更新日:2022年6月30日
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成田市最大のイベントである「成田祇園祭」は令和3年に300年目を迎えましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため本祭は中止となり、記念行事は縮小して行われました。
今年度、改めて記念行事として関東近辺の有名な山車人形の展示を行うにあたり、成田市から、三河島山車人形・熊坂長範と稲田姫を保存する荒川中央町会と三河島山車人形稲田姫保存会に出展の依頼があったことで、本展の出展に至り、去る6月22日(水曜日)、成田市において人形の組み立て作業を行いました。
三河島山車人形は、荒川区指定有形民俗文化財で、毎年6月上旬に行われる南千住六丁目の素盞雄神社の天王祭(区登録無形民俗文化財)でお披露目されています。
長範は、謡曲「熊坂」などで知られる平安末期の伝説的盗賊です。岩に座り、大太刀をさし右手に薙刀を構えて大きく見得を切る姿をしています。玉眼を回転させると勇ましい目が現われるという二つの形相に変化するからくりの作例として貴重な人形です。かつては、三河島村(現荒川地区)で曳き廻されましたが、現在は町会の神酒所に飾られています。令和元年の天王祭では、御大典を祝し素盞雄神社神楽殿に飾られました。
熊坂長範(くまさかちょうはん)
稲田姫は、記紀神話に登場するスサノオノミコトの妻クシイナダヒメ。豪華な打掛・袴をまとい左手に巻子状の持物を持ち、鏡を首に掛けます。道具も衣裳も当初のもので、頭(かしら) の箱に文久元年(1861)の墨書があります。
近代には街中を曳き廻されていましたが、今は稲田姫保存会を構成する荒川四丁目西仲睦会・荒川文化会・大西町会・荒川宮地町会の内、年番の神酒所に飾ることが慣例とされています。近年は三河島稲荷(荒川三丁目)でお披露目されています。また、3年に一度の本まつりには、素盞雄神社の神楽殿に飾られます。
稲田姫(いなだひめ)
荒川区の文化財が区外でお披露目できる良い機会となりました。修理して初めての展示でしたので大切にしてきた熊坂への思いを深めることができました。
このような大きなお祭りに稲田姫が展示されていることにとても感激いたしました。荒川区以外の方にも稲田姫の魅力を知って貰えたら嬉しいです。
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