荒川ゆうネットアーカイブ
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荒川ゆうネットは、平成16年から22年までに開設されていたサイトです。
内容は、掲載当時のものとなります。

生まれも育ちも荒川区 vol.1「もんじゃ焼き」

「浜作 もんじゃ会館」
住所:荒川区荒川6−4−11 伸和ビル2F
TEL:03-3819-4855
FAX:03-3819-4855
営業時間:
火〜金PM4:00より
土日祭PM12:00よりPM11:00まで
(ラストオーダー10:00)
定休日:毎週月曜日

荒川流もんじゃの作り方はこちら 荒川流もんじゃの作り方はこちら

「生まれも育ちも荒川区」では、元祖荒川区をレポートします。今回は「もんじゃ焼き」です。荒川区っ子の山口八重子さん(浜作女将)にお話を伺いました。

もんじゃ焼きは荒川区が発祥ですか?

「す」を書いてみる。間違ったら匙で簡単に消せるのがよい。

 大正育ちの叔母の記憶によると、当時から三河島の駄菓子屋ではもんじゃ焼きがあったそうです。もんじゃ焼きは「駄物(だもの)」といって、駄菓子屋で出す子ども向けのお菓子のひとつでした。紙が高級品だった時代なので鉄板にメリケン粉を薄く延ばし、子どもたちに字を教えていたと聞きます。「文字焼き」が、もんじゃ焼きの語源というのも、あながち嘘ではないのかもしれません。店の隅に練炭やタドンを置き、その上に鉄板を敷いてもんじゃを商っていたのでしょう。

「あんこ焼き」は和菓子そのもの、出来立てのアツアツが美味しい。

 子どもたちは、もんじゃ焼きの中にあんこ玉を挟んだりソースせんべいに絡ませたりと、駄菓子屋にある他のお菓子と組み合わせては、おいしく食べる工夫をしたようです。それが、もんじゃ焼きのバラエティの多さに発展していったのでしょう。
 駄菓子屋(もんじゃが食べられる所)の多さを考えると、戦後は日暮里に駄菓子問屋街もありましたから、もんじゃ焼きの始まりはやはり荒川区か台東区でしょうね。

もんじゃ焼きとお好み焼きの違いを教えてください。

浜作外観 京成線ガード下の工事に伴い近々移転になる。

 1970年代までは、お好み焼き屋はアベック喫茶のような洒落た色気のある店が多かったようです。かつての尾久三業地にもたくさんあったと聞きますし、花街には必ずと言ってよいほどありました。
 男女が向かい合って会話を楽しみながら、鉄板をつつきあうコミュニケーションの場でもあった訳です。作り方で、この人は丁寧か大胆な人かというのが分かるのも良かったんじゃないかしら。
 また、お好み焼き屋や鍋物屋は、素人がお金をかけないで始めやすい商売だったので、私も28才(1967年)でお好み焼き屋を開店出来ました。
 近所の酒屋の娘さんから、もんじゃ焼きは駄菓子屋の食べ物だけど、取り入れた方が繁盛するとアドバイスしてもらい、直ぐにメニューに加えました。昔からもんじゃ焼きは下町の子どもの心を動かすものでしたし、大人も幼い頃を懐かしがりお好み焼きよりももんじゃ焼きの注文が増すようになりました。
 もんじゃ焼きは東京の食べ物で、関西の方は見た目の悪さで敬遠しますが、一口召し上がっていただくと美味しさが後を引くようです。

もんじゃ焼きの味の決め手は何ですか?

この工具がない時代は、畳屋でヘリを断裁する時に使われる道具を代用していた。

 ベースは粉と水(出汁)とソースで、味の決め手は店ごとに違うソースですね。また、キャベツの千切りを加えますので、春キャベツが出回る時期は特に美味しいですよ。
 切リイカや明太子などの具材によって味が変わりますし、お客さまのお好みでソース、七味、青海苔、紅生姜を加えたりと味を作っていく部分はお任せです。
 味の決め手といえば、焼き方も重要です。混ぜた後に鉄板が程良く温まった頃を見計らって威勢良く流し、小さなヘラ「ハガシ」で焼けた所から食べていくのが荒川流です。この焼き方は鉄板の上で混ぜないので、もんじゃが糊のようになりません。また、味が均一にならないので、部分ごとに味付けが楽しめるのが魅力です。荒川流は「どて」を作らずスマートで格好良いですよ。荒川にはもう土手がありますから、いらないんですよ(笑)

【荒川流もんじゃの作り方】

 最近のように「どて」をつくるのは、経営者の知恵ですね。というのも、昔の鉄板は端が溝で空いていたので、そこにもんじゃが流れると裏が油のように固まって掃除が大変だったのです。それを防止するためにお客さまにお願いしたのが始まりで、それが何時しか食べ方のようになってしまったのではないでしょうか。

寄席を定期的に開催されているようですが?

テレビをはじめとするマスコミに多く紹介され有名人も多く来店します。

 落語はこの町によく似合うと思いますよ。荒川区を、町屋をもっと賑やかにしたいというのが私の望みなんです。
 私は荒川区を下町ではなく、「下駄町」と呼んでいます。下町は江戸城を中心とした円周で、下駄町は更に次の円周ということなんです。下駄町は下町と比べると生活にスピードがあり、人間に親しみがあります。落語に登場する熊さん八さんは正に下駄町の住人という感じがするのです。

「下駄町」情緒の残る店内。天井には千社札が所狭しと貼られている。

 噺家というのは、ご贔屓筋や町が育てていくかしないと育たないものなんですよね。芝居は相対峙する役者がいますが、落語は一人で何役もこなし、客席から反応が直ぐ返ってくる世界です。ですから話す方も聞く方も真剣勝負ですし、いろいろと勉強になります。そんな思いで寄席を定期的に開かせていただき、お陰様で毎回好評です。

●第27回浜作寄席(御引越記念)
日時 5月15日(月)6時半開場 7時開演
出演 開口一番:古今亭駒次
津軽三味線:太田屋元九郎/古今亭駿菊(転宅・他1席)
木戸前売 1200円/当日 1500円
場所 浜作もんじゃ会館(引越先になります)

40年続いたお店ですが移転になると聞きましたが?

女将さんと従業員の後藤ます江さんは長年苦楽を共にしてきた姉妹のよう。

 現在の場所は京成線のホーム下にあり、京成線の整備工事に伴って立ち退きになるので、近所の店も徐々になくなっています。店と共に生きてきた私は、意気地がなくなってしまい身体の調子がいまひとつです。あと3〜4カ月しか居られないと思うと、朝の掃除をしながら涙が出てきます。
 店を立ち上げた頃はお小言や励ましをお客さまから頂いて、店を作っていただきました。それを考えると寂しい気持ちで一杯です。幸い移転先は歩いて近い所ですので、今まで通りご愛顧をお願い致します。

姉妹店・花の木店と同じ所在地になります。

●新住所
浜作もんじゃ会館
荒川区荒川6-4-11 信和ビル2階
03-3819-4855


平成18年4月掲載記事
問い合わせ先 荒川区管理部情報システム課
電話:03-3802-3111(内線 2151)

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