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首都大学東京による荒川区内における空間放射線量の測定について

更新日:2011年12月16日

 首都大学東京荒川キャンパスにある健康福祉学部放射線学科では、情報処理能力の高い診療放射線技師の育成を目指すほか、充実した施設・設備を有し放射線計測及び放射線治療装置等に関する先端的医療技術及び医用画像処理技術の開発を目指し様々な研究を進めています。また、大学院においては、放射線学の専門知識と技術の最新の知見を教授し、高度実践的専門家を育成するなど、放射線分野における人材育成・研究を行っています。
 放射線学科長の福士政広教授は、環境放射線分野における第一人者であり、3月11日に発生した東目本大震災に伴う、東京電力福島第一原子力発電所の事故による様々な放射線の影響に関する対応についても、国を始めとした様々な関係機関に助言をされています。
 福士教授は全国において空間放射線量の測定等を実施しておられ、原子力発電所の事故下における空間放射線量の変化についても継続して測定していらっしゃいますが、これらの研究の一環として、荒川区内においても空間放射線量を測定されました。
 首都大学東京では、地域貢献の一環として、既に「放射線を正しく理解する」と題した福士教授による公開講座を開催されていますが、このたび区内における測定結果のデータ及び解説について、下記のとおり区にご提供いただきましたので、区民の皆様にお知らせします。

荒川区内における空間放射線量の測定について<首都大学東京 放射線学科長 福士政広>

 首都大学東京荒川キャンパスほか荒川区内5カ所における測定結果は下の表のとおりです。
 地上1mにおける空間放射線量は、0.11〜0.16μSv/h(マイクロシーベルト/時)、50cmでは、0.12〜0.17μSv/h、5cmでは、0.13〜0.18μSv/hとなっています。
 測定結果から年間被ばく線量を算出すると、全ての地点で国際放射線防護委員会が示す指標の範囲内となっており、健康に影響を及ぼすレベルではないと考えられます。
 なお、国際放射線防護委員会(ICRP)が2007年に示した、一般の方が受ける人工放射線の年間被ばく線量の指標は、「平常時において1ミリシーベルト以下(自然放射線や医療で受ける放射線を除く)」とされています。

荒川区内放射線量測定結果
測定場所 測定日 空間線量率(μSv/h) 天候 備考
地上1m 地上50cm 地上約5cm
首都大学東京
荒川キャンパス
東尾久7-2-10 H23.8.23 0.16 0.17 0.18 砂地 グラウンド中央
生涯学習センター 荒川3-49-1 H23.8.23 0.12 0.13 0.14 砂地 グラウンド中央
町屋三丁目児童遊園 町屋3-27-6 H23.8.23 0.13 0.15 0.18 公園中央の木の下
あらかわ遊園運動場 西尾久8-3-1 H23.8.23 0.11 0.12 0.13 砂地 グラウンド中央
日暮里南公園 東日暮里5-19-1 H23.8.23 0.11 0.12 0.14 砂地 広場中央
汐入公園 南千住8 H23.8.23 0.14 0.15 0.15 砂地 プレイグラウンド中央
  • 測定機器  ICX radiation identiFINDER-Ultra-K-NG
  • 測定者   首都大学東京 福士教授 ほか

※年間被ばく線量の算出方法

算出条件(東京都が示した算出方法を適用)

  • 自然放射線量を都内平均値の0.05マイクロシーベルト/時とする
  • 測定した場所に1年を通じて毎日、屋外に8時間、その場所の木造家屋内に16時間いるとする
  • 木造家屋内滞在の被ばく低減効果を60%(係数0.4)とする

算出式
(測定値−自然放射線量0.05)×(8/24×1.0+16/24×0.4)×24時間×365日(単位はマイクロシーベルト)
(注)積算値は1/1000を掛けてミリシーベルトに換算。

身の回りの放射線について

 参考までに、身の回りの放射線について解説します。
 私たちの身の回りには、放射線を出すものがいろいろあり、私達は知らず知らずのうちに、いつも放射線を受けています。
 先ず、地球の外からは宇宙線が絶えず地球へやってきます。発生源の1つは太陽ですが、その他あらゆる方向から宇宙線はやってきます。この宇宙線は大気を構成する窒素や酸素などと反応し、二次宇宙線を作り出し、それも受けることになります。高い所へ行くと宇宙線を遮る大気が薄くなるので、平地にいるより多くの宇宙線を受けることになります。例えば、富士山頂では5倍多くなります。また、東京−ニューヨーク間をジェット機で往復すると平地にいる人と比較して、0.1mSv余分に放射線を受けることになります。これは胸部撮影1枚の被ばく線量より多くなります。宇宙線により1年間人が受ける線量は日本では平均0.29mSv、世界の平均は0.38mSvです。
 大地からは、そこに存在する放射性物質からの放射線が常に私達に放出されています。花崗岩はトリウム、ウラン、ラジウムなどの放射性物質を比較的多く含んでいるため、関東に比べ関西は大地からの放射線量が多くなっています。また、世界では通常の5〜10倍も高い地域があります。例えば、イランのラムサール、ブラジルのガラバリ、インド西部のケララ、中国広東省の陽江県などが地中からの放射線が高い地域として有名です。大地からの1年間の線量は、世界平均で約0.46mSv、日本の場合は0.36mSvです。
 体内にも放射性物質が存在します。体内にある放射性物質の主なものは、カリウムや鉛、ポロニウムなどです。体内のカリウムやその他いろいろな放射性物質から受ける線量の合計は日本の場合、1年間に約0.4mSv、世界平均では0.24mSvです。
 また、空気中の放射性物質であるラドン(222Rn)からの線量が有ります。ラドンは岩石、土中、コンクリート、建材などに含まれているラジウム(226Ra)がα壊変して出てくるものです。ラドンからの線量は世界平均で1年間1.3mSvであり、自然から受ける線量の多くを占めています。これら自然放射線の1年間に人が受ける線量の合計は世界平均で2.4mSVになります。日本の場合は1.5mSv程度になります。

お問い合わせ

環境課環境保全係
荒川区荒川一丁目53番20号
電話:03-3802-3111(内線:485)

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