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初湯は銭湯で!天然素材100%の変わり湯と「ながし」が自慢 日暮里 斉藤湯

斉藤湯
〒116-0014 荒川区東日暮里6-59-2
TEL:03-3801-4022 16:00〜0:00 金曜日定休
入浴料:12歳以上450円、6歳以上180円、6歳未満80円
ホームページ:http://saito-yu.com/

荒川区内の銭湯一覧:
http://www.city.arakawa.tokyo.jp
/kanko/miryoku/sento.html

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斉藤湯ご主人の斉藤勝輝さん

のれんをくぐればいつもの顔が「いらっしゃいませ」と微笑んで、なみなみと熱い湯につかれば1日の疲れや苦労も溶けてゆく、お馴染みさんとの世間話に花をさかせ、心身共にスッキリサッパリの「銭湯文化」ここに在り!
銭湯を知らないなんてアナタ!人生損しますよ。
荒川区は数多くの銭湯が残りますが、今回は斎藤湯のご主人にお話を伺いました。

三助さんのいる銭湯で話題になっていますね。

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最期の三助、橘秀雪さん

「日本で唯一、三助さんがいる銭湯」「日本最期の“三助”」とマスコミで引っ張りだこですが「三助」は「風呂屋の番頭」のことで、以前はどこの銭湯にもいました。
本来業務は釜炊き用の燃料集めや湯加減の温度調整で、空き時間に「ながし」を努めます。機械化で釜炊きや湯加減の必要が無くなり、今では多くの銭湯が番頭を置かなくなりました。でもうちは昔から変わらないことをやっているのですが、ほかが居なくなっちゃったから希少価値が出たんですかね。

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「ながし」を希望の場合は番台で木札400円を求める。

番頭が「ながし」で稼いだ分については、給料日とは別に休日前に現金で支払うというのが昔からの決まりごとです。これは奥さんが把握出来ない金ということで丸々番頭の「小遣い」になる(笑)。頑張った分が稼ぎになるから仕事に対するモチベーションもあがるしね。休み前に自由に遊べる金を渡す所が風呂屋の主人の粋な計らいです。

斎藤湯はご主人で3代目と伺いました。

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男湯には裸でくつろげる縁側と坪庭もある

もとは祖父母が昭和4、5年頃に三河島で「谷中湯」を始めたのが最初でした。父が家業を継いでからは、開業した銭湯が軌道に乗ったら番頭に任せるという方式で中野や蒲田の方まで多角経営していました。うちは番頭の橘もそうですが、富山県や石川県から番頭や女中が次々と上京して来ましたね。
子どもの頃は銭湯の新設と引越がいつもセットで、小学校入学時に「ほまれ湯」中学校入学時に「むつみ湯」高校入学時に「斎藤湯」と移り住みました。番頭も女中も同じ屋根の下に住んでいたので、私たち家族以外に番頭2人、女中4人の大所帯だった時もあります。

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モダンなモザイクタイルが印象的

今の建物は区画整理に伴って昭和35年に建て替えた木造建築ですが、富士山のペンキ絵が当たり前だった時代に、幾何学模様でアールデコ風のモザイクタイルが斬新でした。
富士山のペンキ絵は絵の下の広告スペースを提供する代わりに無料で定期的に描いてくれていたんですよ。タダで綺麗に仕上げてくれるのにモザイクタイルにするなんてもったいないなぁと思いましたが、今思えば父はなかなかモダンな男だったんですね。

銭湯の良さはどんなところでしょうか。

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「わ」の板で「わいた」反対側は「ぬ」で「ぬいた」

銭湯の良い所は「コミュニケーション」。「○○の子どもが結婚した」「○○に店がひらいた」などお客さん同士が楽しく会話しています。他愛のない会話の中に安心感や安堵感があるでしょ。何よりも湯に浸かることで血行が良くなり1日の疲れが抜ける感じですよね。

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温かい雰囲気のカウンター式番台

八百屋、肉屋、魚屋、呉服屋、下駄屋、乾物屋というように町には人が生活するための商店があり、その中のひとつに銭湯もある。大きなスーパーが出来て仲間が店を畳んでいくのは実に寂しいものです。内風呂が当たり前の時代に銭湯経営は決して楽ではありませんが、通ってくださるお客さんがいる限り、私は1日でも永く続けていきたいと思います。また番頭の橘は先々代からいて家族同然ですからね、今まで持ちつ持たれつでやってきたのに私の意志や都合で営業を止めるなんて出来ないですよ。
なんといっても地図の中に風呂屋のマークがあるっていうのは良いものでしょう(笑)。

斎藤湯の売り「変わり湯」について教えてください。

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ご主人手作りの灯がお客さんを迎える

妻は栃木県茂木の農家の出身で私たちは「たんぼでデートして肥(恋)に落ちた」んです(笑)。茂木は柚子が有名で、正月の朝湯に茂木産の柚子湯をはじめました。
その後、息子の知人を通じ鹿児島から傷がついたり擦れてしまった「はねもの」の柑橘類を大量に送ってもらうルートが出来て、天然素材100%のたんかん湯、文旦湯、金柑湯なども行うようになりました。
変わり湯ひとつにも壮大な人が関わっているんですよ。皆さんの協力、支えがあって成り立っていると思うと感謝の気持ちでいっぱいです。
人間というのは、どこか狡いところがあるものですが、多くの人に助けてもらってパワーが繋がっている“縁”に気が付いた時から、素直に「ありがとう」と言えますね。そして「ありがとう」と言っているうちに様々なことが好転していくように感じます。

K.Oさん「ながし」体験レポート
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なかなか流すことが難しい背中の中心をゴシ・ゴシ・・・とちょっと背中が軽くなりました。

ながしだけだと思っていたら、首筋〜肩〜指先をほぐしてくれて、目をつぶってウト・ウト気分になっていたら、いきなり『パパン・パンパン』と爽快なリズムで我に返りました。

身体も心も癒され、ほんとに気持ち良かったです。
是非、体験をお勧めします。



 
平成21年12月掲載記事
問い合わせ先 荒川区管理部情報システム課
電話:03-3802-3111(内線 2151)

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