譜を継ぎ、伝統的な技法である粘土製の型「真土型(荒木田土と青砂を半々に混ぜたもの)」を用いて、美術工芸品や彫刻などの鋳造を行っている。特に細かな作品を正確に鋳造する高度な技術を保持している。
鋳型に湯(金属を溶かしたもの)を流し込むまでの準備に何カ月も費やすといい、鋳型づくりの段階で出来上がりが大きく左右されるという。
もともと屋外などに大型鋳造を手掛けていたが、現在では家庭で飾ることのできる小型作品を製作している。
荒川ふるさと文化館の屋外展示「橋本左内の墓旧套堂(荒川区登録有形文化財)」の中にある「橋本左内座像」は、交流都市である福井県から寄贈された像を原型として、菓子さんが鋳造したもの。

  • 昭和63年度 荒川区登録無形文化財保持者に認定
  • 平成20年度 荒川区指定無形文化財保持者に認定
  • 平成23年度 卓越した技能者(現代の名工)の表彰受賞
  • 平成28年 黄綬褒章受章
菓子さん
菓子さんの作品
  • 一輪挿し シンデレラ 80,000円

 

 

 

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地域文化スポーツ部生涯学習課荒川ふるさと文化館

〒116-0003荒川区南千住六丁目63番1号

電話番号:03-3807-9234

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