現在は30代後半から60代後半までの24名が通所し一割が女性です。 アルコール依存症は自覚することが非常に難しい病気で、常軌を逸した酒量でも正当性を主張しつつ飲み続けます。飲みたいから認めたくないというのもありますね。認めると飲めなくなりますから(笑)。 アルコホーリックス・アノニマス(AA)は、アルコール依存症患者が別のアルコール依存症患者に経験を話し、手助けをすることで飲まない生き方を達成する1935年にアメリカで発祥した12ステップのプログラムです。リブ作業所では、このうち1〜3の回復への基礎となるステップを中心に、グループセラピーを行います。定時に通所し生活のリズムを取り戻しながら、プログラムを行うことで自身を見つめ本来の自分を探す作業です。 このプログラムの利点は「言いっぱなし、聴きっぱなし」が原則ということ。 しかし不思議なことに、人の経験談を聴くことで「自分だけじゃなかったんだな」と思えるようになってきます。アルコール依存症は同じプロセスを辿って進行するので、起きた出来事は様々でも共感できる体験が必ずあるですね。一人じゃないと感じることで、自分の中に沈めていた事柄が掘り起こされ、話すことへの抵抗が少なくなります。アルコール依存症患者同士が出会い、時間を共有して、過去を振り返る力が生まれてくるのです。 メカニズムや原因が全て見つかるわけではありません。ただ第三者を客観的に見つめることで「この人は悩みがあり苦しいのではないか」「嬉しいことを言えなくて照れくさいのではないか」など様々なことを感じます。 分かち合いの中で、他人がわかってくれる安心感に気が付き、仲間の存在がアルコール飲みたいという気持ちの抑止力になります。 スタッフが元患者であることは通所者にとって安心感になります。自立復帰した姿は「こいつが出来るんだったら俺もここから抜け出せるかもしれない」という希望であり、飲まないで仕事をこなす姿は「回復が現実にある」という見本です。 「アルコール依存症者」イコール「仕事をする気力も失い、酒びたりのだらしない、意志の弱い飲んだくれの碌でなし」という認識が根強く残っているのを感じることがあります。「酒さえ飲まなければいい人なのに」という言葉もよく聞きます。何で状況が悪くなるのが分かっていて、お酒を飲まなければならないのか理解できないのです。 特定非営利活動法人マック・リブ作業所 |
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