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荒川ゆうネットは、平成16年から22年までに開設されていたサイトです。
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地域力 災害に強いまちを目指して シリーズ1:区民レスキュー隊



一昨年発表された直下地震被害想定で、
荒川区は非常に多くの家屋が倒壊するという衝撃的な内容でした。
更に火災を想定すれば消防車輌が入れないほど道幅が狭く、
木造住宅が密集している地域の被害は更に甚大です。
今回の特集は、地域力に目を向け
自助・互助の観点から2回シリーズでお伝えします。

区民レスキュー隊とは?

 大規模な地震等が発生した場合は、建物の倒壊や家具の転倒、落下等により多くの負傷者の発生が予想され、下敷きになった方の迅速な救出・救護が重要となります。
 阪神・淡路大震災では建物の倒壊等により、多くの人々が下敷きなりましたが、実際は救助資器材の不備等により、救助できる可能性のあった人々を助けだせなかった例が多数ありました。なおかつ発災直後には、区役所、消防や警察等の行政機関による負傷者の救出・救護活動は困難を極めることも予想されます。
 このような事態に備え、荒川区の各防災区民組織では、阪神大震災が起きた平成7年に、町会の発案による「区民レスキュー隊」を結成し、区民自らの手による災害時の救出・救護体制の整備を進めています。
 平成17年11月現在で、57組織92隊が結成されています。区役所では、これを区内全域に進めることを目標とし、区民レスキュー隊の結成に伴う資機材購入費に対して、一定の補助をするという形で支援しています。

おんぶ作戦(避難援助体制)とは?

 他の自治体に比べ高齢者の多い荒川区では、ひとり暮らしや寝たきりの方が増えています。大地震が起こった場合、寝たきりの高齢者や身体の不自由な方々は、自力では避難することができません。無事に避難していただくには、何よりもまず家族の力が優先されますが、それが及ばない場合には、近隣の方々の協力が不可欠です。そのため、区では、地域の力で避難援助の体制を整えておくことを推進しており、この体制を「避難援助体制」といいます。
 おんぶ作戦は、昭和56年の国際障害者年を契機として、障害者・高齢者団体の代表、町会長、民生委員等による意見を踏まえて、昭和59年から制度化されました。平成17年11月現在で、55組織59隊が結成されています。
 区では、こうした区民自らの手による救出・救護体制の整備を区内全域に進めることを目標とし、おんぶ作戦の体制が整った町会には、レスキューカー、担架、車椅子、おんぶ紐、トランシーバー、救急箱等必要な資機材を支給することで支援しています。

自分の町は自分で守る 東尾久四丁目上町会会長 石山光雄さん


東尾久四丁目上町会レスキュー隊について教えてください。

活動風景 現在、東尾久四丁目上町会では、区民レスキュー隊27名が登録しています。そのほか町会には、防犯部や婦人部があり、災害にあたっては、各部が協力体制に入れるよう日頃から準備し、連携を保っています。
 年10回程の全体訓練では、いつ災害が発生しても対応出来るように、悪天候や夜間など様々な状況を考えて訓練しています。内容は、情報収集/救助救出/瓦礫撤去など様々です。婦人部に協力してもらい、炊き出し訓練を行う時もあります。
 訓練といえども、本番さながらに緊張感を持って挑んでいます。また、上にたつ私自身が律してそのような空気をつくるよう心掛けています。

メンバーはどのように募るのですか。

活動風景 区内はもとより他地域に講演で招かれることがあります。当町会での27人の隊員数や新隊員加入の話をすると「何故、どのようにメンバーを獲得したのか」と皆さん一様に驚かれます。
 隊員獲得に苦労しているという事は、それだけ世間が地域防災に対しての関心が薄いという事かと思いますが、参考までに私の例をお話しましょう。
 私は、子どもが好きなこともあり良く公園などに出掛けますが、そこで子どもを通じてその母親とも話す機会が多くあります。その時に、防災という大きな話からではなく、日頃の危機管理について尋ねてみると、小さな子どもをお持ちのお母さんでもその意識はあまり高いとは言えません。
 そこで、例えば子どもが怪我をしたり引きつけを起こしたときに、止血方法や心肺蘇生方法が役に立つ事、レスキュー隊ではそのような救急医療の知識も身につく事を説明すると、必ずといってよいほどご主人に話しをしてくれます。
 東尾久四丁目上町会レスキュー隊の主力構成員は、そのようにして加入した家族思いの40代のお父さん達です。このような経緯ですから、訓練日と家族旅行の日が重なれば、家族旅行を優先してくださいと言っています。活動に縛りすぎない事も、長く続けていただくためには必要なことでしょう。

高齢者や身体に障害をもつ方の援護について教えてください。

おんぶ班の救助道具 高齢化社会の御多分に漏れず我が町会でも、レスキュー隊員の数に対し高齢者が多い現状です。高齢であっても元気な方は、自助努力での避難をお願いしています。近隣町の特別養護老人ホーム「信愛のぞみの郷」とは、予備隊として要請があれば駆け付けますが、ホーム単独でも訓練を行い、消防署主催の防災大会でも受賞するほどの実績があります。
 寝たきりの高齢者や、介助を必要とする障害をもつ方などの要援護者については、おぶってでも救助する「おんぶ班」を町会内で結成しています。更に、レスキュー隊の幹部は、要援護者宅やブロック塀が倒壊する危険性がある場所や安全な場所などをマーキングした町会地図をふだんから内ポケットに携帯しており、救援救出時に判断に迷わないよう努めています。
 災害対策は自助・互助と言いますが、まず自分、次に家族、それから町会…と円周を広げていっていただきたいと思います。

災害対策と町会の役割についてどのように考えられますか。

活動風景 災害時は、単独行動を避け団体で行動した方が安全です。町会員は、災害時に防災広場に集まることになっています。そこで顔が見られなければ、即座に救助に向かい、安否確認や怪我の状態を把握します。ただ町会に入っていらっしゃらない住民は、我々の方では把握出来ないのが現状です。
 新住民の方にお伝えしたいのは、ぜひ町会に加入していただきたいということです。
 古くから住んでいる人は、土地の特徴を良く知っています。新住民こそ町会に入っていただいて、危機管理意識を高めてもらう必要がありますね。

関連リンク


平成17年12月掲載記事
問い合わせ先 荒川区管理部情報システム課
電話:03-3802-3111(内線 2151)

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