○荒川区良好な生活環境の確保に関する条例

平成20年12月17日

条例第23号

(目的等)

第1条 この条例は、健康生活阻害行為の防止等について必要な事項を定めることにより、区民の良好な生活環境を確保することを目的とする。

2 区は、この条例の運用に当たっては、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)その他の関係法令の趣旨を十分に踏まえるものとする。

(定義)

第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 健康生活阻害行為 区民の健康で快適な生活を阻害する行為をいう。

(2) 良好な生活環境 区民が健康で快適に暮らせる生活環境をいう。

(3) 区民等 区民、区の区域内(以下「区内」という。)に滞在する者(通過する者を含む。)及び区内において事業活動を行うすべてのものをいう。

(4)  自ら所有せず、かつ、占有しない動物にえさを与えることをいう。

(5) 給餌による不良状態 次のいずれかに該当するものにより周辺住民の生活環境に係る被害が生じていると認められる状態であって、かつ、複数の周辺住民からの区長に対する苦情の申出等により、周辺住民の間で当該被害の発生が共通の認識となっていると認められる状態をいう。

 給餌によるえさを目当てに集散する動物の鳴き声その他の音

 給餌によるえさの残さ又は給餌によるえさを目当てに集散する動物のふん尿その他の汚物の放置又は不適切な処理及びこれらにより発生する臭気

 給餌によるえさを目当てに集散する動物の毛又は羽毛

 給餌によるえさを目当てに集散する動物の威嚇行為

(6) 廃棄物 区民等の生活又は事業から発生し、遺棄された物又は遺棄とみなされる状態で放置された物をいう。

(7) 廃棄物等による不良状態 廃棄物等(廃棄物並びに雑草、枯れ草及び樹木をいう。以下同じ。)により、次に掲げる状態のうち2以上が生じていると認められる状態をいう。

 廃棄物等により、はえ、蚊その他の害虫又はねずみが発生し、周辺住民の生活環境に係る被害が生じ、又はそのおそれがある状態

 廃棄物等が火災発生の原因となり、付近の建築物に類焼する危険がある状態

 廃棄物等が道路上の歩行者並びに車両の通行及び視界の妨げとなっている状態

 廃棄物等の臭気により、周辺住民の生活環境に係る被害が生じている状態

 廃棄物等により、ごみの不法投棄を招いている状態

(区の責務)

第3条 区は、区民等の理解と協力の下、良好な生活環境を確保するための施策を推進するよう努めなければならない。

2 区は、この条例の規定に違反する疑いがあると認められる行為について区民等から申立てを受けたときは、その内容について調査を行い、この条例の定めるところにより必要な措置をとらなければならない。

(区民等の責務)

第4条 区民等は、周辺住民の生活環境に配慮し、自ら健康生活阻害行為を行わないようにするとともに、周辺と調和した良好な生活環境を確保するための活動に自主的に取り組むよう努めなければならない。

2 区民等は、区又は他の区民等が実施する良好な生活環境を確保するための施策、活動等に協力するよう努めなければならない。

(給餌による不良状態の禁止)

第5条 区民等は、自ら所有せず、かつ、占有しない動物にえさを与えることにより、給餌による不良状態を生じさせてはならない。

(廃棄物等による不良状態の禁止)

第6条 土地又は建築物を所有し、占有し、又は管理するものは、当該土地、建築物及びその周辺(以下「土地等」という。)を廃棄物等による不良状態にしてはならない。

(荒川区生活環境審査会)

第7条 次条第2項の規定による命令、第9条第1項の規定による立入調査及び質問並びに第11条第1項の規定による公表の実施について、区長の諮問に応じて調査審議するため、区長の附属機関として、荒川区生活環境審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会は、学識経験を有する者のうちから、区長が委嘱する委員5人以内をもって組織する。

3 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 前2項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、荒川区規則(以下「規則」という。)で定める。

(勧告及び命令)

第8条 区長は、第5条の規定に違反して給餌による不良状態を生じさせたもの又は第6条の規定に違反して土地等を廃棄物等による不良状態にしたもの(以下これらのものを「違反者」という。)に対し、期限を定めて、周辺住民の生活環境に係る被害を防止し、又は除去するため必要な限度において、当該不良状態の防止又は除去のための措置その他の必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

2 区長は、前項の規定による勧告を受けたものが当該勧告に従わないときは、そのものに対し、期限を定めて、周辺住民の生活環境に係る被害を防止し、又は除去するため必要な限度において、当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

3 区長は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ審査会の意見を聴かなければならない。

(立入調査等)

第9条 区長は、この条例の施行のため必要な限度において、職員をして違反者の所有し、占有し、又は管理する土地又は建築物に立ち入らせ、必要な調査をさせ、又は関係人に質問させることができる。

2 区長は、前項の規定による立入調査又は質問をしようとするときは、あらかじめ審査会の意見を聴かなければならない。ただし、区民の生命、身体、健康又は財産に対する危険を避けるため特に緊急を要する場合で、あらかじめ審査会の意見を聴く時間的余裕がないときは、この限りでない。

3 区長は、前項ただし書の規定により第1項の規定による立入調査又は質問を行ったときは、速やかにその旨を審査会に報告しなければならない。

4 第1項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

5 第1項の規定による立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(代執行)

第10条 区長は、第8条第2項の規定による命令(第6条の規定に違反して土地等を廃棄物等による不良状態にしたものに係るものに限る。)に基づく行為が履行されない場合において、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる。

(違反者の公表)

第11条 区長は、第8条第2項の規定による命令を受けたものが、正当な理由がなく、当該命令に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

2 区長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該命令を受けたものに対し、意見を述べ、証拠を提示する機会を与えなければならない。

3 区長は、第1項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ審査会の意見を聴かなければならない。

(委任)

第12条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第13条 第9条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたものは、10万円以下の罰金に処する。

第14条 第8条第2項の規定による命令に違反したものは、5万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)

第15条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、当該法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、当該法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

この条例は、平成21年4月1日から施行する。

荒川区良好な生活環境の確保に関する条例

平成20年12月17日 条例第23号

(平成21年4月1日施行)