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荒川ゆうネットは、平成16年から22年までに開設されていたサイトです。
内容は、掲載当時のものとなります。

荒川区ニューウェーブ
「日暮里・舎人ライナー」

 日暮里・舎人ライナーは、荒川区の日暮里駅を起点として、足立区の舎人地区に至る延長約10kmの新交通システムです。
平成9年12月からスタートした工事は、インフラ整備(238基に及ぶ支柱と橋桁の建設工事)が平成18年10月に無事完了し、現在はインフラ外部整備(駅舎の建設工事、電気、通信、駅舎設備工事、車両搬入など)を平成19年度末の開業に向けて急ピッチで進められています。
荒川区では日暮里・舎人ライナーの4駅(日暮里駅・西日暮里駅・赤土小学校前駅・熊野前駅)を有することになり、開業後は足立区からの集客も見込まれ、商業区としての発展も期待できます。
現在の工事状況はどこまで進んでいるのか見学してきました。

 

新交通システムとは

 昭和40年代後半以降、急速に車社会化が進み、道路の混雑や渋滞が目立つようになりました。これらに対応する新しい道路の整備にも限界があることから、既にある道路の空間を利用して道路交通の補助的役割を担うことを目的に、新交通整備事業が国の制度として創設されました。
 代表的なものには、浜松町から羽田空港第2ビルを結ぶ「東京モノレール羽田線」や臨海副都心を走る「ゆりかもめ」があります。
 日暮里・舎人ライナーも、尾久橋通りを立体的に利用した専用軌道上を走行するバスと鉄道の中間程度の輸送力をもつ新交通システムで、次のような特徴があります。

安全性・信頼性
 道路上の高架専用軌道を走行しますので、交通渋滞や交通事故の心配がなく、時間どおりに目的地に到着します。

低公害性
 電気を動力としていますので、排気ガスが出ず環境にやさしい乗り物です。

快適性
 車輪はゴムタイヤを使用していますので、騒音・振動が小さく快適な乗り心地です。

その他
 コンピュータの高度利用や車両の軽量化で、建設費や運用費が地下鉄に比べ節約できます。
 日暮里・舎人ライナーは、自動運転システムで、舎人公園にある車両基地からの遠隔操作で、ガイドレール(案内軌条)に従って走らせます。

通勤時間短縮の新たな足として期待

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再開発で様変わりしていく日暮里駅周辺

 駅区間は500メートルから1キロ間隔で、近隣住民の足として便利に利用されるほか、再開発の可能性など多方面での活性化が期待されます。
 足立区舎人地区は、これまで公共交通機関の整備が遅れており、渋滞時には日暮里駅から見沼代親水公園駅付近まで、都バスで約1時間を要することもありました。
 この所要時間が日暮里・舎人ライナーの定時運行で、約20分に短縮されるほか、始発の日暮里駅は平成22年に成田空港を最短36分で結ぶ「成田新高速鉄道」が開業する予定もあり、利便性は飛躍的に向上します。
 日暮里駅前地区では、日暮里・舎人ライナー開業を契機に、活気と賑わいのある街づくりを目指しており、3棟の再開発ビルと日暮里・舎人ライナーの駅舎が歩行者デッキで結ばれ、移動も便利になります。

日暮里駅を訪れてみました

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エスカレーターは全駅に設置

 工事中の日暮里駅を訪れてみました。
 駅舎は高架2層構造で、3階がホームと出改札口、2階がコンコースとなります。お年寄りやお身体の不自由な方も安心して利用が出来るように、エスカレーターやエレベーターが設置されます。

 改札は2階、3階ともに設けられ、3階改札からJR山手線、JR京浜東北線、JR常磐線、京成本線への乗換が可能です。

一般駅駅部標準断面図
駅部標準断面図

 

改札付近
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足場が迷路のように組まれている
ホーム
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見晴らしよく開放感のある設計
R30のカーブ
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軌道内で唯一の急カーブ
※Rは回転半径(Radius)の意。
数値が小さくなるほど急カーブとなる。
天井
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幌素材を使用することで自然光を生かす
テナントスペース
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駅舎内に店舗も入る予定
軌道内
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配線等さまざまな工事が続く

 

車両基地を訪れてみました

 舎人公園の北側にある日暮里・舎人ライナーの車両基地を訪れてみました。

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基地の上部は覆土をし公園として整備されます
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非常停止ボタンと非常通報器

 車両基地の機能は大きくわけて2つあります。
 一つ目は列車の運行を管理する機能で、全ての列車の状況がリアルタイムでわかります。また自動運転システムを支えるため、駅や車内での万が一のトラブルの時にはインターホンにより運輸指令所と直接対話でき迅速に対応できる体制をとっています。

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全車両に運輸指令所と繋がるコンピュータが設置されている

 二つ目は車両を留置し、車両や施設を管理する機能です。車両の点検、検査、修理の他、信号、通信設備、電気施設、案内軌条などの管理も行います。目視による点検の他、自動化出来る部分はすべてコンピュータ制御された最新のシステムです。

オールステンレス車両
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緑は近隣の自然を、桃色は街の活性化を表した直線的な車両デザイン
運転席
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自動運転のため運行時は蓋がかけられている
ゴムタイヤ
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鉄輪と比較して騒音・振動が少なく乗り心地がよい。車両にはドーナツ型のエアーサスペンションも3箇所装備されている
パンタグラフ
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三相交流の600Vを軌道壁面を擦り供給しながら走行する
軌道
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パンタグラフが接触する部分は壁面の3本の線
列車内
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ロングシートと優先席が色分けされた明るい車内
優先席
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ボックス型の優先席は椅子の高さを少し上げることで向かい合った時に膝が当たらない工夫がしてある
吊革
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段違いの吊革は、さまざまな身長にあわせた配慮
座席
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手すりを曲げることで窓際に立つ人との接触を避けられる
車椅子スペース
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3両目に2箇所の車椅子スペースを設けてある
出庫線
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全自動化された車庫内走行路は、係員も含めて立入禁止区域
 

東京都地下鉄建設株式会社
http://www.chikaken.jp/
新交通 日暮里・舎人線
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/douken/tanken/toneri.html


平成19年2月掲載記事
問い合わせ先 荒川区管理部情報システム課
電話:03-3802-3111(内線 2151)

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