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扇子は日本で誕生した工芸品。「扇」とよばれ、8世紀の平城京跡から柾目檜製の薄板を束ねた檜扇が出土している。また、竹・木等などを扇骨として紙・絹を貼った蝙蝠扇(紙扇)が9世紀ごろ発明され、檜扇・蝙蝠扇の二種が宮中の正装に欠かせない服飾品として用いられてきた。
扇の需要が高まるにつれ、中世には、専業化して扇屋・扇師と称する職人が誕生した。近世には、江戸でも製造されるようになり、江戸の人びとにも普及していった。
京扇子が各工程を分業制で行うのに対し、江戸の扇子職人は30以上あると言われる製作工程を一貫して行う技術を有している。
深津さんは江戸時代末期から続く、雲錦堂深津扇子店の五代目。父・鉱三氏(元荒川区指定無形文化財保持者)もとで修業し、技術を修得して、受け継いでいる。
複数の職人で分業して製作する京扇子と異なり、深津さんが製作する江戸の扇子は、図案起こしから仕上げまでの30以上の工程を一貫して行う。
近年、良質な紙が希少となり、材料の確保が困難になるなかでも、伝統的技法で扇子を作りつづけている。また、若手のデザイナーの図柄をプリントしたものや、インド更紗を地紙に貼ったものなど、新しい発想を取り入れた扇子づくりにも取り組んでいる。
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