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都電荒川線すごろく「荒川車庫・荒川遊園地周辺」

東京に残る唯一の都電、荒川線は、荒川区、北区、豊島区、新宿区内を12.2キロメートルに渡り貫き、30箇所の停留所があります。
荒川区内では、4.83キロ(荒川電車営業所調べ)を走り、4区のうちでも最も多い13箇所の停留所を有しています。
区民にとっては、日常の風景に溶け込んだ親しみのある交通手段といえます。
特集「都電荒川線すごろく」第一回目は、都電荒川線の歴史と荒川車庫周辺についてレポートしました。

 

都電荒川線の歴史

「沿線案内」
昭和12年の王子電気軌道「沿線案内」
市川建三コレクションより
(拡大できます)

 現在の都電荒川線は、明治43(1910)年創業の王子電気軌道株式会社(以下「王電」)が明治44(1911)年より敷設をはじめた路線が基となっています。
 昭和12(1937)年発行の王電沿線案内では、路線が三ノ輪・赤羽・早稲田を終点に王子駅前から「Y」字に延び、飛鳥山や荒川遊園地、尾久温泉が強調されて描かれ、王電が行楽の足としても利用されていたことを伺わせます。
  昭和17(1947)年に王電は戦時統制の強化など様々な理由から、東京市電気局と統合になります。翌年、都制施行に伴い東京都交通局に名称を変更するとともに市電は都電と呼ばれるようになりました。
 昭和18(1948)年は都電の最盛期で路面電車41系統が都内を網の目のように走り、乗車数は1日に193万人を数えました。

写真
交通渋滞に巻き込まれ
立ち往生をする都電

 しかしながら、戦後昭和30年代から始まった高度成長期に自動車の急激な増加による交通渋滞が輸送効率の低下などを引き起こし、路面電車は衰退、撤去を余儀なくされます。
 昭和42(1967)年から都電廃止計画が始まり、昭和47(1972)年にかけて181キロメートルもの線路が順次廃止されていきました。
 その中にあって王電の遺産ともいえる27系統(三ノ輪-赤羽間)32系統(荒川車庫前-早稲田間)は、併用軌道であった王子駅前-赤羽間を除く殆どが専用軌道であったことや廃止後に代替するバス路線が確保出来なかったこと、沿線住民の強い要望などから、27系統を三ノ輪橋-王子駅前に短縮して存続が決まったのです。
 そして、昭和49(1974)年に27系統と32系統は統合され、都電荒川線として現在に至っています。


荒川車庫について

写真
旧船方車庫

 大正13(1924)年に開設されたこの車庫は、王電が東京市電気局に統合されるまで「船方車庫」という名称でした。明治初期までこの辺りは船方村といわれ、大正2(1913)年に開設された停留所も「船方前」と呼ばれていました。
 現在船方という地名は存在しませんが、あらかわ遊園横の船方神社(北区)などに名前が残っています。
 昭和56(1982)年に車掌を廃止したワンマン・カーの荒川基地として改修整備されるまで、とんがり屋根のデザインでコンクリート造りの車両棟が8棟並び王電時代の面影を留めていました。
 現在、荒川車庫は電車営業所、車両検修所、保線出張所、電路区に分かれ都電荒川線の安全運行のために様々な業務を行っています。
 中でも車両検修所は検車部門と修車部分に分かれ、全車両の調整・点検・整備を行います。運行を終えた車両は、車両をとめておく留置線で車輪やパンタグラフ等の主要部品についてチェックを受けた後、トラバーサーという機械で横に平行移動され、出庫線側の留置線で次の運行を待ちます。
 ここには営業者以外にも、東京都の博物館構想に向けた過去の車両などが保管されています。
 都電荒川線の総車両数は41両(7000形23両/7500形13両/8500形5両)で、通常は20台、ラッシュ時は32台が走っています。

「幸せの黄色い電車」 新旧の7500形
通称「幸せの黄色い電車」。レトロカラーに塗装しなおした7000形の一両で総車両数41台分の1の確率で出会える 仲良く並んだ新旧の7500形
点検ピット   ラッピング電車
点検ピット(トンカチで叩いて緩みや歪みを見つける)   ラッピング電車 広告媒体としては都心と比べて下町は安い

 

運転中 東京都交通局の荒川電車営業所には、運転手80名、整備士12名、運輸係15名が所属しています。
 都電を運転するためには動力車操縦者運転免許証の乙種電気車運転免許証が必要です。免許取得の実技は250時間にわたり都電に乗車して修得します。この運転免許証は、東急世田谷線と同じです。
 通常関係者以外立ち入りが禁止されている車庫内は、毎年6月の「路面電車の日」と、10月の「荒川線の日」に一般公開(申込制)を行っています。興味のある方は、東京都交通局ホームページをチェックしてみてください。


都電荒川線のご案内

  • 普通運賃:大人160円 小児80円
  • 都電一日乗車券:大人400円 小児200円(当日限り有効、都電荒川線に何回でもご乗車いただけます)

東京都交通局ホームページ:http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/toden/index.html

コラム●都電グッズ

川の手ウイスキー 都電エクセレンス 川の手ウイスキー 都電エクセレンス・スペシャル

都電ウイスキー「川の手ウイスキー 都電エクセレンス」
販売価格:550ml 1,575円(税込)

都電ウイスキー「川の手ウイスキー 都電エクセレンス・スペシャル」
販売価格:720ml 2,730円(税込)

さまざまな都電グッズも販売しています。

店内荒川遊園地前停留所から徒歩2分の寺島酒店で平成5(1993)年3月発売より販売しているオリジナル商品です。
秩父の清涼な水を信州の澄みきった空気の中でじっくりと熟成されたウィスキーは、香りが高く口に含んだ時のまろやかさが特徴です。ロックや水割りでも香味の足腰が強く、バランスが崩れません。
沿線のバラの中を快走する都電8500形をデザインした素敵なラベルは当店オーナーの奥様が油絵で描かれたものです。オリジナリティを評価する区民が選ぶ「荒川のおすすめ品」にもエントリーしています。


寺島酒店ホームページ:http://www.eva.hi-ho.ne.jp/terashima/

コラム●都電のみえるお店

モスバーガー荒川遊園前店外観
店内からみた都電

店内からみた都電

寺島酒店の隣りのファーストフードのお店、モスバーガー荒川遊園前店の2階では、往来する都電を見下ろすことが出来ます。バラの季節はもちろんですが、あらかわ遊園まで続く桜並木に面していますので春先にもオススメの都電ウォッチングスポットです。

一球さん

あらかわ遊園の都電
「一球さん」

昭和24年から平成13年まで活躍した通称「一球さん」(6000形)は、東京都交通局から荒川区へ譲渡され現在はあらかわ遊園入口で見ることが出来ます。

 
平成18年10月掲載記事
問い合わせ先 荒川区管理部情報システム課
電話:03-3802-3111(内線 2151)

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