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悩み解決!大作戦 アルコール依存症を知っていますか > インタビュー

アルコール・薬物依存症からの回復には、同じ病気から回復した、または回復したいと願っている仲間との出会いが必要です。リブ作業所のプログラムは、グループセラピー(ミーティング)を中心にしたプログラムです。通所することで生活のリズムを整え、ミーティングでの分かち合いを通して、アルコール依存症という病気を知り、飲まないで生きてゆくという目的に向かって、その基礎固めをしてゆきます。
(「アルコール依存症リハビリテーションセンター 快復への手がかり」より抜粋)

現在何名くらいの方が通所されていますか。

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現在は30代後半から60代後半までの24名が通所し一割が女性です。
保健所や病院などの医療機関や、飲酒行動による生活破綻で障害者福祉課からの紹介を受けた方もいます。
半数の方が、昼間はデイケアセンターのリブ作業所に、夜間はナイトケアセンターの山谷マック(台東区)に通所し、アルコール依存症からの回復のためにリハビリを行っています。

こちらのセンターに通う手続きを教えてください。

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アルコール依存症は自覚することが非常に難しい病気で、常軌を逸した酒量でも正当性を主張しつつ飲み続けます。飲みたいから認めたくないというのもありますね。認めると飲めなくなりますから(笑)。
最初の面接では「このままじゃ駄目だ」「なんとかしたい」「体が苦しい」など、病気からの回復を願う動機や意思の確認します。その思いが強ければ強いほど次のステップに繋がりやすくなるからです。
基本的にデイケアセンターの通所費用は無料ですが、宿泊施設を伴ったナイトケアセンターでは実費をいただいています。

どのようなリハビリを行うのですか。

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アルコホーリックス・アノニマス(AA)は、アルコール依存症患者が別のアルコール依存症患者に経験を話し、手助けをすることで飲まない生き方を達成する1935年にアメリカで発祥した12ステップのプログラムです。リブ作業所では、このうち1〜3の回復への基礎となるステップを中心に、グループセラピーを行います。定時に通所し生活のリズムを取り戻しながら、プログラムを行うことで自身を見つめ本来の自分を探す作業です。

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このプログラムの利点は「言いっぱなし、聴きっぱなし」が原則ということ。
「こんな生活をしているのは自分だけじゃないか?」ひとりぼっちで酒を飲み、自分を責め不安を感じていた日々…。同病とはいえ年齢も境遇も異なる人の輪の中で、自らの体験を告白するのは勇気が必要ですし「社会に馴染めず、罪悪感や疎外感、孤独感を抱いたアルコール依存症の自分」は常に隠しておきたい存在です。ですから最初は「聴きっぱなし」でも構いません。

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しかし不思議なことに、人の経験談を聴くことで「自分だけじゃなかったんだな」と思えるようになってきます。アルコール依存症は同じプロセスを辿って進行するので、起きた出来事は様々でも共感できる体験が必ずあるですね。一人じゃないと感じることで、自分の中に沈めていた事柄が掘り起こされ、話すことへの抵抗が少なくなります。アルコール依存症患者同士が出会い、時間を共有して、過去を振り返る力が生まれてくるのです。

過去を振り返り原因を見つけることが大切なのでしょうか。

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メカニズムや原因が全て見つかるわけではありません。ただ第三者を客観的に見つめることで「この人は悩みがあり苦しいのではないか」「嬉しいことを言えなくて照れくさいのではないか」など様々なことを感じます。
自分の目でみたその人の状況というのは、少なくとも自分は理解しているわけです。また裏を返せば、私も理解されているといえます。

分かち合いの中で、他人がわかってくれる安心感に気が付き、仲間の存在がアルコール飲みたいという気持ちの抑止力になります。
病気から回復したい気持ちと、自己を少しづつ掘り下げ過去を振り返る努力を続けることで、少なくとも今日は飲まないで生きていけるし、同じ失敗は繰り返しません。「その時々の自分」を見つけ、感じると、ふと今までと違った自分が見つかるのです。

スタッフが元アルコール依存症患者と聞きました。

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スタッフが元患者であることは通所者にとって安心感になります。自立復帰した姿は「こいつが出来るんだったら俺もここから抜け出せるかもしれない」という希望であり、飲まないで仕事をこなす姿は「回復が現実にある」という見本です。
何より病気回復のイメージが具体的になることで、より強いプログラム参加への動機付けにになります。
水先案内人としてスタッフが元アルコール依存症患者であることは大変重要な意味があるのです。

この病気に対して偏見はありますか。

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「アルコール依存症者」イコール「仕事をする気力も失い、酒びたりのだらしない、意志の弱い飲んだくれの碌でなし」という認識が根強く残っているのを感じることがあります。「酒さえ飲まなければいい人なのに」という言葉もよく聞きます。何で状況が悪くなるのが分かっていて、お酒を飲まなければならないのか理解できないのです。
意志が弱いから、自堕落な生活を送っているからそうなるんだと考えがちですが、アルコール依存症は「お酒をコントロールして飲むことが出来ない病気」なのです。また、一人では飲むのを止めることはできません。
アルコール依存症という病名は一般に知られるようになってはきましたが「回復できる病気である」ということを知っていただき、お酒の問題を何とかしたいと思ったら、専門の医療機関や最寄りの保健所等に相談してください。

特定非営利活動法人マック・リブ作業所
〒116-0003
東京都荒川区南千住6-59-16
TEL&FAX:03-3802-1033
E-mail:mac-live@w7.dion.ne.jp

 
平成20年9月掲載記事
問い合わせ先 荒川区管理部情報システム課
電話:03-3802-3111(内線 2151)

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